第1話「思い立ったが吉日」なのですよ!
(何か違うな~)
そんな些細な違和感を覚えながらも、黙殺し続けて早数年……。
私は気づけば立派なヒキニートになっていた。
(死のう)
ある日なんとなくそう思った。本当になんとなくだ。
家の中からロープを探して、見つけて、結んで……
寝室の柱に取り付けられてたフックに、適当にかけた。
そして首を吊った……。
(痛い、痛い、痛いーー!)
堪らずにロープを首から解いた。
(なにこれ、めっちゃ痛いし無理なんですけど!)
(ロープじゃ無理だ、痛すぎる……。別なのにしよう……)
そうして今度は長めのマフラーを持ってきて……首を吊った。
(痛い、痛い、やっぱ痛いー! けどさっきよりは……マシ?)
(うー、頭に血が上るー、苦しいー、痛い、まだー? …………まだ……?)
(死ぬ……のも……簡単じゃ……ない…………な……ぁ……)
私は……何のために……生まれてきたんだろう?
(ぁ……ぅ………………ぅ…………………………)
私は…… この世界で何がしたかったんだろう?
(…………………………………………)
私は……この世界の……何も好きになれなかった……。何も愛せなかった……。
(……………… ………… …… )
私は…… 誰かを……
(…… ……… 『愛したかった』 ………… …… …… … …