第14話 お隣の国の闇の部分
夜が明け、着替えて、学校に行く。朝日がさすただベッドが一つだけあるボロアパートの一室で、もう1年半か、ふと、お母さんの朝食が恋しくなった。
学校までの距離は歩いて30分ほどで、ボロいところ以外はからりいい物件ではあった。
時空科学部の部屋、第一実験室に入る。基本的に教室移動がない学部で、ほぼ全てがこの教室で完結している。また、面白い形式を取っており、1年生の最初のほうは、一日の最初の数コマは座学で最低限の知識、それが終わったらみんなで研究を行うというスタイルだった。それ以降の先輩方は教室後ろの方にある研究するための施設で研究をしたり、論文をまとめたりしていた。どうやらここは研究特化型学部ということで、かなり学習することを絞って深く学習するタイプのかなり特殊な学部だそうだ。
朝の9時から夕方3時までそれ以降も夕方8時まで鍵は開いていることが多い。
「はい、一年生のみなさんこんにちは。えー、今日は初めての授業ということで、まず、この時空科学の名前についてる時空、それについて話していこうと思います。はい、教科書の10ページをまずあけてください」
こんな感じで講義が進んでいき、50分が過ぎて10分休憩が挟まる。12時になったら休憩だ。授業の内容を聞いていると、特異点物質という空間を歪ませることの出来る物質を使って時空を隔てることの出来るという感じの説明を、専門用語やたら多めでちょっと難しめに数数式とかを色々使って説明している感じだった。
12時になってお昼休みになった。
ちょっと教室がワイワイ騒ぎ出す。
ニシムラさんが俺に話しかけてくる。
「少しあとで話せる?」
デューク先生が言う
「みんな学食の場所知ってるか?」
「知ってます、地図にありますから」「いや、知らないです」
いろんな声があったが、
「この廊下をまーすぐ行って右に曲がっていったところにあるから」
俺はニシムラさんにいう「俺はちょっと行きたい場所があって、あとででいい?」
「良いよ」
みんなは学食があるほうへ向かう。
だが俺はお金なんて全く持ってない。幸い食べなくともお腹がすかない体質だが、絶対に周りから可哀想な目で、へんな目で見られることは間違いない。そう思って、今回は食堂にはいかずに近くにあった中庭の端のベンチで時間を潰すことにした。
ご飯食べるのが早い人が食堂を出たときに合わせて俺も教室に戻った。
さっき座っていた場所に座り、スマホをいじってるとしばらくしてニシムラさんが話しかけてきた。
「ちょっといい?」
「はい。大丈夫ですよ」
何だろう?バイトの話かな、まさか俺に気があるとか?いいやそれは絶対にない。
「その、きのうもらったフィギュアなんだけど、家に帰ってよーく見たら、ちょっと色味とかがおかしいなとか思って、ネットで調べたら、海賊版だったの。もう1階裏を見たらメーカーのロゴも入ってなかったし。」
メーカーのロゴ?そんなの俺が知るわけないじゃないか。だってあの場で即興で作ったんだぞ。もしかしてこれって悪いことしてしまったのかな?でもお金取ったわけでもないし、別に悪いことはしてないと思う。ただのハンドメイドなんだ、そう。でも怒られるか・・・でも創造神としての力はやっぱり知られたらまずい。ここは返しに気おつけないとな。
「これってもしかしてネットで買ったの?」
「えー、あぁそうそうそう、ネットで買ったの。なんかかっこいいなーって思ったんだけど、海賊版だったなんてなー」
「なるほどね。最近お隣のチョンって国からたっくさんの偽物が流れて来てるの。通販で買ってくるときは気おつけてね。」
「うん、分かった。」
ふー、あっぶねー。危うく気づかれると思った。
「最近急激にあの国力を付けてきてさ、軍事力も裏で馬鹿にならないくらい隠し持ってるんじゃないかって噂なの」
「それは、大変だね。でも大勝負だよ、デューク先生がいるんだから」
全くもって怖がる必要はないのだ。なにせこの世界を創造した神であるデュークさんが後ろ盾になってるんだから。
「デューク先生?、ただの研究が好きな先生でしょ。確かに、気さくで良い先生だとは思うけど」
「まあそうだね」
「それで、そのチョンって国について教えてよ」
「え、毎日ニュースとかで名前を聞くと思うけどあたしもその程度のことしか知らないよ」
あ、まずい怪しまれたかな?
「えっと、その、フィギュアとかそうゆう観点からどうなのかな、って思って」
「なるほどね。チェン国は、まだ建国してから100年もたってなくて、バラバラになった小国が合わさって大きな国になったってことは知ってるよね」
「えぇ」
本当は初耳だが、常識を喋ってそうなトーンだったので知ったかぶりをする。
「ある人が一つの小国のなかでクーデターを起こして、その小国が周りにある沢山の国の人々を虐殺して、沢山の死者がでて、まあ、とにかくあの国は一人の独裁者がいて、軍事力で国民にも、そして近頃はは周りの国にも圧力をかけている、簡潔にいうとヤバい国ね」
あれ、どっかで聞いたことあるような、そんな国、異世界にもあるんだ。
「それで一部の政府関係者や超富裕層が金儲けの遊びのためか、他の国を混乱させたいのか、近年、いろんな模造品が作られてたりするの、それも貧しい労働者を使ってね。」
「ひどい話だね」
まあ今回はチェン国は全く関係なくてただの被害者なのだが。
しばらくの沈黙があったが、せっかく仲良くなれるかもしれない女の子。ここで会話は途切れされたくないと会話を続ける。
「ところでなんだけど、バイト、どうだった?」
「そうだね、結構大変だったよ。覚えることも多いしね」
「それで、面接ってどんな感じだったの?あと、先輩の感じとか」
「ちょっとそんなにいっきに。それで、面接は一対一で、店長さんに志望動機とか、どれくらい働けるかとか、休日に臨機応変に動けるかとか、特技とか、そんなこと聞かれたよ。先輩は優しい感じで教えてくれるいい人かな?」
「なるほどね、あと、最後、履歴書って持っていった?」
「それが、一応持ってはいったんだけど、私が働いたロナルドバーガーは、使わなかった。そのかわりに名前、住所、電話番号、勤務時間、とかをグラフとかで書くチェックシートにその場で欠かされたの」
「そうゆうものなんだ。ありがとう」
「でも、一応場所によっては履歴書が必要かもしれないから、一応持っていっといたほうが良いかも」
「わかった。」
そう言って俺は自分の席で座った、っていっても席はニシカワさんと同じ班だから、そんなに離れるわけではなかった。
さあ昼休みも残りわずかだ。午後の研究はどんなものをするんだろう。一刻でも早く故郷のWifiを獲得するという偉大なる目標を達成しなくては。そのためには自然と気合が入るものだ。
作品内知識ーーーー
チェン国とは、デューク教国とは海を隔てた先にある隣国。その名の通り鎖に繋がれたように国民の言論などの自由度は低いとされている。




