謎の女性と出会う
朝、晴一が一番初めに目覚めた。この街にきてまだゆっくりできてないのでこの日は
休みにする事にした。なので書き置きをして、一人で先に外に出る。
まだ朝が早いので人通りも少ない。晴一は少し街のはずれまで移動した。そこは街の裏で
辺りがよく見える場所だ。それはまさに絶景だった。
「穏やかだな。元の世界にも同じ様な場所はあるが、こっちの方が良いな。さて、こいつは
なんだろうな。少なくとも昨日まではなかった」
晴一は自分の手の甲を見た。そこには知らない紋様が浮かび上がっていた。それはあの扉に
描かれていたのと似ていて、何かの木の様にも見える。その木の枝の先には一番下が
黒く塗られている。
「まさか呪いか?それともあの場所に行った罰か。まぁどっちでもいいか。俺の最後は
決まってるからな」
しばらくここで景色を眺めていた。それから街に戻り、宿に戻る前に防具屋でグローブを
買った。この紋様を見せないようにするためだ。
宿に戻ると皆集まっていた。
「晴一!どこに行ってたの?」
「ちょっと防具を買いにな」
「防具?あ!そのグローブ?」
「ああ。なんかよかったから買ってみた。一応魔力も上がる奴だからな」
「私もなんか買ってこようかな。この先モンスターも強くなるだろうし」
「ああ。次の街にいく前に揃えておくのもいいかもな」
そんな風に話しながら食事もして、その後に夕子達は買い物に行った。晴一は部屋に
いた。そこにジャックがやってきた。
「ここいいか坊主」
「ああ。何かようか?」
「いや、改めて礼を言おうと思ってな。あれがいなくなったおかげで調査をしてもいいって
言ってくるやつも増えてな。これもお前のおかげだ」
「そんな体操な事はしてない。それにも目的の物はなかったしな」
「オーパーツか。お前はそれを探してどうするんだ?あれは何に使うかわかってない。それに
呪われるとかも言われているぐらいの物だ」
「俺達はそれを集めて悪魔を倒しに行こうとしてるんだよ」
「悪魔か。またたいそれた事をしようとしてるな」
「まぁそれが使命だからな」
「そうか。ま、俺達はただの移籍調査団だ。悪魔退治はそっちに任せる。とにかく
ありがとな。セイイチ」
「初めて名前で言ったな」
二人は乾杯をし、ここで別れる事にした。翌日、晴一達はジャック達と別れて街を出た。
ここから次の街まではだいぶある。その間にのどかも戦えるようにレベリングをした。
のどかには弓を装備させて遠距離での援護を任せた。晴一が魔法、夕子が剣、のどかが
弓と徐々にゲームのパーティーが揃ってきた。
とある夜、野宿をしてこれからどうするかを話し合った。
「のどかちゃんもだいぶ戦える様になったね」
「なんとかね。こんな風に野宿もしたり、冒険したり本当にゲームしてるみたいだし」
「まぁゲームの中だからな。今はこっちが現実でもある」
「そうだね。なんか本当にこっちが本物の世界に思えてきたし。こっちの方がいいかもって
思ってきてもいるぐらいだから」
「そうだな。俺もこっちの方が良いって思う。学校もないしな。誰でも稼げる」
「晴一。私達の目的忘れてない?」
「大丈夫だ。ちゃんとわかってる。それより次の場所だが」
晴一達がそう話していると誰かが走ってくる気配がした。晴一達は立ち上がり構える。夕子は
寝てるオリビアの前に、二人は前と後ろにポジションをとり、待ち構える。
「来たぞ!?」
晴一の前にそれは現れた。やってきたのは女性だった。しかも相当焦ってやってきたので
晴一にぶつかって倒れた。
「晴一大丈夫?」
「晴一君!」
「大丈夫だ。それより誰だこいつは?」
晴一の上で倒れた彼女も目を開けて状況を確認した。
「ご、ごめんなさい。急いでいたので」
「いや大丈夫だが、急いでるのは追われてるからか?」
「どうしてそれを?」
「お前の来た方から魔力を感じるからな。そいつに追われてるのか」
「ハイ。あの助けてください。お礼はいくらでもします」
二人は立ち上がった。その瞬間に後ろから攻撃をされた。それを夕子が剣で弾き返す。
「何者?」
「その女を渡してもらおうか」
いきなり現れたのはフードで姿が見えないが、晴一より背が高い男だった。
「嫌がってるのに渡せると思うか?」
「ならお前らは死ぬ事になる。死にたくなかったら渡せ」
そう言うと敵は攻撃してきた。そいつは両手に武器を持っていた。その攻撃を夕子が
防いだ。
「やるな女」
「私、強いよ」
「なら殺し甲斐があるな」
二人は晴一達から離れ交戦する。それを見てのどかが弓で攻撃しようとするとそれを
晴一が止める。
「晴一君」
「今は攻撃するな。夕子ちゃんのテンポが悪くなる。しばらくは様子を見ろ」
そう言われてのどかは弓を下げた。二人は激しい攻防を続ける。
「女!そんなに死にたいか」
「簡単には死なない。それに私が勝つ」
夕子が押し始めた。相手もそれに驚く。
「しかたない。これで引いてやる。だが、そいつは必ず捕まえる。お前らも覚えたぞ!
特に女、お前は俺が必ず殺す」
「やれるもんならやってみなさい!」
夕子は剣を投げたがそいつは忽然と姿を消した。静寂を取り戻し、晴一達は彼女に
話を聞く事にした。




