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39.再戦と本気

「何でこんな所に居るんだ?」

「何でって、私はさっきのカキ村に居たんだよ。それでジンを見付けたから付いてきたんだ。」


 仕事を探すことに意識が集中して全然気付かなかった。


「前はやられちゃったからねえ、今日は借りを返しに来たんだ。」

「そうか、別に返さなくても良いんだけどな。」

「そう遠慮すんなよ。」


 シスカは両手に投げナイフを構える。厄介だな。それはシスカが相手だからでは無い。ここが森という場所だからだ。

 シスカはナイフを投げる。真っ直ぐこちらに向け飛んでくるナイフを簡単に躱す。

 しかし、躱したナイフは軌道を変え、再びこちらに飛んでくる。何故か?その謎はナイフにある。ナイフに付いた細く硬度のある糸は周りの木々に巻き付き、方向を変えるのだ。

 前のシスカは自分に酔い、なめた戦い方をしていた。それが勝てた要因である。

 しかし、今回は本来の戦い方。糸の付いた投げナイフをあらゆる方向に操り、敵を屠る。この森という障害物の多い場所ではより不規則な動きをさせることができるのだ。本当に厄介だ。

 注意するのはナイフだけでは無い。ナイフに付いた糸こそ本当に注意するべきだ。ナイフはその刃で敵を襲う、言わば点の攻撃だ。これに対し、糸は線の攻撃。絡め取られてしまえば自由を奪われる。また、当たり方によれば肉をも断ち切る鋭さも併せ持つのだ。

 そんな攻撃を躱す。兎に角躱す。このままでは埒が明かない。限定解除弐(セカンド)。線の攻撃を仕掛けるシスカに対し、身体強化は諸刃の剣。それならば限定解除弐(セカンド)のみを使い、最小限の動きで仕留める方が良いのだ。

 ナイフと糸の網の中、それを掻い潜りシスカの元へ近寄る。

 だが、シスカもこれを良しとしない。自分の周りに防壁を作るようにナイフを動かし、俺を遠ざける。

 右、右、後ろ、左、斜め前。シスカが隙を見せるその瞬間を待つ。今だ!


「残念。そこはわざとだよ。」


 シスカが隙を見せたと思い飛び込んだ場所へ予想していなかった方向からナイフが飛んで来た。そのナイフは俺の左肩を掠め、後方へと飛んでいく。そう、掠めただけだ。

 シスカがわざと作った隙だということは分かっていた。分かっていてこちらもわざと飛び込んだのだ。それは俺が今限定解除(セカンド)を使った状態だからだ。この状態なら多少気付くのが遅れても躱す動作は起こせる。つまり、シスカが意図した攻撃をしのげば本当のチャンスができるのだ。


「残念なのはお前だよ。」


 シスカの懐に入り込み、その左顔面を思い切り殴った。

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