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11話 生まれて初めてのお腹いっぱい

村に戻った。

かなり村の地形が変化するので村人たちには安全なところに集まってもらった。


「まずは掘をつくろうかしら」


それっ!


あっという間に堀ができた。水もある。


次は畑。


はいはーい!


ドライアドの掛け声で瞬く間に立派で広すぎる畑ができた。


奇跡だ!


ありがとうございます!


みんな喜びのあまり涙した。


トライアドから村長の息子ヴァンが作物のタネや苗を受け取った。

老人から子供まで総出で植えた。


ウンディーネが作物に水を上げてくれたおかげで畑に虹がかかった。


すると恐ろしい速さで作物が育っていった。


驚きあまりしばらく無言で見渡したあと、喚声をあげて喜んだ。


一気に食糧事情がよくなった。


グロウアップという魔法で3日で収穫できるまで実った作物を収穫した。


グロウアップは一度その土地で使うと何年も使えない。

土にいる小さい精霊が力を使いすぎてしまうからなのだそうだ。


大急ぎで作成したステンレスの農機具は大好評。


特に鎌の切れ味が鋭いので刈り取りが楽になったと喜ばれた。

グレゴリオもたくさん手伝ってくれたおかげでかなりの数がそろえられた。


その日はささやかな収穫祭をすることにした。

みんな精霊達に感謝を伝え、お腹いっぱいご飯を食べた。

子どもたちは生まれて初めてお腹いっぱいにまでご飯を食べた。



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