12話 ステンレスの指輪
次の日、小麦の精製器を作って小麦粉にした。もちろんステンレス製だ。
また、瓶を作り、果物や野菜を保存をした。
肉は燻製器で燻製。
残りは簡易的な冷凍庫(魔石)で冷凍肉にした。
精製した小麦粉を使ってパンを焼き、自分で作成したステンレス製のフライパンと鍋で料理を作った。
それらを村のみんなに食べてもらった。
いつも料理をしても食べるのは自分一人だった俺は泣きそうになった。
やせ細った村人たちは大喜びで料理を食べた。
その日からミファは当たり前のように俺の家で飯を食うようになった。
珍しい料理が食べられるからなのかなぁ。
しかし、こんな小さい村で未婚の男女が毎日のように一緒に飯を食ってていいのだろうか?
「俺は別にいいんだけど(むしろ嬉しいです)、未婚の女性が毎日独身男の家でご飯食べてていいの?」
恐る恐る当の本人に聞いてみた。
「いいの。美形で働き者の悠斗を狙ってる女は村中にいるんだから」
「??? 誰も狙ってないよ」
頭が混乱する。
ミファは他の女性が俺を狙わないように毎日通ってるのか?
「ミファは俺のことを狙ってるってこと?」
「狙ってる」
俺はその時、とみさんの言葉を思い出した。
──悠ちゃんはいい男だよ。必ずいい出会いがあるからね。そのときは逃すんじゃないよ。
覚悟を決めた。
「ミファ、俺と結婚してください」
「嬉しい!」
ミファが抱きついてきた。
生まれて初めて女の人に告白されて抱きつかれた。
圧倒的な柔らかさと温かさに包まれた。
幸せなんてもんじゃない。
俺はこの世界一幸せものだ。
転生したら一週間で嫁ができました。
神様、女神様、転生させてくれてありがとう!
次の朝、ミファは行ってきますのキスをしてくれた。
これぞまさしく新婚だよ。
その日、俺はミファが狩りに行っている間にステンレスの揃いの指輪を作った。
生まれて初めて身につけるアクセサリーにミファは大興奮だった。
村長に結婚の報告を済ませると村中の人々が祝福してくれた。
読んでくださりありがとうございます!
残りの話もあと6話分となりました。
初めての異世界転生小説を書きました。
はじめは誰も読んでくれなかったどうしようかと思いました。
小説家になろうを通じてたくさんの方に読んでいただけて本当に嬉しいです。
ブックマークやいいねしてくださった方。感謝します。
こたつでみかんを食べながら、テレビをみながら読んでください。




