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東京の鬼

 明日香さんに追いつくのに一分ほどかかった。


「遅いぞ少年少女! もう鬼は倒してしまったぞ!」


 いや、明日香さんの足が速過ぎるんです。ベータ階級因子をフルに使ってもこれって明日香さん化け物過ぎるでしょ。


「ほら! 休んでないで次行くぞ!」


 ええ、もう走り疲れたんですけど。


 と、おれと比渡は顔を見合った。


 比渡も相当疲れているようだ。よし! ここは比渡をおんぶしておれは走り続けよう! ウハウハの青春って感じで楽しいこと間違いなしだ!


 そんなことを考えていると、明日香さんと比渡は走り出していた。あ、待って! 置いてかないで! ワオーン!


「遅い遅い! もっと速く動かないと東京の鬼の発生は食い止められないぞ!」


「ハァハァ、限界っす! おれと比渡はまだ新米ですから、ついていけないっす!」


「そんな甘いことでは上級の鬼に殺されるぞ! 黙って走り続けろ少年少女よ!」


 こうして凶悪と言われる東京の鬼に一度も会えず、おれと比渡は走り続けた。


 そして零時になると、明日香さんは走るのをやめておれと比渡に振り返る。


「うむ! よくわたしについてきたな少年少女よ! なかなかに根性があるようだ!」


 ハァハァ、死にそうだよ。飲まず食わずで何時間走ったんだ?


「ということで、インターン一日目終了だ! 飯食って帰るぞ!」


 え? おれたち鬼狩りするために東京に来たんだよね? 鬼狩りのおの字もしてないんだけど、それでいいの? 明日香さん追っかけてただけなんだけどそれでいいの? まあ、もう疲れたしいいか。





 と、おれたちは事務所に帰ってきた。


「お? 外回りお疲れ~」とミサさん。


『お疲れ様です……』とおれと比渡は元気なく言う。


 めっちゃ疲れた、鬼と戦う前に死ぬとこだった、早く風呂入って寝たい。


「あの、明日香さん」と、比渡は真剣な顔つきで呼ぶ。


 そういえば比渡と明日香さんって話すの初めてか。どんな話をするんだ?


「わたしたちは鬼狩りに来たんです。こんな訓練は学園でも出来ます」


「まあそうだけど、まずはカラダに犬因子をなじませないとダメだろ。ここは東京だ、鼻を使うよりも肌で鬼を感じられるようになる修行をしなければならない」


「そんなことインターンに必要ありません」


「もう……比渡ちゃんは頑固ちゃんだなぁ」


「――わたしは巖堕羅(がんだら)を倒さなければならないんです!」


 巖堕羅……比渡の家族を殺した最上級の鬼か。そいつに復讐するまで比渡は止まらないだろうな。


「巖堕羅か……そっか、分かった。明日は鬼と戦ってもらうから安心してくれ」


 え? 戦っていいの? 東京の鬼って狂暴なんでしょ? 低級の鬼でも強かったら嫌だよ? おれは訓練だけでもいいよ?


 と、一日目のインターンは終了した。





「おはよう! 少年少女よ!」


 インターン二日目は明日香さんのうるさい声から始まった。


 ああ、おれ超人型なのに昨日の疲れが抜け切れていない。この状態で東京の鬼と戦って勝てるかな?


「今日は予定通り鬼と戦ってもらうぞ! ただし! 中級の鬼はわたしが倒すから君たちには低級の鬼を任せる!」


 おれは実戦とかどうでもいいんで、明日香さんは低級の鬼も倒してください。


 と、朝飯を食ったおれと比渡と明日香さんは事務所を出た。


「うむ! 今日の東京も曇り空が似合うなぁ!」


 何言ってんだこのヒト。曇りが好きなのか?


「どれ、君たちはS学へ、わたしはM学へ行く」


「え? 明日香さん別行動するんですか?」


「もちろん!」


 ええ、中級の鬼とか現れたらヤバくない? おれと比渡でも倒せるか分からないんでしょ? 東京の鬼ってのはさ。


「大丈夫なんですかね? 暗躍部隊とか……」


「まあ、東京はわたしの管轄だから暗躍部隊は大丈夫だろう。そして中級の鬼が現れたらわたしが駆けつけるから安心していいよ。しかしS学は今までの経験上で低級の鬼しか現れていないからね」


「あの、イレギュラーが起こった場合どうすればいいんですか?」


「大丈夫だ!」


 明日香さんは根拠なしに言う。


 まあ、最強のセリフなら安心していいのだろう。





 と、おれと比渡はS学へやってきた。


 鬼の気配を肌で感じろって明日香さんは言ってたけど……おれにはまだ早いな。てか、学校近くにこれば嫌でも鬼の臭いがする。


「日野君、こっちよ」


 比渡は鬼を発見したらしく、おれを鬼の場所へと案内する。


「あれが低級の鬼……デカいな」


 東京の低級の鬼は地方に比べて一メートルほどデカいことが分かった。


「あそこまで大きな鬼は初めて見たわ」


「比渡も初めて見るのか」


「ええ、まさか……」


 ん? と、おれは疑問を持った時には、鬼がおれの背後をとっていた。


「な!」


 この鬼、図体がデカいのにこの速さとか、どうなってやがる。


 おれは鬼に殴られた。


「日野君!」


 と、駆け寄ってくる比渡。


「大丈夫だ! それより比渡、あの鬼なんか変じゃねぇか?」


「たぶんだけど、あれは低級から中級の鬼になる予兆よ」


 え? 鬼って進化するの? おれ授業全然聞いてないから分からなかった。


「つまり、今倒さねぇと中級の鬼に進化するわけか」


「ええ、急いで倒しましょう」


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