公園で
前田君は今日の19時から塾があると言って公園を後にした。前田君に他の写真部の人達にも言っておいてほしいと頼まれた。そのため、あたしは他の三人を探しに公園を歩き回った。公園には犬の散歩をしているおじいちゃんやボールで遊んでいる子供たちもいた。この公園は来たことがなかったので意外と広いのだなと思った。そんなことを考えながら歩いていると、草むらから女の人の声が聞こえた。ここは公園の中でもあまりひと気がない場所で木や草が多くある。女性の声が聞こえる方向へ歩いて行くとそこには宇宙人と言われていた写真部の子とポニテの韓国語を話せる子がいた。あたしは草むらからその子たちを発見したので声をかけに行こうと思ったのだが、彼女たちはキスをしていた。非常に濃厚なキスだ。あたしは驚いた。女の子同士でそういった関係なのは全然かまわないのだけれど、この公園内でそんな濃厚なキスするか?とあたしは思った。しかも、キスだけではなくお互いの手が互いに交差し合って相手の股の方へと伸びている。いやー。話しかけにくいなー。とあたしは思った。そのため、はなちゃんを先に探しに行こうと考えた。木や草がたくさんある場所から遠ざかった。はなちゃんはどこにいるのだろうか?っていうか。あの二人は女の子が好きなのだから、仮に前田君が彼女たちを好きでも断られてしまうのではないかと考えた。まあ、異性でも同性でもどちらでもいける可能性はあるかもしれないが。そんなことをぼんやりと考えていると、はなちゃんが目の前に現れた。
「はなちゃん!前田君が塾で先に帰ったよ。」
「そっか、じゃあ私たちも帰ろうか。」
とはなちゃんは笑顔で言った。はなちゃんが一番話しやすい子だと感じた。
「二人はどこへ行ったの?」
とはなちゃんは言う。
「二人はそのー。」
とあたしは応答に戸惑ってしまった。どう伝えたらいいのだろう。
「二人もあたしが伝えに言ったら『じゃあ帰る』って言っていたよ。」
あたしは嘘をついた。
「そうなんだ。」
とはなちゃん。
「それって、嘘だよね!」
とはなちゃんは突然怒ってきた。目が大きく開いて圧倒された。
「だって、ほら!」
とはなちゃんは自分の一眼レフをあたしに見せてきた。そこに写っていたのはあたしの背中、そして宇宙人さんとポニテちゃんがチョメチョメしている光景が写っていたのだ。
ありがとうございました。