悪魔ノ 九
入学試験!?そんな事は爺ちゃんから聞いていない。
『入学試験って何するの』
僕の質問に千夏ちゃんはキョトン。そんなに可笑しな質問だろうか。
『えっ、筆記と実技だけど。なんで。学校案内にも書いてあるよ』
そう言われ、ふざけた学校パンフレットに目をやる。
集合日程の欄に試験(筆記・実技)の項目あり。終わった……。
『サトルくん。まさか、何もしてないなんてないよね』
『……』
言葉の出ない僕の返答。千夏ちゃんは呆れ顔。
気付けば、周りの奴らは必死に参考書を読んでいる。
今から誰かに借りて勉強するか!?しかし、それじゃぁ間に合わない。
混乱する頭に僕は意味もなくカバンの中を漁ってしまう。
『お待たせしました』
そう言い、混乱する僕をよそに市役所から女性が出てきた。
気付いて、時計を見れば集合の時間。女性はあの勧誘の変なオバさんだ。
『今日は悪魔ノ学園の入学試験に来ていただきありがとうございます。私はこの試験進行役を勤めますキキといいます。宜しくね』
そう言い、足を跳ね上げ、可愛いぶるポーズ。この人は歳を20才は間違えている。
『今日はここに十五人の入学希望者が集まりました。今から試験をして、入学出来るのはここから上位五名です』
三分の一が受かるのかと思い、再び自分の置かれた状況を考えると絶望的だ。
まずはこちらに来てください。
そう言い、キキは市役所の中へと入っていった。
みんなもキキについて行く。
日曜日に市役所があいているという不思議。そこを堂々と進むキキと僕たち。
何がどうなっているのかまったく分からない。