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ムーンライトベリーの香りが忘れられなくて  作者: 餅月 響子


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第43話 母娘の新たな日常

 千晃と別々に暮らすようになって半年が経とうとしていた。

 愛香は、母と一緒に住んで以前よりもまったりとした生活になっていた。万智子と同じスーパーで変わらず働いて、自宅から通っていた。働きながら、自動車免許の教習所に通っている。愛香の母は、なるべく生活の負担にならないようにと夜勤のない外来勤務のクリニックの看護師として転職した。イライラすることも減り、時間に余裕ができて、すっきりしていた。


「愛香、今日、久しぶりに夜ごはん、外で食べようか」

「うん。そうだね。何食べに行くの?」

「回転寿司にする?」

「いいね。楽しみにしている!」


 愛香は車から降りてドアを閉めた。毎日職場まで母に送ってもらうのが日課になっている。以前とは比べ物にならないくらいの母娘の仲の良さだ。バチバチとした言い争いも減っている。お互いに日々の出来事を言い合うのも楽しみの一つだ。こんな関係性になれたのも、千晃が愛香を連れて、母娘を引き離してくれたおかげだ。


「おはようございます」


 スーパーの休憩室。ロッカーに荷物を入れる前に女性スタッフに声をかける。その中に千晃の叔母の万智子もいた。


「おはようございます。愛香ちゃん。今日の髪型もかわいいね」

「あ、ありがとうございます。万智子さんも、良い髪色してますよ」

「そう、昨日、美容院で白髪染めしてきたのよ。まだまだ若い子には負けてられないからね」

「私は日々トレンドを探さないとね。ここの看板娘ですから!」

「あらあら、言うようになったわね。店長から言われたんでしょう」

「そうで~す! 金髪のインナー入れてもいいって確認とりましたから」

「……今、流行ってるわよね。部分的に金髪にするの。それは私にはできないわぁ」

「万智子さんもやってみたら、どうですか。エクステつけて」

「あー、エクステっていうのもあったわね。いいアイデア。ちーちゃんに探してもらうわ」

「万智子さん、デジタルに疎いですもんね。ネット通販も……」

「そう、いつもちーちゃんに頼むのよ。あ、それより、愛香ちゃん、免許センター通っているって?」

「あ、はい。そうなんです。誰から聞いたんですか?」

「店長が言ってたの。免許取ったら、配達もお願いできるねって喜んでたわ」

「……店長、これ以上私の仕事増やしてどうする気ですかね」

「引っ張りだこは若いうちだけよ。がんばって。ほら、仕事仕事!」

「はーい」

 

 愛香は、緑のエプロンと緑の三角巾をつけて、鏡で確認する。頬をバシバシとたたいて、気合を入れた。今日も仕事が始まる。さらりと千晃の話題が上がったが、基本的にはスルーを心がけていた。変に掘り下げられても困るなと思っている。万智子も気を使いながら話を振る。お互いに隠しておきたいことだろう。あたらずさわらずだ。先輩後輩の関係で和気あいあいとしていた。そんな状態であることも千晃は知る由もない。

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