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君は、 誰?

作者: める

あ、笑った。


あんなに優しい笑顔、見たことないや。


1ヶ月前から向かいの校舎の窓辺に座ってる彼の笑顔が、

私は大好きだ。

見ると、こっちも幸せになるような、

純粋な笑顔。


そんな笑顔の素敵な彼に、

私は恋をした。


放課後



「あの。。」


「は、はい? ひゃっ!?」


いきなり声がして、驚いて、顔を見上げて、

また驚く。

それは彼だった。


「やっぱりだ。。」


「な、なにがでしょう?」


「ううん!なんでも無いんだ!」


「ど、どうしたのですか???」


「ははっ」


と彼は笑う。

何でこんな綺麗な笑顔なんだろう。


「緊張させた?ごめんね!」


笑いながら謝る彼。

アイドルみたいな顔でも無い。

世界一かっこいいわけでも無い。

声も普通の男の子の声。

普通の男の子なのに、


笑顔だけは、普通じゃない。


どうして彼に近づく子がいないのか不思議だ。

それどころか、同クラスの友達は、

「そんな人いたっけ?」

とこうだ。

ライバルがいないのは嬉しいけど、

彼が友達といるのを、なぜか見たことが無い。


「なんでだろ?」


「ん?どうしたの??」


あー!声に出てた!どうしよう。。。


「あー、っと。。なんで話しかけたのかなーって?」


「あー。。」





「君と話してみたかったんだ」



え??

えーーーーー?!

彼が?私と?はなしてみたかった???

聞き間違い?いや、違う。

これは事実だ!幸せすぎる。。。


「えっと、、どうしたの???」


「あーううん?なんでもない!

そういえば、どうしてこんな時間に?」


「僕はいつもこの時間学校にいるんだ」


一瞬だが、彼の笑顔が歪んだ。


「そっか」


何故?とは聞けなかった。

何か聞いてはいけないような気がしたから。


「君は?どうしているの?」


「私は、本を借りてきたの!」


「本好きなの??」


「本大好き!漫画とかも好きだけどね」


「実は僕も好き、、た。」


「好きなんだ!どんな本?」


「あ、うん!えっとねー」


その後、1時間程本の話題で盛り上がった。

帰宅を知らせるチャイムが鳴り、

私達は帰ることにした。


「ねえ、一緒に帰らない?」


「僕は、もう少しだけ残るよ」


「私も待ってていい?」


「あーいや、女の子が1人で夜道は危険だよ!

今のうちに帰った方がいい」


「なんか昔の人見たいな事言うね!

同級生じゃないみたいw

でも分かった。今日はこれで」


「じゃあ、気を付けてね」


「うん!じゃね!」



家に着いて初めて、

彼と1時間程話していたにもかかわらず、

連絡先も、いや、


名前でさえも、聞いていないことに気付いた。


いつも上半身どころか顔しか見えない彼に、

恋心を抱く私は、その夜北極星に、恋の成就を祈った。



次の日の放課後、

私は期待を込めて彼を待った。

するとしばらくして、

彼は私の前に現れた。

他愛も無い話で盛り上がって、

帰りはまた1人で。


「また、名前聞くの忘れちゃったな」


毎日、名前を聞くためだけに、

放課後学校で彼を待った。

でも決まって話が弾み、

帰り道で思い出す。


ずっとそれが続いた。


彼の席は向かいの校舎の後ろから2番目の列、

窓際。


私は、学校の昼休みに、行って見ることにした。

彼が出席しているのは、確認済みだ。


コンコン


「すいませーん」


「はーーーーい!!!」


「どうしたんですかー?探し物?」


2-Bの教室に着くと、私達のクラスとは違って

すごく賑やかだった。

ノックした私に、皆話しかけてきて、

ドアの前は大混雑。


「あ、あのー、人を探してて、、」


「「「なんて人??」」」


「名前は知らないんですけど、」


「「「どんな見た目??」」」


「ストレートの黒髪、目が大きくて、

前髪が目に若干被さってて、あとは、、、

笑顔が素敵です!誰よりも、、、あれ?」



いつの間にか静かになっている。

皆私を、信じられない物を見るかのように見ている。


「私、、何か変なこと言った??」


「あーいや。。ごめん」


「その子いないの??」


「ああ、居ない。もう来ないよ。」


「ど、どうして?」


「あいつは来ない。

来れないんだよ。」


どういうことだろう。

昨日はだって、話をして、

えーっとなんの話だっけ、、

あれ、、?

