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悪魔ノ 二

才能!?そんな事を言われたのは初めてだった。僕にはこれまで特筆すべき才能といわれる才能はなかったように思われる。



勉強は学校じゃぁ、中の下くらい。運動だって何かで一番になったことはないし、歌だって普通、ギャグのセンスだってまったくない。



そんな僕になんの才能!?甘言の誘惑に僕の足は止まってしまう。



『私が調べた限りではあなたは最高の血統の持ち主なの。そんなあなたが才能がないはずがない。あなたには是非とも、私達の悪魔ノ学園にきてほしいの』



そう言い、女性は一枚の紙を渡してきた。紙にはポップな文字と写真で明るい校舎が描かれている。



ようこそ!悪魔ノ学園へ!!



文字の下に書かれた可愛いイラストの悪魔の女の子。世の中の悪魔も明るくなったものだ。



僕はそのイラストを見て、再び足を前に進めた。新手の宗教の勧誘。こんな胡散臭いパンフレットに騙されるバカはいるのだろうか。



『ち、ちょっと待って』



そう言い、女性は追いかけてきた。逃げても良いが友達と待ち合わせている駅まで来られたらたまったもんじゃない。



仕方がないので、僕はパンフレットだけ貰う事にした。



『また、連絡しますから』



と嘘をつき、女性をなだめてから足早にその場を去る。



女性は僕のほうを見て、いつまでも手を振ってみていた。



『連絡待ってるからーー』



黄色い声にこれが可愛い女の子だったらどれだけ良いだろう。



僕はそんな年増なおばさんの声に耳に蓋をしながら、足早に駅へと向かっていった。

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