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「ヴィネの憂鬱」〜干物〜


「何やこの猫、虎柄にされとんで」


「昨日の騒ぎでクズにやられたん違うか?」


「にしてもエラい気持ち良さそうに寝とるな」


「たらふく餌付けされたんやろて、優勝で気持ちデカなっとる奴等ばかりやし」


「こがいに太っとったら虎いうか、猪豚やないか!」



――NNNYA?――


 誰が猪豚か?


 んん、暑いのぉ……



「あ、豚に反応して起きたで」

「朝から優勝セールでごった返してたんに、ようこんな所で寝られるなぁ、もう昼過ぎやで!」



 ん?

 昼過ぎ?

 我は今まで何を?


 て、ココは……




 何処だ?



 ん、タイガース優勝セール……


 尼崎商店街……



――FUNYAA!?――


 尼崎だと!?


 何故に我がこのような街に……



 むむ、アソコに居る者の顔に覚えがあるぞ!


 確か、我を取り押さえて……



――GUNAAAAAAA!!――


 墨で縦縞を塗りおった輩かあっ!!


 この爪で掻き殺してくれるわっ!



 いや!?


 それ処では無いぞ……


 撮影スタッフが悪ふざけにアレなる物を入れ飛ばしたジェット風船が、栗子の家へ向かって飛んだのを見たのは……



 アレは夢では無い筈。


 だとすれば、急がねば!

 今は何時だ?


 んぐっ!

 十四時を過ぎておるではないか……


 無事であると信じるが、こうしてはおれぬ!


 栗子が学校へ行っておるとして、帰宅するまでに退治せねば!


 よし! 急ぎ難波へ向か……


 いや、何処からどうして行けば良いのかも判らぬが……


――NYA!?――


 そうだ!?

 ハマゴーを呼ぶ事が出来るではないか!


 念話のようなものだ、どれだけ遠くに居ようが関係ない。


 うむ、アレを従者にしておいて良かったわ。


〈〈ハマゴーよ! 我の声が聴こえるな、スグに車で尼崎商店街へ来るのだ!〉〉


〈ははあ、ヴィネ樣・・・ですよね?〉


〈〈笑止! 早うせえ!〉〉


〈お任せを!〉



 さて、車で何分かは知らぬが、あの者を懲らしめる時間は十分にあろう。


 猫ならではの引っ掻き傷をたんまりと喰らうがいい……



――WUNYAAAAAAAAAWOOO―


 フハハハハハハハハハハハ……




「お、昨日の虎吉やないか、この縦縞ワシが塗ったってんやん、エエ感じやろ?」


「アンタ最低やな! タイガースファンの風上にも置けんわ!」



 そう最低だ!

 虎ファンにも謝るがいい!


――UNNYAAAAA!――


 いてこましたるあっ!!


「うンギャァァアアア!!」



「おーん、そら、そうよ」

「そらそうよな」

「そらそうよ」


――WUNYAAAAAAAAAWOOO―


 フハハハハハハハハハハハ……





 暫し昨夜の憂さも発散出来た気がするわ!





――BURUUUUUNN!――


「ヴィネ樣!」



 お、中々に良いタイミングではないか、ハマゴーよ!


――SUTTA――


――NNNYA――


 よし、難波へと急げ!


「ははあ」


――BURUUUUUNN!――




 これは、淀の川か。

 知らぬ間にコレを渡っていたとは……


 ふむ、アレなる物は見当たらぬな。


 ハマゴーよ、とんぼり川の辺りは無事か?



「はあ、私の知る限りでは26人程が川へ落ちたと聞き及んでおりますが、その者達こそは皆アレなる物に寄生されていた者で、あの汚泥水に流された界面活性剤によりアレなる物が離解し倒れ、皆我に返ったようでございます」



 ほおぉ、ならば生きておるのはあの撮影スタッフが飛ばしたジェット風船の中に居る物だけか……


 飛んだ先が栗子の家でない事を祈るが……


 いや、見通しておこう!



