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ライトノベル・パラドックス  作者: 灰色群青
文才のない文文章の文才のない日常
1/10

プロローグ

青春とはそれすなわちパラドックスである。


パラドックスとは、

1、正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られることを指す言葉である。

2、常識的見解に矛盾するように見える見解、あるいは真理に矛盾するように見えて、実はそうではない説。


非常に分かりにくく、全く意味不明である。

だからここで例題を出してみようと思う。


例えば、張り紙禁止の場所に張り紙禁止と書かれた張り紙をすることはパラドックスではないか?

張り紙をさせないように張り紙をしてしまうのでは本末転倒、矛盾しているということだ。

この場合の答えは簡単だ。

許可証のない張り紙禁止にすればいいだけの話だろう。そもそも張り紙禁止の場所ならばその場所は一体何のためにあるのだろうか?


もう一つ。

例えば、矛盾という言葉の起源である最強の盾と最強の矛の話。

ある商人は客に「これはそんな盾でも貫く最強の矛だ」と。そして続けて「これはどんな矛でも貫けない最強の盾だ」と。客は言った。「ではその矛でその盾をついたらどうなるんだ?」結果誰もその商人からは何も買わなかった。


矛盾。パラドックス。片一方が最強であるならばもう片一方は最強ではなくなってしまうから、どちらも最強であることなどありえないということになる。

この場合の答えも簡単だ。

それを作った鍛冶屋のハンマーが最強。以上。

最強の盾も最強の矛もそれ以上の強度を誇る物体でなければ作ることすら不可能だ。


今までの二つの例に共通することは前提条件が曖昧であるということ。


それを踏まえて、もう少し実例を交えて説明をしてみようと思う。

例えば、好きな女の子がいる男の子がいるとしよう。思春期真っ只中の男の子は大体馬鹿であるからして好きな女の子にちょっかいを出しに行く。その結果好きな女の子に嫌われてしまう。

まさしく矛盾している。パラドックスである。


では素直に男の子は告白をしていた場合、女の子と男の子は果たして付き合うことはできるだろうか。


―答えはノーだ。

だってその女の子が男の子を好きであることは前提条件に含まれていないからである。

ほら、男子諸君。実に受け入れがたい結論だろう?


そしてこの場合の答えは今までより遥かに難易度が高い。

仮に両想いであったなら、リア充死ね!!失礼、取り乱してしまった。

その女の子に別の好きな男の子がいた場合(推奨)、修羅場になること間違いなしだ。ざまあみろ。おっと失礼。またも取り乱してしまった。


早々に決着をつけなければまた取り乱してしまいそうなので結論から言おう。

―とりあえず二次元に逃げろ。ライトノベルでも読むといいさ。


恋愛とは、青春とは、まさしく矛盾の塊である。

大人になりたいけれど子供の心は忘れたくないと言い、彼のことは好きだけれど3人の関係も壊したくないと思い、葛藤と後悔と自己嫌悪で段々と自分でも何をしているのかわからなくなってきてしまったり。


時に、自分の心とは全く正反対の言葉を言ってしまったり。


少し訂正しよう。


―青春ラブコメはそれすなわちパラドックスの塊である。


それでは最後に。

『少女の話す言葉がすべて現実になるとして、その少女が自分の気持ちを相手に伝えるにはどうしたらいいか?』


たとえ相手が好きだとしても、好きと言葉にすることによって自分の心が言葉によって支配されてしまうのではないだろうか。果たしてそれは本当に少女の気持ちといえるのだろうか。


もう一度質問を投げよう。

『少女の話す言葉がすべて現実になるとして、その少女が自分の気持ちを相手に伝えるにはどうしたらいいか?』

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