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ムーンライトベリーの香りが忘れられなくて  作者: 餅月 響子


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第36話 夕暮れ時の告白

「白崎!!」


 千晃と愛香の2人の姿を見てすぐに大きな声で暁斗は声を出した。想像以上に大きく声が出て、自分でもびっくりしていた。


「小野寺暁斗か」

 千晃は、目を大きく見開いていた。愛香はどう説明すべきかと不安になり、千晃のシャツの裾を握る。その手が震えていた。


「そんな、おびえることでもないだろ」

「そうなんだけど……」

「あの……どうして2人は一緒にいるんですか」

「それはだな……」

「あたしから言うよ」

「あ、ああ。そうか。んじゃ、話しなさい」

 急に先生っぽい態度になる。その姿にさらに暁斗の中に不信感が生まれる。

「2人は……つきあってるんですか」

「暁斗くん、実はそのことについてなんだけど」

「知ってるよ。2人が学校にいるときから付き合ってることくらい。全校生徒が知っていたんだ。校長がはっきり言っていたから」

 その言葉に愛香と千晃は初耳でびっくりした。

「それは本当か?」

「うん。嘘は言ってない」

「……んじゃあ、その通りだよ。私は学校に通っていた時から千晃先生が好きだった。退学した今でも一緒にいるの」

「まぁ、見ればわかるよね」

 不満そうな顔をして、暁斗は自転車のハンドルをぎゅと握る。

「それって、退学すればいいんだ。先生辞めればいいってことになるんだね」

「そ、それは……」

 千晃は、青ざめた。かなり胸に刺さる。本当にいいのだろうかと不安になる。現実から逃げてきた。正解か不正解かなんてわからずに今まで突き通してきた気がする。千晃は、ふと自分自身を見つめ直した。


「俺の判断は本当にあっているかはわからない。でも、愛香は俺と一緒にいることを選んだ。俺も愛香と一緒にいることが当たり前だと思っている。それは誰に反対されようとも変わらない」


 自信を持って言える。そう信じて言葉を発したが、果たして真実かどうか。本当の自分を失っている気がした。職が安定してないからだろう。


「そ、そうですか。はっきり言うんですね」

「ここは言っておかないな」

「ダメだと思うことを貫くのはすごいなって思います。尊敬します。でも、俺は、千晃先生よりも白崎を困らせるようなことをしない

自信があります」


「……暁斗くん」

「小野寺……それって」

 2人は驚きを隠せずにいた。


「そうです。俺は白崎が好きです」

 3人が佇む道路の脇をヘッドライトを光らせて、乗用車が走る。街灯のライトがぼんやりと光り始めた。

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