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第一話 とある男子高校生の会話

「やあ!中村君よ」

「おい、田村君」


中村君は興奮気味に言った。「昨日発売された『ラスヒロ』を見たか?」と。     田村君は答えた。「いや、今日家に帰ってから見る予定だよ」


中村君は心配そうに言った。「早めに読まないと、木曜になったら『転ハレ』も見ないといけないんだぞ」


田村君は思いを込めて答えた。「転生してハーレムを築く社畜だもんね」


中村君は感心しながら言った。「まったくだね。異世界物の漫画ってタイトルが長いよなー」


田村君は同意した。「本当にそうだよ」


中村君は続けた。「でも目が離せないし、本当に気になるんだよね。最近クラスでは恋愛ものとかが流行ってるけど、やっぱり転生するのが一番だよな」


田村君は反論した。「いや、内容によるけどね」


中村君は心配そうに言った。「なんか今日冷めてないか?」


田村君は悔しそうに答えた。「いや、昨日『ラスヒロ』を見たかったのにスマホを取り上げられて見れなかったんだよ。漫画買うお金もないし」


中村君は驚いて言った。「お前そんなに『ラスヒロ』が好きだったのかよ」


田村君は照れくさそうに答えた。「まあな」




中村君と田村君は、異世界転生系の漫画が大好きなのはみなさんもお分かりの通りである。


彼らは学校でのストレスを漫画で発散している。


ちなみに、彼らは会話で出てきた漫画以外にも10作品ほどの漫画連載を読んでいる。


二人のフルネームは、中村唯斗と田村翔である。主人公は中村君である。




「ただいまー」


「お帰り、唯斗」


母からスマホを返してもらった。「はい、これ。もう9時過ぎてからやっちゃだめだからね」


中村君は頷いた。「わかってるよ」


母は聞いた。「それで、大学はどこにするの?」


中村君は答えた。「まだ決めてないよ」


母は心配そうに言った。「早く決めないと、もう高2でしょ?あっという間に受験の時期になっちゃうわよ」


中村君は深く考えた。「そうだね」


中村君の一番の悩みは進路のことである。大卒の方が給料がたくさんもらえると言われているから、大学に行きたいと思っているが、勉強が苦手だ。だからついつい現実逃避をしたくなってしまう。異世界漫画はその一つの手段でもあるのだ。「漫画の主人公みたいな特殊能力があったら、何も努力しなくても楽になれるのにな」と、彼は時々思ってしまう。しかし、全く勉強しないわけではない。授業は真面目に受けるし、宿題もこなすためテストの点数は大体70点前後は取れている。




家に帰ったら、いつものように漫画を読んで、YouTubeを見て、9時になったら風呂に入り、10時頃までに宿題を終わらせて寝る。いつも変わらない日常。




目が覚めると、中村君はそこにいなかった。


周りは一面真っ白だった。


しばらくして、女性らしい声が聞こえた。







挿絵(By みてみん)

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