春眠暁を覚えず【春の詩企画】
ごきげんよう
私の名前は
カイドウミキ
窓際の最後列は
格好の陽だまりだ
うららかな春の日に
開け放たれた窓からは
新入生の元気な掛け声と
青い草花の香りが舞い込む
教壇に立っている先生は
定年間際の世界史教諭
黒板に並ぶ白文字は
眠気を誘う呪文だ
うつらうつらと
次第に意識が
あやふやで
不明瞭に
ZZZ
zzz
いけない
またしても
ノートの上に
ナスカの地上絵
誰も見てないね?
コッソリ涎をぬぐい
シャーペンを走らせる
黒文字が一単語だけ増加
夢から覚めてもまだ夢の中
そんな漢文を前に習った
ような気がするけれど
それも夢だったかな
だんだん瞼が重く
舟を漕ぐ脳内に
アルファ波が
大量に発生
お休みなさい
本作は「春の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2230859/(志茂塚ゆり様の活動報告)