希望の物語第12章「アオはお風呂で癒される」
いつも読んでいただきありがとうございます♪今日は風が強すぎて雨だったのに折りたたみ傘が全然させませんでした。ちょっと濡れただけで、すんだので良かったです。午後の紅茶のなごりいちごティーが最近飲んだ中でとても美味しいと思いました。
「そのくらいにしておかんか!」
低く響く声が聞こえた瞬間、アオはようやく地面へ降ろしてもらうことができました。
「カンさん!」
と集落の人々が、言うのであった。
カンさんと呼ばれた男性は、両手で杖をつき、白く長い髭をあごまで、伸ばしていました。丸い帽子をかぶった姿は、いかにもドワーフ族の長といった、雰囲気です。
「この度は集落を救っていただき、本当にありがとうございます。申し遅れました、わしはドワーフ族のカン、この集落の長を務めております
宿屋まで案内しますぞ、ホッホッホ」
そう言いながら、自慢げに髭を撫でている。
「さっきアオが休んでたところが宿屋ね」
ミムが言うのであった。
「この集落には宿屋が二つしかなくてのう」
申し訳なさそうにカンは言っていた。
入り口には二人の姿がありました。
「宿屋兼食堂の店主、ホンです、こっちは娘の――」
「ホ……ホンヨです、よろしくお願いします……」
アオは明るく、こう言った。
「ホンさんにホンヨさんそんなに緊張しなくて、大丈夫だよ、これからよろしくお願いします」
「そうかい? じゃあ、お言葉に甘えて。寒かっただろ? ささっ、入りな!」
ホンとホンヨの後について、アオとミムは、宿屋の中へ入りました。
「わしはそろそろ家へ戻る。あとは任せたよ、ホンさん」と宿屋の入り口付近で、言うのであった。
アオとミムは同時にこう言いました。
「カンさん、ありがとうございました!」
カンは軽く会釈をすると、ゆっくり帰っていきました。
「一階は食堂と厨房、トイレに風呂、それから洗濯室だ。洗濯物を洗って、干して、畳んでしまう場所さ。二階はホンヨが案内するよ」
ホンは自信満々に、ホンヨに任せるように言いました。
アオとミムはホンヨについていきます。
「真ん中の大きな階段を上がると二階で、トイレが二つ、それぞれの宿泊部屋があるの、部屋にはベッドとクローゼット、それから机があるんだよ」
ホンヨの案内が終わり、一階へ戻ると、そこにはみんな、集まっていました。
「あらためて見ると広い宿屋だね、お値段いくらだろ?」
ミムは小さくアオの耳元で言うのであった。
ホンさんには、聞こえていたらしい。
「宿代は気にしなくていいよ、カンさんからちゃんと貰ってるからね、その代わり、掃除を少し手伝ってくれると助かるよ」
そう言ったあと、ホンは奥に向かって、誰かを呼びました。
「ほら、あんたも出てきな!」
すると、見慣れない男性が耳を引っ張られながら、出てきました。
「いててて……あぁ初めまして、アオさん、俺は鍛冶屋のケンヤです、剣が刃こぼれしたと聞いたんで……もしよければ、メデューサの素材を使って修理させてもらえませんか?」
両手を擦り合わせながら、目を輝かせています。
アオは申し訳なさそうに。
「でも、そんなにお金持ってなくて……」
ホンは明るく言います。
「お代はいらないさ。カンさんには十分もらってるからね。それに世界中を旅するんだろ? 『ここの鍛冶屋はすごい』って広めてくれりゃいい」
「えっ!?」
アオは、驚きます。
「冗談だよ! アハハハ!」
その言葉に、アオはほっと胸を撫で下ろしました。
ホンヨはケンヤに。
「お父さん、剣の修理頑張ってね」
「ありがとうございます、よろしくお願いします!」アオは頭を下げた。
「アオ、ミム! 先に風呂入ってきな! その間に晩飯作っとくからさ!」
腕まくりをしながら、ホンが笑います。
アオとミムは風呂場へ、向かいました。
アオが男湯の暖簾をくぐると――
そこには、木材を基調にした広々とした浴場が広がっていました。
壁も床も天井も、木でできていて、湯気と木の香りが、優しく漂っています。
アオは嬉しそうに。
「うわぁ……! すごい……! 全部木でできてるんだ!」
ゆっくりと湯船に浸かった瞬間、全身の力が抜けていきました。
「はぁぁぁ〜〜……サイコーだぁ……」アオはしみじみと言います。
熱すぎず、ぬるすぎないお湯が、疲れ切った身体をじんわりと癒していきます。
メデューサとの戦いや、長旅の疲れ、不安や緊張までもが、少しずつ溶けていくようでした。
十分に身体を温めた後、アオは食堂へ向かいました。