一昨日は何の話をしたっけ?

4日前は、、?

その前は??

初めて会った時は ー


「ちょっとこっち来てやって」


「え?」


案内されたのは、一つの席。

後から2列目の、窓際の席。


今朝、確認した時、

彼が確かに座っていたその席には、


彼の代わりに、花が飾ってあった。


「どう、して、、?」


居たのに。居たはずなのに!

会話もした、いろんな事話した!



いろんな事って、

どんな事だっけ?


いつ話したんだろう、

彼とはいつ出会ったんだっけ?


本を借りた日だ!

あの日借りた本は、彼も好きだった。


幽霊の男の子と、人間の女の子のロマンス。

女の子に一目惚れした幽霊が、

死んでいると悟られないように、

彼女と仲良くなっていくお話。


女の子が気づくのは、


彼のクラスに行った時、、?

花が飾られている彼の机を見て気付くんだ、、


私と同じ、、


あの本の終わりは、

彼女に気づかれて、現世を離れなきゃいけなくなった

幽霊が、最後の瞬間に、

想いを伝えて、それから ー


そうだ!あの本が好きなら、

居るのはあの場所しか無い。

伝えなきゃいけない事、

私にだってあるもの!



「ごめんなさい!失礼しました!」



バンッ


「はぁっ、はぁっ、はっ!」


やっぱり、ここに居た。


「やっぱり、ここが分かったか」


「あの本が好きなら分かるよ」


あの本のラストシーンは、屋上だから。


「言う事、分かってるんだろ?」


「分かってる、と思うけど、」


「けど?」


「やっぱ、言ってほしい、かも」


「そっか」


彼は一呼吸置くと、最高の笑顔で、


「僕は、君が好きだよ」


と言った。


「私もね、あなたが好き」


涙が溢れてくる。

どうしてだろう。別れが来るって、どこかで分かってるから?

両想いで嬉しいから?


「僕はね、ずっと君を見てた。

生きている時もずっと。」


「気づけなくて、ごめんね?」


「僕はね、校庭から出てすぐの道路で死んだ。

交通事故だったんだ。

クラスの皆しか来ない、僕のお葬式に、

君が来ないかなってずっと思ってた。」


「行きたかった、な」


「僕は、君が、君がね、本当に、大好きだ」


「あなたの笑顔も、人柄も、全部、大好きだよ?」


「あの本は、ハッピーエンドなんかじゃ、無いな」


「そう、かもしれないね」


2人で泣きながら、限られた時間の中でたくさん話した。

そして、時間が来たのが分かった。


差し出された彼の手は、

透き通っていた。


「ねえ」


「何、?」


「抱きしめて、くれないか」


返事の代わりに、彼をぎゅっと

抱きしめた。

力を入れれば消えてしまいそうな、

儚い彼を。


「最期は、好きな人と、一緒に居たいんだ」


そう言う彼は、どんどん消えていく。

手も、脚も、何もかも。


「ねえ、いつか、同じ時間を生きる魂になったら、」


「うん」


「私に告白してくれますか?」


「もちろん」


彼の体は光になって行く。

抱きしめる力が弱くなっていく。


「ねえ、あなたの名前は?」


僕は、空 ー


と、彼はとびっきりの笑顔で言って、




消えた。



(ねえ、空、

私と一緒の時代に、生まれ変われたら、


その時は ー


私と、「藍」と


一緒に生きて? )













高校一年生の私は、

好きな人がいます!

名前は宙くん!

笑顔が素敵な、同級生の男の子。

放課後、本を借りて教室にいた私の前に ー


「あ、そ、宙くん?」


「こんにちは。



君は、誰?」


「私は、



愛だよ、

よろしくね、

そら君。」











読んで頂きありがとうございました!

作者が半泣きで書いた物語なので、

無茶苦茶かもです。。。

コメント、レビューめっちゃ嬉しいです!!!

リクエストなどあればどうぞw

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