カナダの医療事情
カナダは健康保険に入っていれば、医療は無料で受けられます。(歯の場合は除く)長期で他の州へ行く場合は、その期間中、別の保険に入ることになります。国民健康保険ではなく、州別健康保険です。
二週間ほど前、私は自分の左足に違和感を覚えました。やけに靴が当たる、痛いと感じてはいました。
テレビを見ていて、ふと裸足の自分の足を見たら 足の親指の横が赤く腫れ上がっていました。いわゆる、外反母趾です。ものすごく腫れていてショックを受けました。それまで気づかないでいた自分にも。
夫がそれを見て、「バニオン(BUNION)」というのです。
ああ、外反母趾って、バニオンって言うんだとあまり役に立たないなと思いながらもおぼえてしまいました。
今まで靴擦れがしても、今回のように腫れ上がることはなかった私なのに。
そしてその二日後くらいに、全く別の感染症にかかりました。体調がおかしいなと気づき、すぐにウオーク・イン・クリニックへ。日本のように、内科とかの区別はありません。総合診療です。
いつもなら私達はファミリードクターに電話して、そちらへ行きます。でも、ウオーク・インならあちこちにあり、朝の九時から夜の九時まで診てくれる、誰でもオッケーな診療機関です。ファミリードクターと違って、その日により、在院するドクターが違うだけです。
病状はそれほど深刻な事ではないので、抗生物質をもらえばすぐに治ることは自分でもわかっていました。結果は自己診断通り。処方箋をもらいました。
その処方箋を薬局に持っていくと薬を買うことができます。処方箋を扱う薬局はあちこちにあり、スーパーマーケットの中にあることもあります。だから、買い物をしている間にできていることも。そういう点は便利ですね。
そして、その次の週はインプラントの簡単な手術を受けました。あらかじめ歯を抜いてあったところへ、ネジの元になるものを埋め込むということ。だから、ずっと抗生物質を飲み続けています。ドクターによると別の作用をするから大丈夫だと。
抵抗力が弱まっていたと感じました。体調を整えなくては、でも口が開かないから食べられない。体重が減る、これは唯一いいことです。
こちらの医療機関、特にこの土地には、大きな病院が二つあります。入院施設がそれぞれあり、出産と小児科があるのは一つだけ。多少遠くても、痛いお腹を支えながらそちらへ行かなければなりません。
双方にもER(緊急医療)がありますが、ものすごく混みます。ERなんてと、笑っちゃうくらい待たされます。これが無料診療の現実問題にもなっています。
だから、ファミリードクターのところで済めばそれでよし、ウオーク・インで済ませればそれもよし、もし、夜中に具合が悪くなったとしたら、緊急事態以外は朝まで待った方がよさそうです。どうせ、待合室で待たされることになります。
以前、わたし自身も行ったことがあり、その時は三時間待たされました。娘が具合が悪かった時は、朝から行って帰ってきたのはその日の夜でした。医師の診断と検査、その結果を待ち、点滴を始め、夜になるし、子供だから小児科のある病院へ行った方がいいとのこと。さらにその待合室で救急車を待ちました。自分の車で移動することは許されませんでした。点滴をしながらだったため、途中でばい菌が入ったとしたら、責任をどこに向ければいいのか困るからだと説明されました。