9話 木こりは細マッチョ
ヘトヘトになりながらグレゴリオの家まで向かった。
村人たちは赤い小さい竜がいたの驚き慌ててしまった。
「鉱山に行く途中に炎の精霊サラマンダーのソルと俺が契約しました。
ソルはみんなの味方です」
その言葉を聞いてみんな安心して、ソルを拝みだした。
「ふふん。俺は偉いんだぞ。悠斗も少しは敬え。」
偉そうな姿も可愛い。
はじめに作るならステンレス包丁でしょ!
と意気込む悠斗にグレゴリオとソルが突っ込んだ。
「斧だ!木材が全く足らない」
「食料がないのに包丁作ってどうするんだ」
「鉄鉱石もクロムもそんなにあるわけじゃないんだから」
こうして悠斗の初めて作るステンレス製の鍛冶1号は斧になった。
鉄鉱石をソルが火を入れて玉鋼にする
玉鋼に対してクロムは18%
───スキル合金
するとステンレスに変わった。
そこから斧の刃に成型、鍛錬する
その先は研磨
ピッカピカに磨くと自分がうつった。
きれいだなぁ
これがステンレス
輝いてる!
「悠斗は素晴らしい鍛冶職人だな!」
ミファが感嘆の声をあげた。
美人に褒められた。
「ありがとう」
やったーーー!
きらめくような刃。握りやすく力を込めて振り抜けるようにバランスを調整した。
「こんな美しい斧を使ってもよろしいのですか?!」
木こりたちは宝物のようにうやうやしく斧を手に取った。
痩せていても、木こりは細マッチョ。
カーン!
ズズーーーーン!!
バキバキ
なんと一振りで木が切れた。
石斧で切っていたから腕力があるのか、ステンレスが切れすぎるのか。
切った本人が驚いて腰を抜かしてしまった。