「ヴィネの憂鬱」〜魚目〜
グリ下で何を!?!
――WUNAAAAOOUu!!――
頭パンチのオバちゃん!
その水溜まりはただの水溜まりではニャいのだぞ!
その水に触るでニャいっ!!
ええい、刺し身も粗方食い終えたし、仕方ないのおぉぉ……
ふむ、この高さなら飛び降……
隣の階段から行くとしよう。
――NYAU!――
ヨシオよ、美味であったぞ!
「お、何処行きよるん、もうエエんか? て、器用にツマだけ弾いとるな。んん? あぁ、ビネガーのやつ隣のビルの階段使てココまで来てたんか……」
ぬぬ、我の行く道を知られたか……
まあヨシオ如きに知られた処で屁でもないがの。
――SUTTA――
さて、こうして下界に降りてみると街の彼方此方にゴミや汚物痕まで見えて来るが……
地獄の方が余程ここより綺麗ではないか!
特にこのパチンコ・ショーパブのビラに紛れて環境云々健康云々を訴えるビラや剥がれた選挙ポスターやが必要以上に撒かれ捨てられ破れ踏まれて雨に濡れと、派手なカラー印紙の繊維崩れがアスファルトの凹みに嵌ってこびり付き、ガムや吸殻と同様、否! それ以上の危険物質となっておる。
皮肉なものよ、税金団体NPOが税金で刷った毒性カラー印紙の繊維崩れが、踏まれ削れて粉塵となり少しの風で舞い上がり、まるで中国の汚染物質を含んだ黄砂と変わらぬとはな。
性質の悪さはそれ以上か、繊維崩れが湿度を蓄えておるが故に、アレなる物が道を行くのに都合良く、アーケードの方まで進行させておるではニャいか!
全く以てけしからん税の業であるな。
我の仕事まで増やしよって……
――FUNYA?――
ほほお、被害を更に拡大させておる者達が居るな。
殆ど陽の当たらぬアーケードの店先で水打ちとは、馬鹿な事をしてくれる。
何が日本の文化だ、売っておるのは他国製品ではニャいか!
老舗を潰す勢いで同じ業種で対抗する店が、良くも文化を言えたものだ。
我の力を見縊るでないぞ!
裏では政治結社扱いで税金を食い物に非課税世帯として補助金までをも貪り、民衆誘導に少しずつ庶民の脳裏に政党の都合を浸透させ、邪魔となる者を排除に嘘を多量にばら撒いておる政党後援団体であろうがっ!!
財テクとして税を奪い贅に腐った団体活動こそが、この国で真の助けを必要とする者に補助が届かぬ理由。
ふん、まるでアレなる水生動物と変わらぬではないか、税金に寄生しおって。
「お、小判やないか! ほれ小判、猫やるぞ!」
お、そうであった。
頭パンチのオバちゃんをグリ下から連れ出さねば。
――UNNNYA!?――
否!
誰が小判じゃ!
ボケが来ておるのか?
猫と小判が逆になっておるわ。
いやまあ、猫・・・ではあるが。
「ほれほれ、こっちゃ来う」
よせ!
止めんか!
ニャんニャのだその、ウニョウニョ動くヘビ頭みたいな物は……
否、知ってはおるが体が・・・体が言う事を聞かぬのだ!
こ、これは一部で猫じゃらしなる呼ばれをしておる草とは知るも……
無性に飛び付きたく……
飛び・・・付きたく!
――WUNAAAA!!――
堪らぬ故っ!!
「おお、小判がようけ釣れとるわ」
ニャにが!
小判じゃ!
この!
この!
アホパンチ!
アホ頭!
おどれの為に!
来てやった!
というのに!
この!
アホンダラが!
ハァハァハァハァハァハァ……
「お、何やお疲れさんか? 情けないのう、食い意地ばっか働かしてアッチャコッチャで餌付けされてからに、ブクブク太って来たんと違うか?」
なっ!!
我が少し気に……
「ほれ! ほれほれ、体動かさんと鼠一匹捕らえる事も出来へんでえ!」
くっ!
この!
猫パンチ!
猫パンチ!
いや、
我は
鼠等
食わぬ!
故にその
必要ない!
もう、
いい加減に、
止めぬと、
我の力で、
吹き飛ばして
しまうぞ!
「飽きもせんと ようやるなぁ……」
こ、このっっっ!!!
――WUNAAAA!!――
コッチの台詞じゃボケェーっ!!
ハァハァハァハァハァ……
ふぅ……
ようやく止めよったか。
しかしまあ、何だ……
認めたくないものだニャ
猫が故の習性というものを……
続く!!!!