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step5:「、」ってどこに打つ?〜文章が破綻するって何?実例を添えて〜

 今回は「、」、つまり、読点の話です。

 どこに打つか迷いません?

 無さすぎると読みづらい、でもありすぎても鬱陶しい。

 国語の文節の授業じゃないので打ちすぎ注意。

 感覚で言う、漢字とひらがなの量、みたいな。

 で、私の場合、「呼吸」を意識します。

 文法?二の次です。

 だって読めれば、というか、私はどちらかというとリアルなリズムを重視してるので。

 息のつまるところとか、息継ぎとか

 だって文字って記号ですよ。実際作者と読者の想像をぴったり一致させるのって無理がある、と思います。

 だって、実際の発音と記号の並びじゃわからないし、なまりなどとなると実際に話し方を知らないと音がわかりません。上げるのか下げるのかとか。それと同じです。

 なので、セリフを地の文で補ったり、それぞれ工夫することが大切になってきます。

 そのため私はどれだけその「記号に生身を吹き込めるか」を意識しています。

 結構重要だと思ってます。

 そして息遣い、これは特に泣いてるセリフなど、息継ぎが命になる文では大切です。リアリティに直接つながります。

 例えば


「ごめんね助けられなくて」

「ご、めんね…たっすけ、ら、れなくってッ…!!」


 どっちの方が迫力がありましたか?

 文字を読むだけでシーンや空気感も出せることは大切です。

 意識しましょう。


 あとこれは余談でリアリティ問題ですが、

 小説って「小説だから」好き勝手できるんですが(特にファンタジー系など)、現代ドラマなどそういったジャンルとなるとある程度、最低限はリアルに基づいて書かないといけませんのでそこは調べながら書いたりしましょう。

 ですがここは個人が「どこまでリアルを取り入れたいか」で変わるので一概には言えません。


 話を戻して、文法は意識しないと言っても破綻するとおかしくなるので、あくまで文がおかしくならない程度にします。

 と言ってもある程度の文法の感覚は無意識に皆さん持っていると思いますよ。


(ここで言う「破綻」とは、書き手が伝えたい本来の意味が読み手の多くの人にとっては別の意味で捉えられたり、伝わらないと言うことを指します。)


 では「、」の位置がどう文章に影響を与えるのか、例も見てみましょう。

 例えば、

「マメは笑う、やはりリラといると楽しくなる。」

「マメは、やはり笑うリラといると楽しくなる。」

 です。

 これだと上はマメが笑ってる、ですが下はリラが笑っています。

 これが私の言う一つの破綻、本来伝えたい意味が伝わらないと言うことです。

 主語の破綻、とかですね。

 小説ですから、「皆さんに(最低限の)同じ意味が届く」、これは基本ルールです。

 特にわざと複数の解釈の余地を残す、などをしてない場合は意識しましょう。

 と言っても今の例は本当致命的なので考察どころではありませんが。

 意外と過去作を見直すと「しまった!」と言う部分もあるかもしれませんよ?

 よく聞くのが紙に一度プリントすると間違えに気づきやすいと言いますね。

 でもめんどくさいでしょ?なので読み返し、たまに過去作を覗くのも良いですね。

 あとはAIなどの聞いてみてはいかがでしょうか。


 あ、あと「、」は意識の区切りにもなります。

 前に話した文字数と似たイメージです。

 そうですね…今回また例文を出すのでそれを深く考えずに読んでください。早口で読んでみるのもいいでしょう。

 声に出すなら「、」の部分は息継ぎや一旦止まるところです。

 では行ってみましょう。

 私の作品の「屋上の透明人間」で例考えると…

 ーーーー


 [元の文(見本)]

 だが、自分の目の前で誰かが死ぬのが嫌だとか、私以外死なないで欲しいとか、今更すぎる言葉がまるで『人間みたい』で、けれどもそんな言葉が頭に、確かに、浮かんできたから


 [多い]

 だが、自分の目の前で誰かが、死ぬのが嫌だとか、私以外、死なないで欲しいとか、今更すぎる言葉が、まるで、『人間みたい』で、けれどもそんな言葉が、頭に、確かに、浮かんできた、から


 [少ない]

 だが自分の目の前で誰かが死ぬのが嫌だとか私以外死なないで欲しいとか今更すぎる言葉がまるで『人間みたい』で、けれどもそんな言葉が頭に確かに浮かんできたから


 ーーーー

 書くときは深く考えずとも意味が頭に入りやすい「、」の使い方も意識しましょう。

 多いと息が切れ切れになる。

 そして意識が分散されやすい。そのぶん、文の理解も少し大変。

 だからといって「、」が少ないと息が続かなかったり苦しかったり大変。聞いててわかりずらく、意味が理解しにくい。そしてパッと見読む気が失せるし、頭に入ってこないって感じですかね。

 あとは「なんでそこに読点を入れた?」、「どんな効果が出るの?」、「余計じゃない?」と考えると良いかもしれません。


 多くの読者は一つの文に何分もかけて考えたりしませんし、特に暇つぶしでスクロールしてる人たちにとっては文字の行列から今後この作品は自分の時間を割くほどの価値かを推測します。

 たとえあなたが3時間かけて書いた作品だろうが、その一言にものすごい思いを込めたからと言って読者全員が気づくとも限らないし、ましてや日常のワンシーンとかなら尚更すぐ通り過ぎる単語になるでしょう。

 3時間かけたからといって相手がその話を読むのに違う時間は30分もないことでしょう。

 なら作者として意識すべきところは、その30分にも満たない時間に何を感じさせ、何を“見せ”、何を“持って帰らせるか”ですよね。


 では次回、漢字ひらがなカタカナ数字の使い方です。


【今日のポイント】

「、」の使い方

 ・呼吸を意識。実際使うリアル感も意識する。

 ・記号に生身を吹き込むことを意識する。

 ・自分の作品に合わせてリアリティを大切に調整する。

 ・文法はある程度の無意識があると思うが最終確認は大切。

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