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極東戦記  作者: ATD-X
1.日常編
9/66

第八話「演習」

今回は長めです。

4月25日

陸上自衛軍

北富士演習場

AM11;50

<町田耕哉三等陸曹。>


今日俺達は北富士演習場で演習を始めようとしている。今回の訓練は部隊訓練評価隊と模擬戦をするとの事。詳しいことはまだ説明されていない。この演習の規模は基本的に中隊規模なので前半、後半の二日に分けて訓練を行うことになっている。PM12:00~PM6:00まで訓練をやるつもりだ。

ちなみに、この北富士演習場は1936年に旧日本軍が開設し、その後米軍に接収され日本に返還され、現在は陸上自衛軍が実弾演習を中心に使用している。面積は約4600ヘクタール。9割以上が国有地だが現地の住民が江戸時代から薪や山菜を採るために立ち入ってきた入会慣習を理由に補償を求めている。



土屋「おまえら、用意は出来たか?。」


第1班班長「第1班、準備完了しました。」


第2版班長「第2班、いつでも行けます。」


町田「第3班、準備完了。」


第4班班長「第4班、大丈夫です。」


第5班班長「第5班、準備良し。」


第6班班長「第6班、用意できました。」


土屋「よし、こちら第4小隊。準備を完了。指示を請う。」


土屋小隊長が無線で報告している。


山崎「何か少し緊張する。」


町田「今年に入って始めてこの演習場を使うからか?。」


山崎「さぁな。」



なんとも言えない空気が流れた後、今回の中隊本部に行き訓練状況の説明が行われた。



中隊長「今回の訓練状況は掃討だ。最初は隠れた敵戦車の発見、及び破壊。その後に敵兵を掃討。目標を壊滅状態にしろ。」



なんて厄介な状況なんだ。言葉で言うには簡単だが隠れた敵の掃討って結構難しいんだぞ。

例えば1996年に韓国でおきた江陵浸透事件で韓国に北朝鮮の小型潜水艦が座礁。乗員26名のうち11名が自決。15人が逃亡した。この15人を掃討するために軍と警察を合わせて6万人動員して一年分の弾薬を消費し、掃討開始から完了までに50日もかかったそうだ。

・・・・中隊規模のゲリラを中隊規模で掃討するなんて無理だろ。


中隊長「今から10分後に訓練を開始する。準備はいいな?。」


「「「「「「了解!。」」」」」」





~訓練開始~


PM12:43




西山「戦車はいずこ、戦車はいずや~♪。」


南「おい、変な歌歌うな。」


山崎「お前ら、まじめにやれ。」



さて、現在俺たちは戦車の捜索をしている。現在の編成は俺と山崎と田中が小銃手、弓川が機関銃手、南が無線手、西山が対戦車手だ。ちなみに今使っている訓練教材は従来の弾丸の当たり判定だけじゃなく車両や手榴弾の爆発にも反応し戦死判定を受けると音が鳴るものらしい。



町田「油断するなよ。どこに潜んでいるか分からないからな。」



南の無線からは敵との会敵の報告は小規模なものが2,3件あっただけとの事。

手に持っている89式小銃が重く感じる。

・・・・静かだ。



弓川「班長。」


町田「どうした?。」



双眼鏡を覗いたまま弓川が声をかけた。



弓川「敵戦車1と随伴歩兵12を発見。」



ビンゴ!。



町田「でかした!。南、本部に連絡。」


南「了解。」



さて、どう戦車を撃破するか。周辺に部隊がいれば挟撃できるが・・・・・

いなければ一撃離脱だな。



南「班長。うちの小隊の第四班が近くにいるそうです。」


町田「連絡を取れ。」



これで挟撃が出来るかな。後は位置だが――――――



南「繋がりました。」


町田「よし、変われ。」



南が持っている無線機を取り第5班と連絡を取った。



第四班「こちら第四班班長の結城。聞こえるか。」



第四班班長。結城一矢ゆうきかずや陸曹長。

うちの分隊長である。



町田「こちらは第3班班長の町田です。しかし改めて紹介することは無いと思いますが・・・。まぁいいか、早速だがそっちはどこにいるんですか?。」


結城「こっちは前から見て、敵戦車の左後方にいる。」



結構後ろだな。・・・・・よし。



町田「こちらはそちらよりかなり前のほうにいます。先回りをして奴らを挟み撃ちにしましょう。配置を完了したら連絡をください。」


結城「了解。」


通信が切れた。


町田「みんな、今の聞いたな。」


全員が首を縦に振る。


町田「よし、今すぐ準備に取り掛かれ。」


「「「了解。」」」




~5分後~


南「第四班から連絡がありました。」


南の報告を聞いた俺は無線機を取った。


町田「第四班、聞こえますか?。」


結城「こちら第四班。よく聞こえる。」


町田「合図をしたら一気に撃ってください。」


結城「了解。」


道の向こうから歩兵を先行させている戦車《標的》が近づいてくる。



3―――――――


カチャカチャと音が聞こえる。


2―――――――


西山が無反動砲―――――MRR(多目的ガンの愛称のひとつ)を構えてるのが、見える。


1―――――――


そして奇妙な静寂に包まれる


0―――――――!


