第26話「歯牙にもかけない」のですか?
謎の声から告げられて、あれから一年程。妹が生まれました。そして、今ではハイハイをするまでに元気に育っています。
父譲りの真っ赤な髪色に、今僕を見据えている母譲りの青い目は、僕ともお揃いです。とっても可愛いです。
そんな妹は僕の歩いたあとをトコトコと、はいはいして付いて来ます。すごく必死で……執念すら感じます。何故でしょう? ま、いっか。
○
ちなみに、この村では近親婚を制限してません。
近親婚で生まれた子供は、血が濃くなって、より良い特徴が現れやすくなるそうです。でも、悪い特徴も現れやすくなるので、世代を続けての近親婚は若干タブーです。
そういえば、地球の動植物も沢山の近親交配がされていました。いい特徴を出そうとすると近親婚は仕方がないのかもしれません。
優雅で長いヒレが特徴な、全身曇りのない、漆黒のメダカを見たときには、ふとそう思ってしまったことがあります。
でも、その一方で問題も多かったです。米アレルギーなんていう、日本人を殺しにかかってるとしか思えないアレルギーは、米の交配をしすぎて米の毒性が強まったのが原因だとか。虫や鳥を避けるどころか人まで避けれちゃう勢い……。
それに、ペットショップに居る生き物は、表には当然出ないけど奇形児まみれだった。ケージに並んだ可愛い動物達の裏では、沢山の動物達が処分されていました。
『何事もやりすぎはよくない』
○
長々と語りましたが、結局何が言いたいかというと、僕は将来この可愛い妹と結婚するかもしれません。何故か目が離せない。どこか懐かしい感じもします……。
僕の妹、マジ可愛い! 凄く幸せ。
。。。
そんな可愛い妹の名前ですが……
両親は名付けの権利を破棄し僕に預けました。ん? 丸投げ?
僕は妹に「紅葉」と名付けました。赤い髪が綺麗だったから……。
紅葉は、僕の足元にべったりと引っ付いてきます。
僕も足を止めて腰を折り紅葉を抱き抱えて、赤い髪を撫でます。
村人D「なに! 私のくろすけが奪われた……だと……」
そう言って膝を折る姉ちゃん。
黒助「僕は姉ちゃんのものになった覚えはないけど?」
村人D「なん……だと……」
そう言って腰も折る姉ちゃん。
紅葉「あぅ z Zz」
村人D「ま、いいや、それよりさ、私にも紅葉ちゃん抱かせてー」
と言って立ち上がる姉ちゃん
黒助「うん、いいよ」 ヨッコイショ
紅葉「やー!」
僕は紅葉を渡そうとしたけど、姉ちゃんは拒否されてしまいました。
まさか拒否されてしまうとは僕も思わなかったです……。
村人D「なん……だと……」
膝を折るのを忘れてます……。
これは本当に落ち込んでいるようです……。
流石になんだか可愛そうです……。僕は紅葉を撫でていた手を、姉ちゃんの綺麗な髪に向けます。 なでなで
村人D「ふふ……ふふふ……やはりくろすけは私のものみたいだいだな! ざまぁないな紅葉よ!」
0歳児に勝ち誇る姉ちゃん……。うん、今日も姉ちゃんは姉ちゃんです。
ただ、いつもと違って、その赤い目が少しだけ濡れています……。
意外と打たれ弱い?
一方、姉ちゃんに勝ち誇られた紅葉は……
紅葉「すーすーすー」 Zzz Zzz Zzz
そもそも相手にしてませんでした。
僕の腕の中で気持ちよさそうに眠っています。
村人D「負けた……」 orz
姉ちゃんは首を垂れたのでした……。
○ 私の独り言 ○
劣性遺伝子さんは決して劣っている訳ではないのですよ。
少し引きこもりがちなだけなのです。出しゃばりな優性さんとは違うのです。
相手をしっかり選ぶ子なんです。誰にでも尻尾を振る優性さんとは違うのですよ。
なのにヒドイ名前なのですー。




