1/15
王様の悪巧み(その1)
これは、そらみみによるリレー小説です。
執務室の扉を叩いて、男は無造作に紙束に目を落とす。
学園から届いたそれは、国王の所望したものだ。
「入れ」
「失礼します」
「届いたのか?」
促されるままに渡すものの、男の表情は浮かない。
「王、本当によろしいのですか?」
「よろしいも何も、お前が選び出したのだろうが」
「それはそうですが。数字の上でのことだけで、人となりで選んだわけではありませんよ?」
いくつものデータを算出して、最終的にこの4枚に絞り込んだのは他ならぬ男の仕事だ。
「なんとかなりそうな確率で算出したんだろう?なら、問題あるまい」
「いえ、そうなんですが」
「まどろっこしいな。これで良い。俺が良いといったからいい。お前に責任を負わせるようなまねはしないから、気にしないで説明してくれ」
「気にしますよ。全くもう」
息をついて、男は並べられた4枚の紙に恨めし気に目を落とす。
「時間がないのも事実だからな。まず、一人目だ。前衛な」
「解りました。一人目は、アカツキの英雄。騎士です」
今回の執筆は、蛍灯 もゆる だよ。
次は、カラクリカラクリ。どうぞ!