意外と人気者!?
部屋にはよく分からない物が多数と今いる部屋から少し奥に行った所にベッドが2つ並んでいた。
魔界の時間は理解できないが、自分の体はもう睡眠を欲していた。
「もう今日は寝るかな。おやすみモルディア。」
目の前のベッドに体を預けて意識を手放したのだった。
「おはようございます ケント様。」
ふと目を覚ますとモルディアの声が聞こえる。
「おはよう モルディア」
寝ぼけながらも返事を返すと部屋に光が差しているのに気がつく。
魔界にも朝があるのかな?など思いながら意識を覚醒させていく。
「ケント様 これからいかが致しますか? お食事になさいますか?」
「ん・・あぁじゃあ顔洗ってくる。」
そう言って自宅での日課通りに顔を洗いに洗面台にまで行くはずだった。
寝ぼけていたのか、自宅と全く同じように洗面台にまで向かってしまった結果・・・そこには確かに洗面台が存在していたのだが、顔に吹き付けてくる凍えるような風 目の前の銀色の鏡面には自分が写っているようなのだが苦悶に満ちた表情をした人間なのかも理解できない何かが映っており、目の前の蛇口のようなものは蛇の頭をしており試しにひねってみると黒い液体が流れ出る。
「物は試しだな・・」と独りごちてその黒い液体で顔を洗う。
見た目は黒くてヤバそうな見た目をしているが普通の水と変わらず異臭もなにもしてないことから無害だと思いたい。
そしてその異色空間から出ようとすると今自分のいる場所が魔界だと思い知らされる。
ドアノブが存在しない。 鍵穴のようなものも存在しておらずドアらしきものには、見たこともない字が書かれている。
しかし文字だけではなく絵も描かれていた。 短剣に血が滴っているような絵とその短剣を扉の中央に差している絵だった。
そして絵の下には短剣が置かれていた。 開け方が全く理解できないので絵の通りに左手に短剣で傷を作ってから、血を滴らせて扉の中央に挿すことにしたのだった。
するとぐにゃりと扉に渦のようなうねりが出来始めてそのうねりを通ると元の部屋に戻っていた。
「ケント様!? どちらに行かれていたのですか?」
「どこって・・・顔を洗いに行ってたけど。元いた世界とちょっと変わった仕様で困ったよ。まさか出るのに自分の血が必要だったなんてね。お陰で目は覚めたけど。」
「ケント様。そちらには何も無いですが。」
「え・・・」
背後を振り返るとそこには壁があるのみだった。本当に寝ぼけていたのかといえば、そうではなく左の手のひらには切り傷が残っており指から血が滴っていたのだった。
「ケント様手を怪我されているではありませんか。治療いたしますのでこちらに来てください。それと洗面所はそちらの廊下をでて右から2番目の部屋ですので
お間違えないように。」
手に包帯のようなものを巻かれてそのままモルディアに手を引かれて食堂に足を運んだのだった。
モルディアと共に食堂に足を運ぶと、多数のモン娘達がそこには集っていた。
今まで自分の妄想の中や、はたまた画面の中でしか見たことがなかったモン娘達の姿がそこにはあった。
ガーゴイル
リザードマン
ピクシー
ハニービー
ダークヴァルキリー
テンタクル
ラーヴァゴーレム
キャンサー
ドーマウス
マーチヘア
キキーモラ
デビル
モスマン
スライム
ゲイザー
人虎
ワイト
リッチ
マンティコア
リビングドール
クラーケン
サンダーバード
サンドウォーム
ケプリ
アポピス
ファラオ
セルキー
グラキエス
イエティ
ワーム
ワイバーン
ダンピール
バイコーン
アークインプ
大百足
クノイチ
刑部狸
狐憑き(キツネツキ)
狐火
白蛇
アオオニ
提灯おばけ
ウシオニ
ぬれおなご
ネコマタ
リリム
ドッペルゲンガー
サラマンダー
アルプ
グール
マンティス
ワーシープ
ホブゴブリン
グリズリー
サハギン
オーガ
ドワーフ
ノーム
シルフ
イグニス
ウンディーネ
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見知っているのは他にも多数いるが驚いたのはそこに日本の妖怪娘の姿が
あったことだった。
モルディアが言うには、ミーシャの治める魔国領では魔界全土のモン娘達の駆け込み寺の
ようなものだという。
モン娘達が長きに渡り迫害を受けた後、生まれた国でミーシャは先代から数えて15代目。
魔界全土にはまだまだモン娘達が迫害を受け、虐げられているのが現状であるらしい。
元の世界で言うところの移民大国家のようなものなのだろう。
「ケント様。食堂ではこちらからメニューを選んで頂いてあちらの受付をしている者に注文するという形になっております。
ケント様はなにをご注文なさいますか?」
「モルディアは?」
「この魔界魚のムニエルにしようと思います。なんでもその時の旬の物や水揚げされてまもなくの物で作っているそうです。」
「じゃあ俺もモルディアと同じ物で。」
「分かりました。それでは注文してきますのでこちらの席で待っていらしてください」
言われた通り待つことにしたのだが、視線を感じる。
視線を感じる先を見てみると、モン娘達が俺の方を見ていた。珍獣を見るような目というのだろうか動物園の動物にでもなった気分だ。
