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未練を残して死んだら魔王に転生させられました。  作者: 夘月
第一章 魔王と仲間
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捕獲


任意発動能力アクティブスキル隷属刻印スティグマ




言いながらレイピアの剣先を地面に軽くつけると、無数の黒い手が地面から生え、マンティコアに向かっていきマンティコアの動きを止めた。マンティコアを捕らえた後も伸び続ける無数の黒い手は、かなり気持ちが悪い。しばらくその黒い手を見ていると、その中の一つの手がマンティコアの首筋に何か紋様を刻み始めた。




黒い手に握られた筆のようなものは、赤く光っている。黒い手はその筆のようなものを使って複雑な紋様を描いていく。その筆で描かれた紋様は、描いた所から首筋に染み込んでいく。マンティコアは拘束されている身体を左右に揺すったり、羽をバタつかせているが拘束している黒い手は無数にあるので、5・6本消したところで何の意味も持たない。マンティコアが無意味な行動をしている中、首筋の紋様が一段と光り、消えた。





すると、拘束の解けたマンティコアは此方を見ると走って来た。俺に突進する勢いで走って来るマンティコアはその勢いのまま、前足を大きく振り上げた。だが、その攻撃が俺にあたる事はなかった。マンティコアは俺の目の前で止まり、そのまま横に倒れたのだ。




突然の事に驚きつつ、俺は倒れたマンティコアの顔を覗き込む。その表情は戦う前と同じ可愛らしいものへと変わっていた。すやすやと寝息を立てている事から、眠っているらしい。




眠った?なんでだ?




その俺の疑問に答えたのは、強欲だった。




『……隷属刻印スティグマハ、一度結ブト、主ト相手ノ共有化ヲ行ウ。共有化スル事ニヨリ、コノ魔獣ハ更ニ力ヲ得ル。ソシテ、主従関係ヘトナリ、コノ魔獣ノ抑制、制御ナドヲ、可能ニスル』



なるほど、……つまり?



『……隷属刻印スティグマハ、主トコノ魔獣ヲ繋グ、リードノ役割ヲ果タシ、ソノリードヲ通ジ、魔力ノ受ケ渡シガ可能。魔獣ノ勝手ナ行動ヲ抑制デキル。今ハ、ソノリードヲ、構築シテイル』



そうか、なるほど。




分かりやすく解説してくれた強欲に、感謝を伝えようと名前を呼ぼうとするが、そう言えば俺は名前を聞いていなかったな、と思い強欲に尋ねた。





そう言えばお前、名前はあるのか?



『……強欲。ソレ以外ノ呼ビ名ハ、持チ合ワセテ、イナイ』



それだと何か悲しいな。……そうだ、グリーキィはどうだ?



『……心得タ』





俺の付けた名前をすんなりと受け入れると、グリーキィは俺の手からフワリと消えた。前に使った大剣も突如手から消えた時には焦ったが、あの黒い空間に戻っただけという事はこの間、何となく開いた時に確認済みだ。あの空間の便利なところは、色々な物が収納できるだけでなく、こうして使い終わると自動的に収納される事だろう。




「……終わったー。なんだか、凄い疲れた、気がする……」

「アヴァニール様!!大丈夫ですか!?お怪我は御座いませんか??」




身体に今までの疲れが襲い、俺が地面に座り込んだ瞬間にミリアが此方にかけて来た。ミリアは座る俺の周りをグルグルと回り、俺の身体に傷がないか確かめる。




「あぁ、俺は大丈夫だ。それより……コイツ、いつ起きるか分かるか?」

「あっはいっ。……そうですね、この様子ですと暫くは目を覚まさないと思います」




ミリアは俺を見て話した後、またマンティコアに向き直った。そして、聞き取れるぎりぎりの声量で可愛い……と呟いた。




「ミリアは可愛いのが好きなのか?」

「は、はい!可愛いものは何でも好きです!」

「ははっ、そうか。俺もミリアのそういう所が可愛くて好きだぞ」




俺がそう言うと、ミリアは今にも倒れてしまうのではないかと思う位に顔を紅潮させ、何か口を上下に動かしていた。




「どうしたミリア?あぁ、やっぱり暑いか此処。仕事も済んだし、さっさとグラドの城に……と、そうだ。あの三人は……何やってんだ、あいつら」




俺がそう言いながら立ち上がり、待機命令を出していた三人を見ると何やらサミエルが縄で巻かれ、その上にラオルが乗っかり押さえつけている。ロウは、目を回しているようだったが二人に何かを語り掛けているようだった。









「………で?なんでああなってたんだ?」




俺はミリアを連れて三人の元へと移動すると、三人を正座させ事情聴取を始めた。三人の中で一番最初に話し始めたのは、ロウだ。




「あの……サミエル、さんが戦いに、参戦しようとして……それをラオルさんが止めて……サミエル、さんを縛り上げたのは良かったんですけど……抜け出そうとしたから、仕方なく」

「それは本当か?ラオル」




一番左側に居たラオルに問いかけると、ラオルは一度だけ頭を縦に振った。ラオルの顔は、何故か申し訳なさそうな表情だった。




「ラオル、お前はよくやった。だからそんな顔はしなくていい」




俺はできるだけ優しい口調でラオルの頭を撫でた。すると、ラオルの表情が一変した。布で顔の半分以上が隠れているが、その表情は喜びに満ちていた。




「さて。サミエル、取り敢えず罰として……アレ、グラドの城まで運べ」

「あ、あれをですか!それは」

「いいから、運べ」




そう言って俺は眠っているマンティコアを指さし、サミエルに反論の余地を与えずに帰り道を歩き出した。



新キャラの案とか降ってきてほしいですね……あと、キャラ設定とか……。

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