観光客になる バンクーバー編 缶詰工場
8月中旬、日本からのお客さんを連れて、バンクーバー観光に来ていた。
先ず向かったのは、空港近くのスティーブストンという町。ここには日系の歴史が多々、刻まれている。
明治時代に日本から、カナダのバンクーバーへ移民してきた人たちがいた。その大勢が、肉体労働をしてその日を暮していたという。きっと一獲千金を狙って出てきた人も多かったと思う。
私達が訪ねたところは、その海沿いにある缶詰工場跡。今は博物館になっている。ここには大勢の人が働いていた。もちろん、地元の白人も働いていたが、日本人も多くいたらしい。魚のはらわた出してきれいにする作業や、手先が器用ということもあり、魚を捕獲する網の修理なども手掛けていた。
かなり機械化されていた工場だったことがうかがえる。瞬時に頭と尾を切り落とす機械、そのままベルトコンベアに乗って、手作業で内臓を取り出す。再び機械で魚が輪切りにされ、缶に詰められる。そしてパックされた缶は高熱で蒸されて、缶詰の出来上がり。
ここでは鮭が主で、にしんも取り扱っていた。にしんは油をとることの方が主になっており、ほか、トマトソース、レモンソースと一緒に缶詰にされ、他は魚の餌になる。この時採取された数の子は、日本へ行ったそうだ。
私は鮭を見て、本物の鮭に特殊なコーティングをしているのかと思った。血の付き具合といい、その色と形といい、かなり本物そっくりだった。係り員のおじさんに聞いたら、作り物だよと笑われた。
数年前、この工場で映画かなんかの撮影が行われ、その時に本物そっくりの鮭の模型を作り、それがそのまま置かれているんだそうだ。
確かにおもちゃみたいな鮭もあった。
ボイラーの熱と、魚まみれの工場。過酷な肉体労働だっただろう。
この街、スティーブストンのダウンタウンではサンデーフィッシュマーケットが開かれていた。
アルバコア・ツナが丸ごと売られ、かなり大きな紫色のウニも売っていた。夫はツナを買っていきたかったらしいけど、帰りは夜になるため、断念。