同情するなら改造してくれ
博士がボケた。
「・・・どうすんだ、これ」
「うむ、どれどれ」
そう言って金仮面改め、Dr.サイクロプスは正座した博士の前に座り込んだ。
それでも大人と子供くらいの身長差なので上から覗きこむ。
博士は正気に戻った。
あべばばばばででででたいむおぶれとびゅーしょんばとーわんでっさいだですてぃにーほくとうじょーはがんけんふぇーたるけーおーおおゆうしゃよしんでしまうとはなさけない
ぷしゅー。
あ、壊れた。
「駄目じゃねーか!」
「ふむ、前はこれで治ったのだが」
「死んでないだろうな」
ツンツンとつついてみるが博士は微動だにしない、穴という穴から煙を噴き出している。
「心配ない、仮にも私が手を入れた改造人間だからな」
「あ、怪人だったのかこのジジイ」
「何を言ってるのかね」
まさか一つ目の巨人に奇妙な目で見られるとは思わなかった。
「煙を吐くような地球人などいないだろう?」
「あー、うん・・・」
毒された、とはとても言えない。
「しかし困ったものだね」
顎を手に当てながらDr.サイクロプスが呟く。
「これでは一輝君を私が改造するしかなくなるのだが」
「ええー」
すごく嫌そうな声。
「幹部が戦闘員より弱くては示しが付かないだろう?」
「それはそうだが・・・うーん、不安だな」
「ふむ、ではまず君の助手として147番を改造するというのはどうだね、どの道廃棄しないのならそうするしかないのだ」
ビクン、ソファに引っ掛けたままのオブジェが震えた。
「よし、それで行こう」
「モチーフは何がいいかね」
うーん。
手を組んで一輝は考えこむ。
勧誘。
ドアの仇。
わが人生に一片の悔いなし。
ビンタ。
ん?
「なあ、戦闘員って地球人じゃないよな?」
「うむ」
「じゃあ地球人で」
「おお!なるほど、意外だが妥当な発想ではあるな」
ポン、と手を打った首領に物申したのは意外にもオブジェであった。
「いやいやいやちょっと待ってちょっと待ってせめてこちらの希望を」
「そうだね、希望は・・・いやこの方が早いか」
そう言って一輝の心を読む首領。
「いやああああああああ」
悲鳴を上げたオブジェに一輝はうるさそうに目を向ける。
「さっきからうるさいなお前」
「だって一輝さんみたいなエロゲー三昧な童貞の希望なんか二次元みたいでつまりリアルじゃコスプレみたいで単にキモ」
「やかましい」
げしっ、ソファから落ちる卍字のオブジェ、ガシッと掴む一つ目。
「ではまた後で」
「おーう」
ズルズル
「結社め!」
ズルズルズル
「私は決して屈しない!」
ズルズルズルズル
「エロゲ展開らめぇ~」
バタン
オチがいまいち