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ムーンライトベリーの香りが忘れられなくて  作者: 餅月 響子


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第12話 以前と違う朝のHR

ざわざわとした教室に着くと、教壇にクラスメイトと話す千晃先生がいた。愛香の席は一番後ろの窓側で、自分のことなんて気づかないだろうと、静かにバックを机に置く。陽葵と薫子は、座席の方で2人が愛香の様子を伺いながら、席に着く。すると、出席簿を片手にずんずんと教壇から千晃先生が愛香の席に近づいてくる。素知らぬ顔をして、窓の外を見る。


「白崎、足は治ったのか?」

 

 挨拶もせずにすぐ聞く千晃先生がそばにいるのが信じられない。今までそこまで会話したことない。この間の出来事が脳裏に鮮明に思い浮かんだ。想像力が高まり、ボンッと耳まで顔を赤くした。


「へ?」

「あーー、先生。愛香に変なことしたっしょ!?」


 隣の席の菅原水紀(すがわらみき)が叫ぶ。愛香は無意識に赤くなって、恥ずかしくなり、廊下に駆け出した。


「は?! 何もしてねぇって。って、おい、白崎」


両手で頬を抑えて、廊下の窓を開けて、風を浴びた。パタパタとうちわのように手で仰ぐ。

なんであのタイミングで赤くならないといけないかと自分自身の頬をつかんだ。


 ホームルームも適当に終わらせた千晃先生は、愛香の横に近づいた。


「おい」

「わぁ?!」


 廊下に生徒たちが行きかっている。移動教室で混みあっていた。生徒にぶつかりそうになる愛香の腕を引っ張る先生にドキッとする。


「しっかり前見ろって」

「す、すいません」

「足、大丈夫なんだな。無理すんなよ」


 手の甲をぽんとさかさまに額をついた。たったそれだけでなんだかほっとする。モテモテの千晃先生は、たくさんの生徒たちに声をかけられていた。さっきまで自分と会話していたなんて、何だかうれしくなる。個人的に話しかけてくれるって生徒だけど、なんだか特別なんじゃないかと変な妄想する。

 千晃先生は他の生徒の話をしながら、横目で愛香の様子を伺っていた。お互いに気持ちは惹かれ合っているかもしれないのにもどかしい時間が過ごしている。



「愛香。昼休み、楽しみにしているからね」

 

 陽葵は愛香の肩に後ろから触れた。いろんなことを聞かれるんだろうなとドキドキした。


「私も一緒に聞くよ」


 薫子も笑みを浮かべて愛香を見る。


「うん。話、聞いてもらったらきっとすっきりするよね、きっと」

「うんうん。そうだよ。そうしよう。愛香の話を聞く会ね」

「そうそう。そうしよう」

「ありがとう、陽葵、薫子」


 愛香は相談し合える友達がいるって幸せ者だなとほっとした。

 授業開始のチャイムが鳴る。3人は自分の席に戻って行った。

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