モルディアをモフ☆モフ
晴れて魔王の手下になったケントであったが、人間である彼には幾多の試練がおそいかかることになった。
召喚儀式終了の後、魔王城のある一室を与えられることになる。
「魔王陛下の下僕になられたということでケント様おめでとうございます。
私は、本日よりケント様の身の回りのお世話を担当することになりました
ケット・シーのモルディアと申します。どうぞよろしくお願いします」
「ケントだ。これからよろしくなモルディア それで身の回りの世話と言っていたが例えばどのようなものだろうか?」
「と申しますと?」
「いやどの程度までお世話してくれるのかな?と疑問に思ったのだけど。」
「私に可能なことであればどのようなことでもケント様のためにやりますが?」
「本当に!?おぉ~それは楽しみだな お世話なんかされたことないからな。
それで一つ頼みがあるのだがいいだろうか?
そのモフらせてくれないか?」
「モフる?意味はよくわからないですがケント様がお望みならばどうぞ」
「モルディアの見た目は、はっきり言って可愛い。 自分の初めてのお世話係
という贔屓をなしにしてもだ。銀色のショートカットに金色の目 模様はハチワレ猫と呼ばれるもので、品種はノルウェージャンといったところか
猫種の中でも自分のストライクゾーンを撃ちぬく魅力あふれる娘だった。
おもむろにモルディアの方に近づいていき、まずはその耳に触れるフワッとした
感触がする。 そして腹部の方に手を触れて・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・
突然初対面の女の子に対して、まず耳に触れてから腹部に手を触れて
あろうことか撫で回すという暴挙に走った自分に驚きを隠せない。
頭をよぎる文字は・・変態 痴漢
モルディアから鉄拳が飛んできても仕方がないと思った。
そのまま、フリーズしてしまった自分に対してモルディアの鉄拳が飛んでくると思われた直後」
「あのケント様?何かおかしなことがございましたでしょうか?」
その声色に怒りは感じられない 静かな怒り方をする子なんだろうか?
「モルディア?怒ってないのか?こんな失礼なことを君に働いた俺のことを。」
「どこかに怒るようなことがございましたでしょうか? ただお腹を触られるのはあまり好きではありませんね。」
と言われただけだった。
少し経ってから思い出してみる。 猫の腹部は骨格で覆われていない弱い部分であり、また抱きしめられるようなことも本能的恐怖から嫌がられるということを。
気を取り直して猫の好む場所をモフることにした。
「頭から顔、首元やうなじの順にゆっくりとしたスピードで撫で回す。もといモフらせてもらっていると」
「うにゃ~ん ごろごろごろごろ ふにゃあああ~」
とモルディアの気持ちよさげな声が自室に響く。
一般的に頭を撫でるのは理解されるかもしれないが
その次の顔やうなじ、首元を撫で回す行為は猫に限ればおかしくはない
変態ということにはならないはずだ。ならないはずだ! 彼女はモン娘ではあるが。
それから数十分モフらせてもらった後、頬を赤く蒸気させているモルディアに
今回召喚されたミーシャの魔王城を案内してもらうことになったのだった。