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極東戦記  作者: ATD-X
1.日常編
8/66

第七話「領空」

空中戦も難しい。

二月十日

十六時二十六分

航空自衛軍那覇基地

<鷲田雄大三等空尉>



ウゥ~ウゥ~。


けたたましいサイレンが鳴った瞬間、俺は座っていたソファーから立ち上がり走り出した。

そして機体についたあと機体に乗り、異常が無いかチェックした後、僚機とともに出撃し、

出撃した後に管制塔と連絡を取り合った


鷲田「カフー4よりハウス《管制塔》。現在高度1万6千フィートを。」


管制塔「ハウスよりカフー4、高度2万フィートまで上昇後2万フィートを維持せよ。


鷲田「了解。」


管制塔との無線を切った後、まもなく僚機から通信がきた。



「まったく、よくあきないね中国さん。今月に入って何回目だっけ?。イーグル。」



今無線で俺に話しかけているのは隊長機の尾咲おざき まい二等空尉。俺の幼馴染でもあり2期上の先輩でも有る。那覇基地の数少ない女性パイロットの一人だ。タックネーム(航空機パイロットが持つ非公式の愛称。特に命名規則は無く、実態は子供同士のニックネームと大差ない。)はテイルだ。ちなみにイーグルとは、俺のタックネームだ。



鷲田「知りません。つか、スクランブル中はコールサインで呼べって言われてたんじゃ。」


尾咲「あ、そうだ。この間おいしそうなお店を見つけたんだ。でもお金が無いから一緒に行こ~。」


鷲田「無視かよ。金ぐらい自分で何とかしてください。それと俺は行きません。」


尾咲「あ、ひど~い。レディに奢らせるつもり?。」


鷲田「・・・・・・・・・俺は行かないといったはずだが。」



いささか、出撃中なのにずいぶんと緊張感に欠ける会話だと思う人が居ると思うが、これはスクランブル中の緊張をなくすためのものなのだ。

実はもうひとつ有る。それは暇つぶしだ。疑問に思う人が居ると思うが何しろ目標空域に到達するまではほとんど何も無く、そして時間がかかる。しかも戦闘機のコクピットは意外に狭く標準的な射出座席でも幅は約50センチメートルなので軽く体操、なんて事をしたらうっかりフットペダルや操縦桿に力がかかりとんでもない事になるためにこんな会話をしているのだ。

そうこうしている内に目標が見えてきた。



尾咲「カフー4、機種は何?。」


鷲田「機種はJ-10 。」


管制塔「ハウスよりカフー隊へ機種の確認は終了したか。」


鷲田「カフー4よりハウスへ。機種はJ-10 。国籍は中国。数は2機。」


管制塔「了解。いつもどおり歓迎してやれ。」


鷲田/尾咲「了解。」



俺たちはJ-10 へ接近した。

まずは尾咲二曹が日本語で警告。



尾咲「こちら日本国航空自衛軍。貴機がこのままの進路で進むとわが国の領空に進入する恐れがある。速やかに進路を変更しろ。」



・・・・相手からの応答は無い。

今度は英語で警告した。


~僕には英語能力がありませんので脳内で英語に変換してください~ByATD-X



尾咲「こちら日本国航空自衛軍。貴機がこのままの進路で進むとわが国の領空に進入する恐れがある。速やかに進路を変更しろ。」



・・・やっぱり反応が無い。

今度は中国語で・・・っておい!。

なんだ!?。突然中国軍機が急旋回したぞ。ヤバイ。このままでは後ろを取られる。



尾咲「どうしたっていうのよ!?。いったい!。」


鷲田「知りません!、とにかく後ろを取られたくなけりゃ死ぬ気で振り切ってください!。」



尾咲から通信が入ったが、悠長に通信に答えてる時間は無いので無線を切る。

・・・・・・やはり威嚇射撃をするしかないか。そう思い管制塔に連絡した。



鷲田「カフー4よりハウスへ。ターゲットが突然後ろを取りに来た。威嚇射撃の許可を!。」


管制塔「ハウスよりカフー4へ。射撃を許可する。」


鷲田「了解。」



(とは言えヤバイな。何とかしないと。)


そんなことを考えていると尾咲から通信が来た。



尾咲「カフー4、奴らの後ろを取るわよ!。」


鷲田「その後は?。」


尾咲「後ろを取った後に撃つ。」


鷲田「OK。」



そして通信を切られた。



鷲田「よっしゃ、行くぜ。」


俺は操縦桿を倒しマイナス45度バンクに移り、高度を速度に変える。

そして、フラップを全開にし急旋回。かなりのGが掛かるも何とか後ろを取った。

ふと、尾方空士長のほうを見ると向こうも後ろを取ることに成功していた。

M61を選択して射撃。曳航弾がJ-10の横を通過する。

尾咲が今度は中国語で警告する。

~僕には中国語能力がありませんので脳内で中国語に変換してください~ByATD-X


尾咲「こちら日本国航空自衛軍。貴機がこのままの進路で進むとわが国の領空に進入する恐れがある。速やかに進路を変更しろ。繰り返す、こちら日本国航空自衛軍。貴機がこのままの進路で進むとわが国の領空に進入する恐れがある。速やかに進路を変更しろ。」



と、中国軍機がやっと反応した。(ただし、バンクだけだが。)そして中国の方へ帰還した。



鷲田「ふぅ、やっと終わった。」


尾咲「カフー小隊よりハウス。当該機が防空識別件を離れた。」


管制塔「ハウスよりカフー隊。こちらでも確認した。直ちに帰還せよ。」


鷲田/尾咲「了解。」



こうして俺たちは基地の方角へ飛び去った。

十月九日、やっぱり飛行小隊を四機編成に変更。

カフーというコールサインは沖縄を舞台にした映画、カフーを待ちわびてからきています。

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