「こんにちわ。あなたがケントさんですか?」
とさっきから話しかけたそうにしていたオオカミ娘の子が話しかけてきた。
「こんにちわ。そうだけど・・君は?」
もこもことした尻尾に黒い髪と対照的に白いピンと立った耳 青い瞳に覗きこまれるとその瞳の中に吸い込まれそうで・・
とても可愛らしい子だった。
「初めまして フローズヴィトニルと言います。ローズとお呼びください。」
「よろしくなローズ。俺のことはケントと呼んでくれ。」
「分かりました。ケントさん」
「ローズの後ろにいる皆もよろしくな~」
と声を掛けるとローズの後ろにいた子達も返事を返してくれる。
「よろしくね~
よろしくです
よろしくなの
よろしくですわ
よろしくでーす
よろ
よろろん」
「あ、ローズ。良かったら一緒に食べないか?」
「ケントさんさえよろしければご一緒したいです。」
ということでローズと一緒に食べることになった。
「お待たせしました。ケント様 そちらの方はどなたですか?」
「モルディアおかえり。この子はローズ。さっき友達になった子で一緒に食べることになった。」
「ローズさんですね。私、ケント様のお世話係をしているモルディアと申します。」
「これはご丁寧にどうも。わたしはフローズヴィトニルと言います。友人たちからはローズと呼ばれています。モルディアさんも
ローズとお呼びください。」
「分かりました。ではローズさん早速なのですが、ケント様の右は私の定位置なので左に移ってもらえませんか?」
「え・・そうだったっけ?」
「別に構わないですけど。」
「それじゃ食べましょうか。」
「いただきます。」
「イタダキマス?」
手を合わせていただきますをすると二人が不思議そうに覗きこんでくる。
「これは、元いた世界で食べる前の習慣みたいなもので食べ物に感謝するみたいなやつだよ
あまり気にしないで。 さぁ食べよう。」
「イタダキマス」
「いただきます?」
とちょっとぎごちない感じで二人はいただきますをして一緒に食べ始めた。
目の前にある魔界魚のムニエルは全く普通の見た目だった。 ローズも同じ物だったらしく
こうして3人で同じ物を食べていると給食を思い出す。
そんな風に食事を楽しんでいると急にモルディアが話しかけてきた。
「ケント様。はい」
「どうした?モルディア。」
「あ~ん。あ~~~ん。」
他のモン娘達の手が止まってこっちを見ている。拒否権は無いようで、このまま無視を続けると
更に注目が集まってしまいそうだ。
大人しく目の前に出された物を食べることにした。
「美味しいですか?ケント様。」
「美味いけど・・・ 恥ずかしいからモルディアもうやめようね?」
「はい。満足しましたし、その・・私のを受け入れてくださって嬉しかったですから❤」
その間は何? 何かおかしな雰囲気になってるけど
「はわわわわわわ ケントさんとモルディアさんってその・・・そういう関係なんですか??」
左には赤面したローズと右にはとても嬉しそうなモルディア。
そして先程までこっちを見ていたモン娘達もどうやら思い思いの事を語り合っているようだった。
「いや、まぁお世話係だから?こういうこともしてくれたんじゃないかな。」
「そうなんですか?それでもなんか今すごいアレな雰囲気だったような・・・」
「それよりもローズ!」
「ひゃいっ! な、なんですかケントさん。」
「この間の、その魔族会議って見た?」
「はい!もちろん見ましたよ。ケントさんすごかったです。オロバス様の剣を受けて尚、立ち上がるなんて。
それにモン娘の事が好きだって言ってくれてたの見て私はとても嬉しかったです。
最初に人間だって聞いた時すごい怖くて、それも勇者だなんてミーシャ様が言った時はその・・震えてしまって。
でもでも、話してる姿見てたら私達とあんまり変わらないし、私達のこと変に思ってないって知った時には一度
会ってみたいなぁ~とか考えていて。
こうしてお話してお友達にもなれて良かったです。」
ローズはずいぶんと好印象を持ってくれてるようだ。少なくともヘンタイとは思われていない様子で安心したが
ローズ以外の子はどうなんだろう?
「魔族会議の終盤辺りに俺のことミーシャとかに最後ヘンタイとか言われてただろ?あれってモン娘達の間でどんな感じに
なってる? 話しかけただけでまずいこととかにはなってないか?」
「そんなことないと思いますけど。それってあの「モン娘達を愛してやまないただの男だ。」って言ってた所ですか?」
「そう。あの勢いに任せて言ってしまったあれだけど。」
「あれからすごい噂になってまして。モン娘達の間ではすごいケントさん人気が上がってると思います。
ヘンタイと言ってたのは多分照れ隠しみたいなものじゃないでしょうか? あんなに正面から好きって告白
されるような事って、私達にはないですから。」
「そうです。ケント様のあの言葉で画面の前で赤面したモン娘は少なくないはずです。あぁさすがケント様です。」
「二人がそう言うならそうなのかもしれないな。でもモルディアはちょっと大げさだなぁ」
と笑いながら一通り話をした後、ローズと途中で別れて自室に戻ったのだった。