「映るんDEATH」チーズ!
■まえがき
カメラに映った裸の女に口塞がれて自分の部屋に連れ込まれ、あなたのお母さんはお母さんと違いますぅ言われて何が何やら、鼻毛出てる言うたら透明人間が視られる事に恥じらいよって、恐さも無うなった栗子は……
■本文
『で、アンタ誰?』
透「私は明野透子、カルト教団に拉致されて、そこで人体実験されてこんな身体に……」
重いな。
そんな重い話返って来るなんて思わんかったわ。
迂闊にも、聞いた私が悪いんか?
何や、申し訳なく思えて来るな……
いや、ごめん。
て、何でごめん言わなアカンねん!
これ今、私軟禁されとるんやんなあ?
私以外誰も居らんみたいに見えるけど……
てか何処向いて話したらエエんかもワカランな。
とりあえず声のする方向いとくけど……
『ほんでその、透明人間さんが何の用なん?』
透「だから、さっきのあなたのお母さんは偽物なの。私が監禁されてた施設にあの女も居たの」
え、お母さん実は、カルト信者やったん?
・・・アレでええ?
どっちか言うたら、お母さん自体がオカルトやのに……
『無いなあ、それは無いわ!』
透「その自信が何処から来るのかは知らないけど、さっきの女はあなたのお母さんではないのは確かなの!」
確かて言われても……
『ほな、本物の私のお母さん何処行ってん?』
透「別のあなたと一緒に金沢の方へ旅行に行っています」
別のあなたて。
え、……
『ちょ、私も、もう一人居てんの?』
透「はい、ですからあなたは本物なのだろうと判ったので」
どないなっとんねん?
いや、お母さんも何で私の偽物に気付かへんねん!?
いやまぁ、私もお母さんが偽物やなんて、判らんかったけど……
違う!
そも何で透明人間の話を信じなアカンねん!
『嘘んこ吐いたらアカンでっ!』
S「なるほどなっ!」
何がなるほどやね・・・え?
何でシズがソコに居るねん!
透「え、あの……」
引いてるやん!
透明人間かて引いてるやん!
何で私の横で当たり前にオレンジジュース飲んでんの?
せめてコップで飲みんさいや!
リッター紙パック溢されたらかなわんで!
『ちょ、アンタ飲み口から垂れるて』
S「ああ、気にせんといて! 栗子の姉ですぅ」
・・・は?
『何で私がアンタの妹なるねん?』
S「ああ、アホは怒るトコそこか、私の素性バラす事になるんも解らんと、せやからアホや言うねん! な、判るやろ? この子アホやねんからもっと優しゅう小学生にも解るよう説明せんと、この子分かれへんで!」
『・・・いや、シズそれ誰に言うてんの?』
S「ポルターガイストやろ?」
透「あ、いえ、私、明野透子といいまして、その……」
んん?
何でシズそんな顔ゲンナリなっとん?
この手の話好きなん違うんか?
S「明野て、ひょっとしてアンタ、透明人間か?」
透「あ、はい。そうですね。人体実験されてしまいまして」
S「アホくさっ!」
いや、何がアホくさいねん?
ちょ待って、何でシズ透明人間の扱いぞんざいなん?
最初楽しそうに聞いとったやん……
あれ?
これポルターガイストを楽しみにしとって、透明人間や判った途端ゲンナリ言うんは……
透明人間は、ポルターガイストよりもランク下言う事?
何やろか、透明人間がポルターガイストよりぞんざいな扱いされてんの見て、悲しい気持ちなっとる私が可怪しいんか?
ほんで何で透明人間はシズに敬語やねん!
色々可怪しいやろ!
『あんなシズ、透明人間さんかて大変やってんよ、私には敬語使わんとアンタに使うのは納得出來へんけど、なんぼなんでもアホくさい言うんは違うん違うかあ?』
透「あ、ぃぇ・・・私は、その」
S「あんなぁ、アホは栗子でアホくさいんが透明人間の事やで、分かるか?」
分かるわアホ!
て、思て思わず言いそになるけど、コレ言うたら私がアホ言うんも分かる言うアホになるっちゅうアレやろ!
私かて、なんぼシズと付き合うてる思うねん!
そん位の引っ掛け気付けるわアホ!
『そんなもん分かるかアホ!』
S「アホは、こんなもんも分からんかあ、ほんまアホやな!」
んん、え、違う違う、そうやない、分かって、分からんかったら、アホと分か・・・・・分からん!?
どういう事?
コレどないに答えればええねん?
S「ええか栗子、透明人間言うても名前があるなら元も今も人やで! 望む望まんは知らんけど人体実験されても人は人や! チョイと人と違う偽物みたいな人が人の括りでポルターガイストと立つなアホ言うとるねん! 分かるやろ?」
・・・・・んんん?
何やもう、人ばっか並べ倒して喋るから余計分からんくなったで。
ヒトヒト言うんが段々フタマルとか時間とかの日本語数字に聴こえて来るやん。
そもそもポルターガイスト言うたんシズやないの、いやもう、考えるんもアホくさなるわ!
『てかアンタ、どないして入って来てん?』
透&S「・・・どっち?」
『どっち、て……』
え、シズに向いて聞いたけど、透明人間もソッチに居るんか?
いや、よう考えたら透明人間もどないして入って来たんよ……
『どっちもよ! 勝手に人ん家入らんといて!』
S「栗子、こんな透かした女と一括りにせんといてや。私はちゃんとお邪魔しますぅ言うて入って来たんよ、けんど誰も返事せえへんし、とりあえず栗子の部屋来たら独り言しとるアホ居るやん! あぁやっぱ頭可怪しいねんな思てどついたろしてたら何や、違う女の声聴こえるやん! あ、これポルターガイストか? 思て聞いたら透明人間や言うし、ほなコレ不法侵入やんけ! 私が栗子護らな! て感じの今やで!」
・・・あ、透明人間やから透かした女か。
違う、色々言うとるけどシズも同じ不法侵入やん!
てか、何で私の頭どつこうしてたん?
え、ひょっとしてその今飲んどるリッター紙パックでどつこうしてたんか?
怖っ!!
いや、どっちか言うたらアンタの方がヤバい奴やないの!
傷害罪やで……
しかもまたエラい服着て来てからに、何やねんその中に見えとるグロい絵は・・・て、それバンドTシャツか。
あぁ、洋楽の物販フリーサイズしか無いしな、外人用のフリーやからデッカいし小っさいシズやとTシャツワンピと変わらんようなっとるな。
羽織りもんから出とるシャツが膝丈スカートみたいなっとるやん!
こんな服来た女に、透かした女言われとる透明人間も……
いや、コッチ真っ裸やったわぁ。
『どっちもどっちやで……』
続くっ!!