18話 突然の別れ
王都の軍議室でのこと
「最近聞いた話なのですが。
王都の東の森にちいさな村があったらしいんですが、急激に豊かになって人数が増えているらしいです。」
「なに?その話が本当なら税金をたっぷり搾り取ってやる。
ついでに村を制圧して罰を与えてやらないとなぁ」
この50年戦いと呼べるようなものは何もなく、暇を持て余し太りきった軍隊長は興奮して立ち上がった。
「兵士20名ほどで大丈夫でしょう。
人数が多いと言っても辺境の村ですから。」
「明日の朝までに兵士をそろえるように」
見た目だけは立派な兵士がやる気なく王都の門の前に集まっていた。
軍隊長は太りすぎて兜と鉄のブーツしか身につけることができなかった。
「この村生意気にも堀があるぞ。」
ものすごくやる気なく兵士たちは村に向かっていた。
あそこにある入口から攻め込め!
ステンレスの防具、ステンレスの剣で身を固めた戦士たちが躍り出た。
村の物見やぐらからステンレス製のクロスボウが放たれる。
シュッ!
シュバッ!
うぁっ
ギャア!
放たれたクロスボウは王都兵士の手足だけを正確に射抜いた。
実践なんてしたことのない兵士たちは痛みでのたうち回っていた。
「痛い!死ぬー」
「お母ちゃーーん!!」
ガキンッ
バキッ
そしてステンレスの剣で容赦なく盾や剣が割られてゆく。
「剣が折られた。た、盾まで。。」
俺の奥さん大活躍!
瞬く間に戦は終了した。
「圧倒的すぎてつまらないわ」
「ステンレスの剣て強いねー」
「俺の炎のおかげだな」
精霊たちは観戦のみ。のんびり楽しそうにおしゃべりしている。
首謀者の軍隊長を人質にとり、馬をすべて手に入れた。
兵士は降参して味方になるか聞いて、ならないなら身ひとつで村の外に出した。
降参して味方になると決めた兵士たちは手当をしてもらい、村人たちに料理をもらった。
「うまい。こんなもん食べたことない。」
兵士たちの中には泣きながら食べるものもいた。
その時、みんなの前に女神があらわれた。
「悠斗、村を復興してくれてありがとう。あなたのお陰でこの世界が良い方に向かっているわ。
おかげさまで私もこうしてみんなに姿を見せられるくらい力が戻ったわ。
あなたはのお母さんはこの世界の勇者と一緒に戦ったパーティの二人の子供。
脳筋勇者のせいでこの世界は荒廃にかたむいてしまった。
困った私はあなたのお母さんに生まれたあなたを勇者の元の世界に転移させてもらうことにしたの。
そこで生きのびてこの世界を救う力をつけてもらえたらいいと思って。
あなたの両親は流行病で長くはなかったから了解してくれたわ。
力も戻ったし、あなたをもとに世界に戻すわね。」
戻らなくていい。と言いたかったのに有無を言わさず俺は女神に元の世界に転移されてしまった。
「この馬鹿女神!悠斗はずっとこっちの世界で残ってたかっんだぞアホなのか?」
ソルは女神に怒った。
ミファはあまりのことに立ち尽くしてる。
「大丈夫だよ。ミファ。悠斗を呼び戻すことはできないけど、ミファを悠斗の今いる世界に転移させることはできるはず。」
ソルは女神にできるよなぁ。という視線を送った。
「できなくはないけど日本は無理じゃない。見た目が日本人じゃないし。
日本じゃない国に転移させるかな。」
国籍とかお金とか困んないようにするからそんなに怒らないでよー」
女神にアホとか言わないでよーぶつぶついっていた。
「ミファ、このアホ女神のせいでミファを勇斗の世界に送ることになったけど、いい?」
ソルはスマなさそうに言った。
「それしか方法がないならそれでいい。」
ミファに迷いも微塵もない。
みんな今までありがとう。
村人たちと精霊にお別れを告げた。




