第3話「後悔先に立たず」になりかけないのです……
「話を戻します」と言って、私のベットの上に腰を掛けたおばさんは、どうして私が自殺に導かれたのかを語ってくれた。
守護霊さんが用意してくれた試練を、乗り越えられなかった私の魂は、沈みきったそうだ。その後もいくつかの試練が与えられていったみたいだけど、沈みきった私では為すすべもなく、沈む→躓く→さらに沈むを繰り返す負のスパイラルに陥って、そしてとうとう、乗り越えられる試練が無くなったらしい。
乗り越えられる試練が無いってことは、つまり大きく学べることがないってことで、それはこの学びの場である地球にとっては、生きている意味がないに等しいみたい。
そしておばさんは、そんな状態の私の問題を、自殺に導くって手段で解決してくれたってことらしい。うん、ありがとう?
「でも自殺って死んだあと地獄に行くとか、死ぬ直前を繰り返すとか、他にも結構ダメなイメージがあったんですけど……。私にもなにか罰? みたいなものがあるんですか?」
いっぱいあったよね。とにかく恐怖を煽るのを目的にしてるとしか思えないのから、本当に心配して言ってるけど、全く的外れなものまで……。
とにかく自殺は悪いことだという風潮があった。本当に悪いのは、自殺したいと思う人が出てきてしまうような、ダメ社会の方なのにねー。そんなダメ社会を作ってる政治家達を操ってる、ゴミ組織が悪いのにねー。
それで結局のところ、私に罰ってあるのかな?
「そういったことがある場合もありますが、今回は特にありません」
「そ、そうなんですか?」
ん? ないの? 一応、それなりの覚悟はしてたんだけど……。
「はい、ありません」
正直なところ、そういった罰みたいなのは、自殺する前に一番心配していたことけど、杞憂だったみたいです。よかった……。
「そもそも自殺が悪いということではないのです。自殺から学べることも沢山あります。今回あなたは、自殺をしてしまうほどの大きな挫折と苦しみ、悲しみを学びました。それはとても素晴らしいことなのです。
ですが
自殺をしてもいいという風潮になってしまうと、大きな挫折や、苦しみ、悲しみを学ぶ前に自殺する人が出てくるでしょう? 大きな学びの場である地球という世界で、人生が辛いから、もう死にたくなったから、病気になったから、みたいなことで死なれては意味が無いのです。
なので
そういう風潮が起こらないように、大きな学びもない自殺をした人には重い罰を与え、それを地上界の人に伝えたりして、『自殺をすることは重い罪』だという風潮を作っているのです。
『大きな学びを得たあなたの自殺には、なんの罰もありません』」
○ 私の独り言 ○
あと前世の悪徳を解消させるのに、死なれては困るとかもありますね。
他にもいっぱいあるのですよ。
本当に色々なの。中には絶対に死んではいけない人もいるの。そういう人は絶対に死なないで欲しいなの!
死んでいい人と、死んでははいけない人の見分け方は簡単なの。
ただ生きていればいいなの! そうすれば分かるなの!
あなたが死んではいけない人なら、何もしなくても、生きるのに必要なものは最低限、手に入るようになってるなの。そうなってるなの。心当たりがある人は絶対に死んじゃダメなの! 滅茶苦茶困るなの! 私が怒られるなの!
反対に、死んでもいい人なら、自分から死ななくても、そのうち勝手に死ねるの。そういう風にちゃんと導いてくれるなの。
だからどっちの人も、あなたから死ぬ必要なんてないなの!
。。。
それと自殺をすることは自分を殺すことで、殺人と同罪だと言う地球人がいますが、それはある意味、正解で、不正解です。
目の前に、全身が致命傷だらけで、治療不可、生きているのが不思議なくらいな人がいたとして、その人が……
「痛い……痛い……殺してくれ……もうお願いだから、殺してくれ……」
と、私にお願いしてきました。
私は本当に可愛そうだと思い、その人を殺してあげました。
あなたは私を殺人と同罪だと言いますか?
あなたの信じる何かは、私を罪に問うと思いますか?
目の前に自殺が必要なほど、致命傷だらけ、治療不可、生きてるのが不思議なくらいの人が、自殺しました。
あなたはこの人を、殺人と同罪だと言いますか?
あなたの信じる何かは、この人を罪に問うと思いますか?
自殺が必要な人はいます。
自殺が必要なほど傷ついている人はいます。
そんな人達が必要なのは、恐怖ではありません。
恐怖で人の生を縛るのは、悪魔のやり口です。
恐怖で傷は癒えません。
死んではいけないなんていう恐怖では、自殺志願者の傷は癒えません。
あなたはどんな言葉を掛けてあげますか?
どんな行動をしますか?
あなたには優しさと愛情が、ありますか?