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01. ふと、思い出す記憶

 ロゼッタ・ファームス8歳はファームス公爵家の長女でこの国「マルカフィス王国」の王太子アスベルト・ロロ・ティエンクの婚約者。


 そんな彼女は週一回の婚約者アスベルトとの茶会を楽しんでいた。


 何時も会話はロゼッタだけが一人で喋りアスベルトはそれに空返事で返すのみだった。

 

 しかしアスベルトの事が大好きな彼女にとっては、彼と一緒に入れる時間の方が嬉しかった。


 紅茶を飲もうとカップの取っ手を持とうとしようとした時、ふと頭の中に映像が流れてきた。

 

 それは前世の記憶――


 ロゼッタはピクリとも動かずに先ほどの体制で固まっていた。


「ロゼッタ?」


 先ほどの体制から戻らないロゼッタが心配になり、アスベルトは普段言葉にすることの無い彼女の名前を口に出す。


 アスベルトの声はロゼッタの耳には届いておらず、彼女の思考では“今思い出した前世の記憶をノートに書かなくては”っと思っていた。

 ロゼッタは急に立ち上がると「用を思い出しましたので、これで失礼いたします」と挨拶もそこそこに去っていった。


 普段の彼女ならば、茶会の時間を自ら終わろうとはしないのに今日は変だとアスベルトは思っていた。


 公爵家に帰るやいなや直ぐに自室に入り、ノートとペンを急いで用意して先ほど思い出した記憶を綴る。


***********************


 この世界は前世にプレイしていた「エターナル・フォーチュン」というタイトルの乙女ゲームで、物語は中世ヨーロッパ風を舞台に魔法と恋愛を舞台に作られて物語り。

 主人公マリナ・ロビンソンは田舎の平民だったが彼女の魔法があまりにも珍しい“光属性”だっ たので貴族が多く集まる魔法学校「ライトミネス学園」に入学するところから物語は始まる。


 攻略対象は5人と隠しキャラが1人。


 その内の1人が婚約者のアスベルト・ロロ・ティエンク 碧眼の金髪で成績も優秀。おまけに王太子。性格はちょっとドSのところも有るけれど、主人公を溺愛していて嫉妬深い。


 アスベルトルートは、ロゼッタがマリナに嫌がらせをしていた事をしり、ここぞとばかりに大勢がいる前で婚約破棄をしてマリナを愛していると宣言する。

 その後ロゼッタは国外追放される。


 主人公がアスベルト以外のルートとアスベルトルートのバットエンドの時は、仕方なくロゼッタと結婚をするが、愛のない結婚をして夫婦仲は良くなかった。っと後日発売された「必殺これでわかる「エターナル・フォーチュン」の裏側!」と言う本に書かれていた。


***********************


 そして、自分がその悪役令嬢ロゼッタ・ファームスだと気がつく。


 ゲームのロゼッタならばどちらのルートも苦痛でしかなかったが今は違う、前世の記憶を思い出した今の自分には“愛のない結婚”より"国外追放”の方がまだましだと考えていた。


「よし、こうなったら主人公マリナとアスベルトをくっつけるために頑張って悪役令嬢になるわ!」


 それからアスベルトルートにはどんなイベントがあったかを思いだしていた。


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