「リフレッシュ」〜難陀〜
■まえがき
これは前回の話の続きの話……
チーズケーキ持ったシズが部屋に遊びに来て魔法陣みたいなシート広げて待っとって、珈琲淹れて持って来たお母さんとシズが栗子を小馬鹿にして笑とるもんやからコーヒーフレッシュをポイッとしてブラックで飲んだら苦ッ! て思た途端に部屋が上に向かって吹っ飛んどるようなってもうて、コレ転生か? とか考えてたらキッチンの食べ物の事ばっか頭に浮かんでもうて……
■本文
けどコレ何処まで飛んでくねんな?
この浮遊感も段々慣れて来たで。
ちぃとばっか揺れる感じあるけど、歩けそうな気ぃするわ。
とりあえず、お母さんとシズ起こしたげな……
――IIIIIIIIIINN!――
『ぬょっ!?』
――BOKONN!!――
『 痛っ! 急に止めなよアホッ!!』
体浮いてからに、また頭ドアにブツケてもうたやんか!
あれ?
吹っ飛んどる物て、急停止するもんなんか?
てかコレ、上に行くとこまで行ったら、下に落ちるんと違うの?
・・・・・にしては、滞空時間長いな。
魔法陣の外出たらアカン気ちびっとあったけど、体飛んでもう出とるしやな。
そや、窓から下覗いたらどんだけ飛んだか判るわ!
て、何やコレ!
もうどっかの地上降りてるやん!
けど、エラいケッタイな色した土やなぁ……
オッサンの手ぇみたいやん、気色悪い!
――PAKKAAAAANN!――
え、天井が……
何やろか、弁当箱の蓋取るみたいにパッカアアァッ! て取れてもうた。
ほんで何や、眩しいな!
天に召されて後光でも差しとるんか?
て、よう見たらどデカい顔あるやん……
ヤクザのオッサン、いや、頭パンチのオバちゃんか?
にしてもどエラい顔のデカさやなぁ、私の部屋よりデカいやん。
どっかの顔デカ芸人も形無しやでコレ!
『あの、どちらさんで?』
【सुजाता】
『はい?』
【Sujātā】
『あの、何を言うとるんか解らんのですけど?』
【Nandabalā】
『はあ? 何だ馬鹿! て、この!』
【スジャーター】
『スジャータ、あ、このコーヒーフレッシュが欲しい言うんかな? こんなんで良かったら一つと言わず幾らでも、どうぞ!』
て、受け取らせようにも何処に出したらエエねんな。
てかこのデッカイ顔に、こんなちっこい物渡した処で飲めるもんなんか?
それともコーヒーフレッシュを私が飲め言うてんのかな?
飲んだらドラちゃんのこんにゃくみたく翻訳されるとかか?
【Pāyāsa】
『また解らん事言うとる』
【Nairañjanā】
『そんなん要らんのじゃ! て? 何やこのオバ、オジ、よう判らんデッカイ顔の人、アンタ面と向かって人の親切無にするような事よう言えるなあ!』
――BURUBURUBURU――
ん、スマホ?
何やココ、電波繋がるんか?
て、何のメッセも有れへんやん。
あ、けど何やメモ開かれとるな……
【薬師寺】
『何やのコレ?』
――FUHYUUUUUUUU!――
『て、急に落としなやーっ!!』
アレ? けどお腹ヒュンてならんな……
ジェットコースターみたいなんと違うなコレ、言うたらものごっつ速いエレベーターみたいなモンか。
上りも時間あったし、シズが起きん内に色々したらな……
せや、髪の毛ドリルみたいに巻いたろ!
先ずは櫛で前髪を……
S「何しとん!?」
『え?』
何?
何コレ?
もう着いたん?
何で帰りだけ早いねん!
S「珈琲飲んどった栗子が突然私の前に、何や匂うな……」
『何が? 何の匂いよ? て、違うねん! 今この部屋めっちゃ上に上がっててんて! お母さんもシズも固まって動かへんからどないしよ思て……』
S「ほんで動かんから悪戯しよしてたあ言う事か」
『ちゃぅ、……』
何でバレとるんよ。そない睨まれても……
てか、部屋めっちゃ上に上がってたんはエエのんか?
て、天井まだ開いたままやんか!
『シズもお母さんも上見て!』
S母「んん?」
『ほら、……あれ? 蓋閉まっとるな』
S「蓋って何の話や?」
母「何や隠そうしたんと違うやろな?」
『違うねん! さっき珈琲飲んだらいきなりぐうぃいいいいいんっ!! て、床から何から遊園地の乗り物みたいに持ち上がってんよ!!! ほんで上に着いたら天井パッカー開いてピッカーて眩しい後光みたいなん差してからに、どえらいデカさの頭パンチのオバちゃん出て来て何や判らん事言うててんけどスジャータ欲しい言うから「どうぞ」言うて、渡そしてたら礼も言わんと「そんなん要らんのじゃ!」て失礼な態度取りよってからに説教したってんけどな、スマホ鳴ったもんで確認したら何やメモ書かれとって見とる最中にストーンッ! てあのアホ、人を落としくさってんよ。けど下に着くまで何や時間あるやろ思てシズの髪の毛ドリルみたいにし……し、なったらアカンな思て、近付いた処で』
S「見付かったと!」
『ちゃぅ、ぃゃ、ぁの、何やアレ! あの、大仏みたいな顔した頭パンチのオバちゃんがな……』
母「何や、とんぼりの菓子屋のおばちゃんか?」
『あああ! いや、頭パンチしか合うてへんな。どっちか言うたらこの前部屋来た、インドラえさんやったっけ? あんな感じの無愛想な顔やったわ』
母「どないやねん! もちっとマシな嘘考ええよ、アホの子丸出しやんか!」
アホの子て、ホンマの話やっちゅうに!
て、何やシズ、口に手ぇ充てて難しい顔してからブツブツ言うて。
S「……大仏みたいな頭パンチでインドラ顔、スジャータ欲しいてそんなん要らんのじゃ……」
まさかそれ、悪戯しよした私への報復考えてんのと違うやろな!?
私悪戯しよしただけで、まだ何もしてへんからな! 報復される覚えも無いでえっ!!
母「なあシズちゃん。こんなアホの戯れ言信じんと、スマホなんか開かんでエエて、調べんでもこの子アホなん判るやろ?」
どうゆう事よ?
私あなたの娘やで!
アホの子アホの子連呼せんでもエエやんか!!
ほんで私の友達に向かって自分の娘をアホの子なん判るやろ? て、どないな諭し方しとんねん!
親バカの逆やからバカ親か?
S「栗子さんはアホかも知れんけど、これホンマの話かも分かりませんよ!」
ん、何やシズ、私の事信じてくれてたんか!
心の友!
・・・あれ?
けど今、アホかも知れん言うてたか?
続く!!





