第8話「類は友を呼ぶ」こっち来て欲しいのー
というわけで転生しました。さっそく1才になりました。
名前は です。さっき決まりました。
(おかしいなー)
って思ったのは、何時からだっただろうか?
たまに夢に出てくるおばさん? や地球? って場所のことに思いを馳せながら……おそらく早いであろう自我が芽生えだした、ある日ある時に、その疑問はある意味、当然のようにやって来たのでした。
(僕の名前ってなに?)
僕の生まれた村では、『村全体が家族』だと認識している人達の集まりみたいな感じで、今のところ、色んな人が僕の世話をしてくれてます。
本当に色んな人、色んな種族の人に可愛がられながら、今日まで僕は元気に育って来たわけなんだけど……みんな……
「黒髪ちゃん可愛い!」「黒ちゃん、遊ぼー!」「クロ子、こっち見て」
「黒坊は随分と賢いな」「ほほっ、黒いのは今日もクロクロしておるのぉ」
「黒い~黒い~」「黒さー、おいでー」「まっくろくろすけ出ておいで~」
ってな感じで、誰も僕の名前を呼びません。
流石におかしいなぁ、とは思っていたけど、上手く喋れずに、その疑問を伝える手段がなかった僕は……今日やっと……
「まぁーあ!なあーえあにぃ?」(まま!名前なに?)
「あまーえあいぃ?」 (名前なに?)
「なぁあーえなぁい?」(名前なに?)
と、母親まりーに連呼していたら、どうやら何とか伝わったらしくて、今までにないくらい彼女の綺麗な青い目が揺れ動いていました。そして流石にこれ以上は放置出来ないと考えたらしくて……
「みんな……。そう! みんなで考えましょう!」
と言って、元気よく部屋を出ていって、そのみんなを呼びに行きました。
母がみんなを呼んでくる間、僕の面倒は近くにいた村人さんがしてくれます。
村人B「そういえば名前で呼んだことって、なかったね……」
村人C「えっ? 黒ちゃんって、黒ちゃんって名前じゃないの?」 尻尾ふりふり
村人B「あぁ、そうだったかも」
違うよ? 猫耳もふもふ
。。。
そうしている間に、徐々に村人が集まってきて、大体さっきと似たようなやりとりがあった後……みんなで色々と話し合った? てかただの食事会? みたいな感じになって、結局決まった僕の名前が……
「くろすけ」
。。。
黒助(今日僕は沢山の人が多くの時間を費やして、黒助という大事な名前を授かった。なんか幸せ)
○ 私の独り言 ○
ポジティブっていいですよね!
楽観的な性格っていいですよね!
大好きです。