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女子会


「あらぁ!!!ゴリランヌ帰ってきたのね!!!」

「マーラ様!!只今戻りました!!」

「……誰だ?」

「マーラ様の部下の方で、ゴリランヌ・アフロディーテさんです」




店を閉めた後、隣で働いていたミリア達と話し合うために、マーラの許可を得て武器屋の方に移動してきた。その中に筋骨隆々の男が居た事に驚いたが、マーラの部下と聞いて(無理矢理)納得した。




「じゃあ、少し話をしたいんだが……マーラ、いいか?」




ゴリランヌと呼んでいた男と再会を喜んでいるマーラに話しかけるのは気が引けたが、話が進まないので仕方が無い。マーラはあら、ごめんなさい。と言って椅子に腰かけた。俺も椅子に座り、他の側近たちは俺とマーラの後ろに立つ。




「さて、まずはサミエル達に話しておこう。今日、マーラの店に来た奴からある伯爵邸の護衛を頼まれたので、明日行く事になった」




絶対に反対意見が(主にサミエルから)出るだろうと思い、この話の前に色々と考えていたのだが、意外にも誰一人として反対する者はいなかった。



「………お前達、何か不満はないのか?」




一応、全員の意思を確認するべく問いかけてみるが、全員が全員、いえ全く。と最初から分かっていたかのように口を揃えて言った。そして、代表してサミエルが我々は貴方様に従うまでです。と微笑んだ。




何だ、意外とあっさりだな……うん、面倒がなくて何よりだが、なんだか……拍子抜けだな……




俺は一度咳ばらいをしてから、そうか。と言い、話を続ける。




「それで、その護衛だがこの国でかなり有名なディーレ?伯爵であってるか?」

「あってるわ♡」

「そのディーレ伯爵の自宅を警備することになった。詳しくは明日、伯爵邸で説明があるらしい」




何か質問はあるか?と尋ねると、宜しいですか?と手を挙げたのは、サミエルだった。




「普通に考えて、我々が中を固めた方が効率的には良い気がしますが……」

「向こうの方針だ。今日来た奴にそう言われた」

「そうそう。アヴァニールちゃんの事、弱そうって言ってたわぁ♡」




突然に参加してきたと思ったマーラの発言に、俺は呆気にとられた。まさか、その事をよりによってサミエル達の居る前で言うとは思っていなかったからだ。


マーラは全く悪びれる様子はなく、寧ろ確信犯の様に微笑みを向けている。俺がゆっくりと後ろを振り向くと、サミエル達が物凄い形相をしていたので直ぐに顔を前に戻すと、後ろからサミエルの声が聞こえる。




「……マーラ様。その輩について、詳しくお話を……」

「あぁあぁあ!!もうこんな時間か!!!明日は朝も早いから、もう引き上げるぞ!!」

「あら、アヴァニールちゃん。どうせなら泊まっていきなさないな」




席を立ち、サミエル達の背中を押していると、後ろからマーラの一声が聞こえ足を止める。俺が振り向いて、いいのか?と聞くと、マーラが嬉しそうに全然いいわよぉ♪と言う。




「二階は私達個人の部屋と、客室があるから。全員ちゃんと各部屋で寝れるわよぉ♪」




それに、お部屋ごとにちゃんとシャワーお風呂、トイレは完備よ♪と言うマーラに、それって普通に凄いんじゃないか?と感じた。




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ミリアは、先程割り振られた部屋のベッドで横になっていた。




数分前

『ミリアちゃんは女の子だから、此処のお部屋ね♪』と言ったマーラは、直ぐにサミエル達の部屋の割り振りへと行ってしまった。


その様子を廊下から伺いつつも、ミリアは直ぐに割り振られた部屋のノブへと手を掛けた。部屋に入ると、まず淡いピンク色の絨毯が目に入る。


そのまま奥に入っていくと、左側に扉が二つあった。まず手前にあった扉を開けると、そこはシャワーと風呂がついていた。その隣も開けると、トイレがあった。扉を閉め右側に目を移すと、大きなベッドが一つと備え付けのランプがユラユラと優しい光を灯していた。



「……お菓子、食べたいな」




ミリアは一言呟いてから、大きなベッドに飛び込んだ。柔らかい感触に包まれ、身体が適度に沈むベッドに寝転がったことで、自分の身体が疲れていたことに気が付いた。


寝返りを打ちながら、ミリアが溜息をついた時、部屋のドアがノックされる音を聞き、部屋の扉の前へと移動する。ミリアは扉の前に立ち、聞き耳を立てる。だが、何の音もしてこない。一度扉から離れ、ミリアは腕を組んだ。




「……誰?」

『ミリアちゃん。私、ゴリランヌよ』




聞き覚えのある大人びた女性の様な声に、ミリアは扉を開けた。扉を開けると言っていた通り、目の前にはゴリランヌが立っていた。だがその隣にはもう一人、モコモコとした服に身を包むセバスチャンの姿があった。服のイメージは羊か何かだろうか。セバスチャンの角に合った服だ。




「こんばんわミリアさん!!俺はゴリ姉さんに誘われてきたっス!!」

「私も居るわよぉ♡」




続けて声を上げたのは、マーラだ。だが、その姿が見当たらずミリアが目を彷徨わせていると、此処よ♡とゴリランヌの肩からヒョコリと顔を出した。




「ごめんなさいねぇ。此処じゃ何だから、ミリアちゃん。入ってもいいかしら?」




此処を借りている身で、しかも魔王直々に頼まれれば断るわけにもいかない。ミリアはどうぞ。と声をかけてから、マーラ達を部屋に入れた。





「それで、何か用ですか?」




そう言いながらミリアは床に腰を下ろした。此処には椅子も机もないので、仕方が無い。マーラは普通にベッドに座ったが、何故かその隣にセバスチャンが座っていた。




(魔王と同じ位置に、しかも隣に座るなんて……この子大丈夫なのか)

「あらやだ!!ミリアちゃん何で床に座ってるの!?コッチいらっしゃいな」




言いながら自分の座るベッドの隣をポンポンと叩いて見せるマーラに、ミリアはたじろぐ。魔王の隣に座るという行為が、どれ程の事か。


全魔族における頂点である魔王。考えるだけでも恐れ多い。ミリアがそれを気にしていると分かったのか、マーラが大丈夫よぉと笑った。




「今は身分なんて関係ないし、それに誰も見てない。乙女達の秘密よ♪」




ウインクをしてきたマーラを見た後に改めて隣に座るセバスチャンを見ると、セバスチャンはマーラの腕を取り、マーラ様お肌すべすべっス~、と擦り寄っていた。


この子は何処まで魔王に対しての尊敬の念があるのかと気になっていると、同じく床に座っていたゴリランヌが、ミリアの背中を優しく押した。




「ほら、いってらっしゃいな」

「えっ、で、でも……」

「私はいいのよ。私があのベッドに乗ったら壊れちゃうもの」




そういう事が言いたかったのではないのだが……と思うが、此処で断ったら折角のゴリランヌの好意を断る事になる。そこまで考えて、ミリアは仕方なく立ち上がりマーラの隣に座った。




「フフッ♡ミリアちゃんは本当にお人形さんみたいで、可愛いわねぇ♡」

「ど、どうも……」

「さて!!女子トーク始めるわよぉ~!!」

「……えっ?これからですか!?」

「勿論!!折角女の子が来たんだし!!夜はやっぱり女子トークに限るわぁ~♪」




さぁ、始めましょ♪と楽しそうに微笑むマーラの女子トーク会は、明け方まで続くのだった。



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