王様の悪巧み(その3)
「あぁ、シャーロットな」
「あの時は、本当に何事かと思いましたよ」
思い切りため息をついたのに、相手はさして気にした様子もない。
「そうか?あれ、面白いだろ?」
「貴方の思い切りの良さには、常に驚かされます」
「悪いな、褒めても何も出ないぞ」
「褒めてません」
うんざりしたように呟いて、ひらひらと写真を振ってみせた。
「それで、どうしますか?」
「どう?」
「あまり、集団行動に向いているタイプではないと思いますが」
口にしてから、嫌なことに思い至って眉を顰める。
その変化を見逃さず、彼は楽しそうに笑った。
「集団行動に向く人間は、選考には残らないだろ?」
「そう、ですね」
実際あとの二人を考えるとあながち間違いとは言えないところが痛い。
再度深いため息を零すと、小さく肩を叩かれた。
「そういうわけだ。決定な」
「解りました」
「で、次は?」
男が書類につけられた写真を無言で示すと、彼は僅かに目を見張る。
「あぁ、こいつか」
「王。もしかして全校生徒の顔を覚えてますか?」
僅かに目を細めると、相手は驚いたように目を瞬いた。
「いえ、なんでも」
「あのな、俺が二つ名つけるんだぜ? 正規入学してるやつはみんな解るに決まってる」
頭の後ろで手を組んで、彼は行儀悪く机の上に足を乗せる。
それすら気にならないほどぽかんとした男に、相手はひらひらと手を振った。
「ほら、さっさとしろよ。三人目は、アンノルムの唱詠いだろ」
蛍灯 もゆる でした。
次は、尻切レ蜻蛉です。どうぞ!