町田「撃てぇ!。」


いっせいに引き金を引く。

たちまち戦死判定の音が鳴る敵戦車と敵歩兵。

奇襲成功、敵戦車と敵歩兵の沈黙を確認。

と、口に出そうとしたらブラストから通信がきた。


結城「やったな、作戦成功だ!。」


どうやら向こうもかなり喜んでいるらしい。


町田「はい、この調子d「ビーーーーーーー」、はぁ?。」


いきなり戦死判定のブザー音がなった。いや、よく見てみると俺たちがなっているわけではない。

何が?、と周囲を見回すとライフルを構えた隊員がいた。どうやら敵役らしい。


敵役「ちっ、運がよかったな。」


そういってそいつは消えた。


結城「おい、大丈夫か。」


と無線から結城の声が聞こえた。


町田「あ、あぁ。」


結城「ったく感謝しろよ。うちの狙撃手がいなかったら今頃戦死判定だぞ。」


町田「あぁ、そのスナイパーにお礼を言っといてください。」


結城「そんじゃk「ビーーーーーー」ゑ?。」


・・・え、やられた?。

まずい!


町田「そ、総員退「ビーーーーーー!」」


こっちでブザーが鳴った。しかも全員。

山崎が呟いた一言が今の俺たちの心境を物語っていた。


山崎「なんてこったい。」



~訓練終了~




土屋「お前ら、一時間もしないうちに戦死判定とはな・・・・・。」


さぁ、やってまいりました。土屋竜介のO☆SI☆KA☆RI☆TIME!。

・・・・何か憂鬱だ。今いるのは結城の班と俺の班全員だ。


土屋「俺は今まで一時間持たずにやられるような訓練をした覚えないのだが。」


まずい、このままでは、間違いなく何か懲罰が・・・・・。マジでヤバイ


土屋「だが、一回の攻撃で敵の部隊を殲滅したのはほめてやろう。新人にしてはよくやった。」


へ?。


土屋「今回の訓練で改善点を見つけ出し俺に報告しろ。以上!。」


土屋小隊長はそう締めくくって出て行った。

・・・・・意外だ。


結城「ま、まぁこんなときもあるさ。それじゃ、それぞれ反省会と行こう。」


そう言って班員を連れて戻ろうとした時俺はあることを思い出した。


町田「あ。」


結城「どうした?。」


町田「忘れてました、戦死直前に出てきた敵役を狙撃した――――――」


結城「あぁ、それか。おい神楽。」


???「は~い。」


返事があり小柄な女性隊員が駆けてきた。

・・・・結構胸でかいな。


結城「こいつがうちの班のスナイパー、神楽かみらく れん陸士長だ。

今月うちの班に配属されたばかりの新人だ。」


そう紹介された後、ぺこりとお辞儀をした、神楽陸士長。


町田「始めまして。俺は町田耕哉三等陸曹だ。奇襲を防いでくれてありがとう。」


神楽「始めまして~。でも2回目は撃ち洩らしてしまいましたよ。」


町田「いや、それでも俺たちでさえ気づかなかったのに遠くにいた君が擬態に気づいたんだ。それは誇っていいと思うよ。」


神楽「いやぁ~、照れますね~。」



そう言いながら頭をかく神楽陸士長。

・・・・癒される。



町田「おい、結城曹長。こいつがほんとにやったんですか?。」


結城「あぁ、やったよ。」



こんなほんわかした雰囲気を持ち、そして今月配属されたばかりの子がスナイパーだなんて。



町田「信じられない。」


結城「こいつ狙撃中を持つと雰囲気が変わるんだぜ。」


町田「うそだ。」


結城「俺たちの小隊では結構有名だぞ、知らないのか。・・・いや知らんのも無理は無いか。」



そんな漫画みたいな話があるとはな・・・。



町田「毎日へまを五回ぐらいしてますから。しかしほんとに信じられん。」


結城「この世の中、ありえないなんて事はありえないんだぜ。」


と言ってどや顔をする結城。


町田「・・・・・・・。」


結城「・・・・・・・。」










町田「とにかく早いとこ改善点を見つけてさっさと飯にしましょう。」


結城「そうだな。」


そういって結城は神楽を連れてほかの班員とともにどこかへ行った。


町田「よし、俺たちも改善点を見つけるぞ。」


「「「了解。」」」


俺たちは部隊訓練評価隊の元へと向かった。

次回は海自の日常を。その後は某国と交戦状態になります。

が、次回の更新は遅れるかもしれません。

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