「密売の渡来蛾」
そうだ! WEBカメラ仕掛けたんだった。
スマホスマホ……
え、嘘でしょ?
これ、横の窓開いてる?
え、何か映った!
棒・・・爪?
画面の端で何か動いとるけど……
んん、・・・観えないトコ。
黒い爪? カラスかあ?
何かキラキラしたこの、粉みたいなん落ちてるんかな?
・・・埃か?
確認するしかないか。
『ただいまぁ』
「おかえり、あれ? 帰ってたんじゃないんだ」
『はあ?』
「二階で音してたから、てっきり栗子かと思ってた」
音?
やっぱ窓開いてんのかな?
『どんな音?』
「ドスンドスン鳴ってるから、やっと掃除する気になったのかと思ってたのに、残念」
ん、ん、応え難いな・・・上行こっ!
『ちょ、見て来るわ』
「ふん、逃げたか……」
危ない危ない、今から昨日シズに借りたオカルト映画観るのに掃除なんかしてられんもんね〜♪
そういやアレDVDBOXとはいえケースデカ過ぎやで。
昨日の夜、一回開けたけど、何や卵みたいな形したもんが入ってたんよね。
あれパカッと開けたらディスク入ってんのかな?
ま、分からんかったらシズに聞きゃええわ♪
――TEKETEKETEKE――
あ、言うとるそばからシズからの電話か。
『何? 今から調度映画観る所やねんけど、どないした?』
ん? 何か偉い切羽詰まった声して、シズにしては珍しいな……
『え、箱開けたらアカンて?』
これシズ、箱に何か恥ずかしいもん入れてたんと違う!
ひょっとして、あん卵、隠すのに入れてたん間違えて渡したとかか!!
これはスクープの予感しかないでえ!!
『ん? 何が生まれるて? ちょ、部屋のドア開けるから待って、今鞄とスマホで両手塞がっとるねん』
――GATYA――
『ごめん、ほんで?』
――VASAA!!――
――GUWASSI!!――
『痛っ! 何?』
両肩を何かに掴まれ・・・え?
人? じゃなくて、デッカイ……
――VASAA!!――
『が、イヤああああああぁぁぁ……』
――VASAA!VASAA!VASAA!――
――KOTONN――
「栗子? 栗子! それ、モスマンの卵かもやから絶対開けたらアカンで! どうもアメリカのプラムアイランド動物疫病研究所から盗まれた曰く付きの代物らしいでな、モスマンの卵かもしれんて今メールが来てん! て、聞いとるんか? 栗子あんた、DVDBOXと間違えて持って行きよったやろ! なあ、聞いとるかあ? あれ? 返事ないな・・・よう考えたら栗子が開けずに我慢出来る訳ないわ! アカン、これ、栗子死んだな・・・堪忍やで!」
――TUUUTUUUTUUUTUUU――