――WUNYAAAAAAAAAWOOO―


 ナルムシルヘブロ

 エクズブライムドゥ

 ハッサムブロイディ

 トウルコオムゥヴィー

 フェべロス!!



 なっ!?

 やはりアレなる物は、栗子の家の屋根に落ちておったか!


 何と言う引きの強さ!


 まずいぞ、アレなる物は屋根から雨樋伝いにベランダへ向かい……



 いや、これは時間的にも既に栗子は学校に行ってる時間だ!


 まだ何とかなる!


 ん、サッシの隙間から部屋に入りおったか!


 あ、栗子の馬鹿めが!

 何故、苺の栽培キットなんぞを今?


 いや、食す為か……


 簡易鉢に水を蒔き、机の上に置いておるわ。

 種を蒔く時期も調べずに……



 そう言えば、クリスマスケーキに苺がどうのと吐かしておったな。


 馬鹿めが……



――NNNYA――


 ハマゴーよ、急いでくれ!


 最後の一匹となったアレなる物に罪は無いが、この星の生命の理に適わぬ故、仕方ないのだ。


 無知なる娘が学校から帰宅する前に石鹸とアルコールをぶっ掛け、苦しみ少なに一瞬で始末して信ぜようぞ!



「お任せを!」


――BURUUUUUNN!――






――NYA!――


 よし、ココで良い!


――BOBOBOBOBO――


「渋滞で遅くなり、すみません」


 仕方なかろう、ギリだが何とかする!



「私めも家の前まで」


――NNNYA!――


 よせ!

 汝のような見た目が近寄れば、娘が逃げ出し兼ねぬわっ!!



「う、確かに……」


――NAAA!――


 案ずるな!

 何とかなる筈だ。


「ははあ! では、ご武運を!」


――SUTATATATATA――






 ハァハァハァハァ……


 な!?

 栗子めが、既に部屋に……


 イカン! ベランダから入る他に!


――SUTATATATATA――



――NaaAAA!!――


 栗子ぉお! 今行く!!



 ん?


 何だ?


 アレは……



――CHUPUCHAPUCHUPUCHAPUCHUPUCHAPU――



 いや、アレなる物を……


 アレで、アレなるを……


 あ、あ、アレなる物が……



――CHUPUCHAPUCHUPUCHAPUCHUPUCHAPU――



 な、何と言う残酷な……



 アレは、栗子ではなく……


 アンドロマリウスの仕業なのか?


 さすれば、流石は伯爵と言った処か……



 ああも残酷に処するとは……



 我の見当違いであったわ!


 流石だ、これで序列72番とは如何なる者か……



「フラレたんやろ? 元気出しや!」



 クッ!

 このっ、アホ娘が……


――WUNAAAAAAA――


 あぁもおおお……


 

「ヴィネの憂鬱」

 終わりっ!


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♪栗子のテーマソング?
私の酷挿絵が置かれた歌詞
WEBカメラの向こう側
動画へは歌詞ページ下部か、本作目次ページ下部にある冬野ほたる樣のシャレかわいい絵からどうぞ♪

ロックマンについてはコチラの話
冷たい当たり屋
映るんDEATH篇のその後の話は
カメラの前に居る私は誰……

ホール・ケーキ
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― 新着の感想 ―
[良い点]  ❆(;❅▽❅)❆ ヴィネさん……虎柄にされた上に、猪豚に…… [気になる点]  ❆(;❅▽❅)❆ 栗子さん? [一言]  ❆(❅▽❅)❆ でも、ヴィネさん、虎柄にされた相手にざまぁしたの…
[良い点]  ヴィネ!?  いろいろ言われちゃってるし、餌付け……って。笑  >「おーん、そら、そうよ」   「そらそうよな」   「そらそうよ」  いいなぁ。こういうの好きです。    ハマゴー…
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