ゲームの世界へ!
根っからのゲーマーである高校生の荒井晴一。学校から家までにあるゲーセンは
全部通っており、ジャンルを問わず遊んでいてここら辺では有名人だった。
その晴一は今とあるゲームにハマっている。
それがオープンワールドのロールプレイングゲームでその名前がまたシンプルで
話題になったザ・パラレルワールドというゲームだった。
ゲーセンにあるのでセーブはできるのかとかの問題もあったが、それも専用のカードを入れれば
すぐにできるので安心してできると人気になった。
晴一は既にクリアしており、周回をしているほどだ。そんな晴一はいつも思っていた。
「このゲームの世界に行けたらな」
現実での晴一はあまり目立たない性格で、家でも親から見放されているほどで
いつ追い出されてもおかしくないぐらいだった。
学校でも同じで、誰とも仲良くなれず、いつも一人でゲームをしていた。そんな晴一でも
ゲーセンに入ると注目をされる。なので店が閉店するまでいることもあったりするが
あまりお金がないので最後らへんは見てるだけの方が多かった。
それでもそんな晴一に話しかけてくれる人がいた。それが同じ様にゲームが好きで
ゲーセンに通っている別の学校の女の子の白金夕子だ。
最初は格ゲーで乱入してきて、そこからよく会う様になりゲーム好きというのも
あり、仲良くなった。
「晴一!次はクレーンで勝負だ」
「どれでもいいけど。俺が勝つから」
クールな感じで話す晴一だが、夕子の大きなおっぱいに目がいっていた。短い髪で
活発な感じの夕子だが、豊満な胸が男子を魅了していた。
そうして遊んで駅まで一緒に帰る。
「じゃぁまた明日な」
「ああ。気をつけてな」
「ありがと。これでも鍛えてるから大丈夫。痴漢も退治できるから」
夕子は回しげりをした。それにも驚いたが、晴一は足を上げた時に見えたパンツの
方に視線がいっていた。夕子もすぐにスカートを隠し、晴一にエッチと言った。
その言葉が残り、家に戻ってから晴一は夕子のことを考えていた。さっきのことがあった
からではなく、いつも思っている。こんな自分に声をかけてくれて、一緒に好きな
ゲームで遊んでいのだ。晴一じゃなくても男子なら意識はする。
そうして学生生活をしている晴一はまさかあんなことになるなんて思いも
しなかった。
それが起きたのは休日の日曜。晴一は夕子と一緒にいつものゲーセンに来ていた。
朝から夕方までいる予定で、午後からザ・パラレルワールドをプレイしようと
その場所に向かおうとした時だった。
「どうしたの晴一?」
「なんか静かじゃないか?」
「そんなことあるわけ、確かにさっきまで騒がしかったのに。なんかおかしな
感じがするわ」
二人は何か異変が起こってるのかと思ったが、どうすることもできず無意識に
体がそっちに向かっていた。
そして、その台がある場所にくると画面から強烈な光が放たれていた。
「な、なにこれ?」
「夕子ちゃん!逃げて」
「ダメ、動かない」
なぜか二人の体は動かなかった。その光は強くなり、二人は目を閉じてしまった。
光は店内中に輝き、その輝きが消えると二人の姿はなかった。
しばらくして、二人は目を覚ました。体を起こすとそこは外だった。しかも、周りに
何もなく、どこかの丘の上だった。
「なんだったの今の。晴一!晴一!」
夕子が晴一を起こす。目を開けると夕子がいて、周りはゲーセンの中ではなく外だったのに
驚く。
「ゆ、夕子ちゃん。ここは?」
「わからないわ。さっきまでゲーセンにいたのに。ここは外で、しかも、周りに何も
ない丘の上?」
「なんか、見たことある風景だな」
「やっぱり晴一もそう思う?私も見たことあるって思ってた」
二人はしばらく周りを見渡していた。見渡しても何もない。晴一は動く事にした。
「これ夢なのかな」
「同じ夢に入れるのか?しかも、意識がはっきりあるし」
「そうだよね」
いつも強気な夕子が怖がっていた。それは行動にも表れていて、夕子は晴一の腕に
しがみついていた。少し歩いて行った時だった。二人の前に何かの生き物が
現れた。それはよくゲームで見たことのある姿をしていた。
「!?あ、あれってまさか」
「ご、ゴブリン?現実にいるわけが」
「じゃ、じゃぁあれは何?」
「に、逃げるぞ夕子ちゃん」
二人は逃げようとするが、夕子が倒れてしまった。そこにゴブリンが襲いかかってきて
夕子に攻撃しようとした。
「晴一!」
「夕子ちゃん!この離れろ!」
晴一が手を前に出すとそこからなんと炎が出てきて、ゴブリンに向かって放たれた。それが
命中し、ゴブリンを倒した。
「な、なんだ今の?」
「まるで魔法みたいだけど、晴一手、大丈夫?」
「ああ。なんともない。本当に魔法なのか?だとしたらここは」
二人は少しずつ気づいていた。さっきのゴブリンと言い、今の魔法のようなものと言い
ここは、現実ではなく異世界、もしくはあのゲームの中だと言う事を。
それはすぐに判明した。ゴブリンを倒した後、二人は色々自分の体を調べた。すると
ゲームでよく見るステータス画面がホログラムの様にして現れた。そこには
ザ・パラレルワールドと表示された。
「晴一、これってもしかして」
「ああ。考えたくはないが。ここはザ・パラレルワールドの中だ。俺達、ゲームの
中に閉じ込められた様だな」
「そんなことって」
二人はしばらく呆然としていた。まさか本当にゲームの中にいるなんてと。
しばらく考えてから晴一は動き出した。




