女嫌いの王と〇〇なお姫様
書きたいところだけ書いたので短いです。
「お前を愛することはない。部下がうるさいから形だけの妃にするためにお前を選んだんだ。お前は国でも静かに部屋にこもっているとの話だったからな。
この後宮から出たり、俺に近づかないのなら好きにしていていい。わかったな。」
いまだに国が乱立している時代に、ある大国の王のもとに小国の姫が嫁いできた。
26歳になる王には一人の妃も子供もいなかった。
それを憂えた初老の忠臣の涙ながらの訴えに辟易したために、王はいやいや彼女を娶ることになったのだった。そして、冒頭のセリフにつながる。
「わかりましたけど、妃としての仕事は?子を作る義務は?あなたはよくても私の評判にかかわってくるじゃない。それらはどうする気なの?子が出来なければ離縁して新しい女か側室を増やすように言われるだけよ。好きな女がいるのならとっと孕ませて側室にしちゃいなさいよ。男が好きなら養子をとりなさいよ」
「なっ俺は男も嫌いだ!まったく…女がなんていう口をきくんだ!しかも俺は王だぞ。」
「王族の義務である政略結婚の一つもできない肝が据わっていない男は王とは認めたくない。100歩譲って呼んであげてもいいけど、敬意はないわよ。王様(笑)!」
「くっ…俺は心が広いからな!俺に愛されないとわかって自棄になった女の暴言は許してやるよ。まったく、どこが静かで本ばかり読んでいる姫だ。全然ちがうじゃないか。あぁ、王族の外交に携わらせてもらえなかったから暇だったんだろ?そんな毒舌じゃあな。お前こそ王妃(笑)じゃないか!」
「本は趣味だから忙しくても読んでいただけです!お茶会も晩餐会もきちんとこなしていました!王妃の仕事も完璧にこなしてあげるわよ!」
「そこまでいうなら、ちゃんと王妃として扱ってやろう!後悔するなよ!」
そしてそのまま、後宮にいつくことになった王。
そして六年が経っても、相変わらず邪険にされながら今日も彼は彼女に立ち向かう。
5歳を筆頭にした3人のかわいい子供達の末っ子に弟が欲しいとお願いされたからだ。
後宮に住む妃が増えることはなかったが、翌年には元気な産声が響くことになった。