四人目の元の世界の人物はアイドル声優!?
翌日。晴一は小屋の外にいた。湖を眺めていて元の世界の事を考えていた。
「あの世界。俺達は吸い込まれたのか?それともあれが本当の世界」
そんな事を考えてると小屋からのどかが声をかけてきて、昼食をとる事にした。昨日の事もあり
晴一達は明日出発する事にした。その食事中も晴一は一人考え事をしていた。
夜、隣の小屋にあるお風呂に晴一は一人で入っていたが、途中でジェームスとオリバーが
入ってきた。
「セイイチ君どうした?何を考えている」
「色々とな」
「君は元の世界とやらに帰ろうとしてるのか?」
「それはないっと言いたいがどうだろうな。あんなのを見た後だからな。あの世界を
救いたい?いや、俺の理想の世界にしたいそんな事を考えちまう」
「あまりいい世界ではなさそうだな。それならこっちでひっそりと暮らせばいいのでは?
冒険をせずに」
「それもそうだが、元々の俺はそういう事も自分で判断できないどうしようもない
やつだったんでな。何も決められん」
「なら彼女の事はどうするのだ?」
「夕子ちゃんの事か。あの子は俺が守る。あの世界で唯一の理解者でダチだからな」
「そうか。まぁどうするかはお主次第だ。しっかり考えるといい」
「ああ」
今まで誰にもこんなふうに相談した事なかったのでオリバーが向こうで言う教師の
様に見えた。
そうして翌日になり晴一達は小屋から出発した。ここからエデンバーラまではあと
数時間ぐらいだ。歩いて向かいレベリングもしながら進む。そして大きな街が
見えてきた。奥には城があるが、それはもう滅びた跡地の様な姿になっていた。
その姿にアリアは膝をついた。
「ひどい。ここまでしなくても」
「姫様、気を確かに」
「もうここには誰もいないのか?」
「ああ。たまに他の街から来る奴はいるが、この街の者はいない」
「そうか」
晴一は一人先に街に入っていく。夕子達にはそこにいてくれといい、一人で散策
する事にした。本当にゲームでよくみる王国のような街だが、誰もおらず
建物もほぼ全壊していた。しばらく歩いていると何かの気配に気づいた。
晴一はそれに気づいて複雑に歩くようにした。路地裏に入り、待ち構える。そいつが
入ってきた所に剣を向けた。そいつも同じ様に剣を出して来た。二つの剣が
触れる音が響いた。
「何者だ?ここの奴じゃないな」
「お前こそ誰だ?ここはどこだ?」
「迷子か?姿を見せてもらうか」
距離を取り、風を起こして相手のフードを外す。その姿を見て晴一は驚いた。顔と
服が見えて、その服が見覚えのある服だった。
「それはコスプレか?」
「!?その言葉を知ってるの?」
「ああ。まさかと思うが、お前違う世界から来たのか?」
「そ、そうよ!私は一ノ瀬菫あなたは?」
「俺は荒井晴一。あんたあのアイドルの菫か?」
「そ、そうよ!私はアイドルよ。正確にはアイドル声優だけど。ねぇここどこなの?
なんで誰もいないの?」
彼女は取り乱していた。どうやら数日前ぐらいにこの世界に来てしまい。最初に
ついた街がここで誰もおらず、絶望を感じていたようだ。
晴一はとりあえず彼女座らせ、落ち着かせた。彼女は元の世界で有名な声優だ。ゲーマーの
晴一も好きな方なので知っていた。
長いピンク色の髪に活発な感じの顔でスタイルの良い彼女。性格も良く、それでいて
その世界で頂点を目指そうとしているほどの野心家でもあった。
「そうか。ライブの途中で」
「ええ。いきなり変な黒い空間が現れてそれに吸い込まれたの。それで気づいたら
ここにいたわ」
「他の奴は?」
「わからない。最近、色んな所でその現象が起きていたのは知ってたけどまさか
自分が巻き込まれるなんて」
「色んな所で起きてる現象。あれが元の世界でも。なんとなく理解できてきたな」
「ねぇあなたも一人なの?それなら一緒に帰る方法を探してよ」
「それはいいが、俺は一人じゃないんだ。仲間がいるんでね。それでいいならついてくるか?」
「本当に!?誰でもいいわ。連れてって。もう一人で知らない所にいるのは嫌」
「わかった。じゃぁついてきな」
晴一は菫を連れて行った。ちなみに武器を置いて行くように言った。武器を持ってると
怪しまれるからだ。そうして二人は夕子達の所に戻ってきた。
「あ!戻ってきた」
「晴一!ってその子誰?まさかナンパしてきて」
「違う。多分夕子ちゃんも知っている人だ」
「え?私が知ってる?」
「本当に人がいた!しかも女の子も」
「その声、ま、まさか元の世界の」
「ああ。アイドルの一ノ瀬菫だ」
「アイドル!やっぱり。あの、私ファンですってでも、どうしてこの世界に?」
晴一は説明する為に、落ち着ける場所をオリバーに聞いた。それならお城に行こうと
言い、崩壊はしているが、ところどころ部屋らしいのは残っていたのでそこで
休みをとりながら菫の事を説明した。
「そうだったんですか。それにしてもあの現象が元の世界でも起きてたなんて」
「ああ。だがそれで納得もできる。バーチャルと元の世界が繋がってる事もな」
「それで、それを故意に起こしてるのがいる?」
「ああ。そして、それをしてる奴が俺達をここに連れてきた奴でもある。そして
もしかしたらだが、そいつがこの世界にも何かをしている。何が目的かは
わからんがな」
「そいつを見つけて止めないとこの世界だけじゃなく元の世界も危なくなるって事ね」
「そうだな。だからその為に俺達は元の世界に戻る必要がある。それをするには
オーパーツを集めないといけない」
「あと、四つだね。でもそれで元の世界に帰れる?」
「この二つで出来てるんだ。おそらく出来る。だから必ず見つける。まぁそんなわけで
俺達は旅をしてるが、一ノ瀬さんはついてくるか?」
「私は」
菫はまだ状況が整理できてないので迷っていた。晴一もすぐに返事をしなくていいと
良い、この日はここで泊まる事にした。
その夜、菫は夜空を見ながら歌い始めて。




