1話 孤独なステンレスオタク
初心者で初投稿になります。
感想お手柔らかにお願いします。
すでにほぼ完成していますので、未完にはなりません。
スッキリあっさりほのぼのテイストで書いていきます。
よろしくお願いします。
毎日毎日同じことの繰り返し。
それが悪いってことじゃないけど、たまにとても苦しくなる。
さみしいの一言では片付けられない。
郊外の介護施設の職員、岩崎悠斗は青空を見上げると深い溜め息をついた。
趣味の料理も自分以外食べてくれる人もいない。
両親は幼い頃に他界。
児童養護施設で育った悠斗は18歳になると同時になかなか年季の入ったアパートに暮らし、介護施設の職員になった。
吉田コーポの104号。
一階の一番端の部屋は暗く、この世から忘れられたみたいにさびれていた。
両親に捨てられていた俺は、家族から、世間から捨てられたお年寄りに近い存在だと思ってる。
「親なしの能無しを雇ってやってるんだならありがたく思え」
なにかにつけてこのセリフを振りかざし、理不尽な仕事を押し付けられる日々。
ブラック企業の鏡のようだ。
「両親がいないんですって、可愛そうね」
たまに同情されるがその言葉の裏には
(こいつよりまだまし)
そんな言葉が見え隠れする。
それでも入所しているお年寄りの笑顔に励まされ毎日頑張っていた。
「悠ちゃんはいい男だよ。必ずいい出会いがあるからね。そのときは逃すんじゃないよ。」
とみさんは毎日ご飯の介助のたびに俺にこのセリフを言ってくれる。
アパートと職場の往復に出会いなんてあるわけないが、嬉しかった。