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ムーンライトベリーの香りが忘れられなくて  作者: 餅月 響子


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第38話 時間感覚を忘れるクラゲの水槽

 青く透きとおった水槽に顔を近づけた。コポコポと空気が上に上がっていく。

水族館のコース通りに進んで行くとクラゲコーナーがあった。

愛香と暁斗は、ゆっくりと歩いて進んで行く。少し暗くなっている水槽の中はふわふわとゆらゆら泳ぐクラゲがいた。

じっと見つめると、白く傘のような形を作って、上にふわんふわんとなっている。見ているだけでも何だか癒される。


「ココ見てよ」

「え?」

「くらげって内臓が無いだって。血液も脳も無いのか」

 

暁斗は、パネルに描かれたクラゲの豆知識を眺めていた。愛香はぼんやりとクラゲの説明を見る。プラクトンを食べて成長しているとも書いてあった。人間よりもうすっぺらい体でどんなこと考えて泳いでいるのか不思議で仕方なかった。


「不思議……クラゲって何だか宇宙人みたい」

「脳みそ無いから?」

「うーん。形が火星人っぽくない?」

「確かに……」

「ずっと見てられるね」

「そう?」

「うん。ふわふわしてて動きが面白い。あ、ぶつかりそう。何とか避けてる」

「クラゲは争いはないらしいぞ」

「争わないってすごいよね。何だか人間は醜い生き物って考えちゃう」

「……人間なんだから、人間らしい行動でいいだろ」

「先生だったら、どう考えるのかな」

 暁斗はドキッとしながら、クラゲの水槽に手をあてて考えた。


「世界史教えてるからな。白崎と同じ考えかもしんないぞ」

「宇宙人ってこと?」

「世界を見てるから。おもしろ」

「ちょっと笑わないで」

 腹を抱えて笑い出した。涙も一緒に出て来る。愛香が先生のことを思い出すたび、鼻穴が広がることに面白くなった暁斗だ。


「悪い悪い。あまりにも面白くて……」

「もう……笑わせてないから」

「わかってるけどさ。白崎の顔が面白かったんだよ」

「気を付けるから」

「うん。ぜひ、そうして」

 笑いがおさまった暁斗は遠くを指をさす。


「イルカショー見ようぜ。今の時間だとぎりぎり見れるから」

「え、うん。見る」

 無意識のうちに暁斗は愛香の手を引っ張り、連れて行った。今断るのも雰囲気悪くなると思い、少し頬を赤らめて水しぶきが飛ぶイルカショーの観覧席に向かった。

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