第五十四話「ROKNは衰退するようです」
なんと言うことでしょう。軌跡の一ヶ月以内更新
ATD-Xです。
「そして、前回より引き続き呼ばれた鷲田だ。」
ぶっちゃけ戦闘の大半が本州なもんで沖縄の空自である鷲田さんは出番がありません。
まぁ、その代わり日常サイドで優遇しようと思いますが。
「それで前回の日常パートでは優遇されなかったわけだが」
ほんとにどうしましょう。
「ところで、作者よ」
はい?
「就職活動の方はどうだ?」
はい。詳しいことは後書きで言いますが、大体大丈夫です。
ちなみに今回は独島が相当閣下するそうです。
「おい。誤字があるぞ」
大丈夫です。仕様です
それでは、第五十四話どうぞ。
六月三十日
八時四十八分
釜山 海軍作戦司令部
<李正憲中将>
私は電話で海軍長官と連絡を取り先日の海戦について話し合っていた。
「一体どういうことです!。日本の災害を連絡しないとは!?」
バンッと机を叩く音がそう広くはない執務室に響く。だが、私はそんな細かいところを気にする余裕はない。
私はそれほど激怒している。
「李中将。君の言い分もわからなくはない。我が国と戦闘開始直後に太平洋で災害が発生。まさに泣きっ面に蜂だ。自分で魚雷攻撃を行った倭奴どもにはふさわしいと思わんかね?」
海軍長官はそう言って反論した。
「だからと言って――――」
「それに、結局は向こうから攻撃したんだぞ?。言っておくが、政府は魚雷攻撃命令を出していないぞ」
「それは、ほんとですか!?。」
この話は私を驚愕させた。まず、私は日本が我が国に圧力をかけ、その影響で経済などが停滞させ戦争を起こさざるを得ない状況にする。日本は座して待っていればこちらがかってに攻撃を開始し韓国の魔の手から国民を守るという名目で戦争が勃発。国力のごり押しで日本が容易に勝つを想定していた。
そのため発砲やレーダー照射などは行わないように艦隊に通達していた。が、勝手に魚雷を発射されていたことから海軍の上層部が絡んでいたと思ったのだが…
「ああ。もしやるなら魚雷を斉射するくらいは行わせるさ」
「いや、しかし…」
「報告は終わった。君への処分は追って連絡する。」
「・・・失礼しました。」
執務室を出てため息をつく。この後にも予定があるので、そのまま司令部を出る。
途中でやっかみとかの視線を受けながら車に乗る。しかし、処分か・・・。確かにあの損害なら仕方ないだろう。
向こうは航空機二機と護衛艦一隻。対してこちらは今分かっている被害だけでフリゲート五隻、駆逐艦が二隻撃沈。潜水艦が四隻、イージス艦一隻が大破。独島も中破し、主力艦の大半はドック入りが決定している。
「はぁ、憂鬱だ」
車窓を見ながら私は深いため息をついた。
同時刻
プサン
第四艦隊旗艦
独島 予備会議室
<独島艇魂、一号艇>
「それでは、今回の損害について報告します。」
その言葉を聞いた直後ガチャリとドアが開き艦魂が入ってくる。あの艦魂はフリゲートの馬山さんだ。しかし、誰も、そちらには視線を向けず、広開土大王さんの報告を聞いている。広開土大王さんは本来なら第1艦隊旗艦でここにいないはずだが、先の先頭で大半の主力艦艇がやられた我が艦隊の応援として、この場にいる。
因みに昨日の海戦では第一艦隊事態は出撃していたが、敵に競って記することはかなわず、逆に敵のF-2やタイフーンの対艦ミサイルによりフリゲートが二隻、コルベット六隻が撃沈。広開土大王さん中破するという被害を蒙っていた。
「我が軍の損害は蔚山フリゲート六隻、李舜臣級駆逐艦の大祚栄が撃沈し他二隻が大破し一隻が小破。広開土大王型駆逐艦の楊万春が撃沈。潜水艦は四隻撃沈。世宗大王級は世宗大王が撃沈しそれ以外は中破。独島さんの艦体も小破と、艦の大半はドック入りが決定。幸いなことに重要な艦艇は損害が予想より少なく、かねてから推測されていた期間より復帰できるそうです。」
この報告は独島さんにとっても僥倖だろう。例えるならライト級の初心者がヘヴィー級のベテランボクサーと試合をし満身創痍になりながらギリギリKOは盗られなかった奇跡が起きた事と同義だと思う。
ちなみにこの会議には大破判定を受けている艦以外は全員参加している。大破判定を受けたのは李舜臣さんと文武大王さんのみ。あとは全員参加している。
「そう。上層部から早期に戦力回復するようにと引っつかれてるんだけど、どのくらい掛かりそう?」
「そのことですが・・・西厓柳成龍。説明を」
部屋の空気が嫌なものになった気がする。この奇妙な沈黙を破るかのように西厓柳成龍さんが口火を切った。
「我が艦隊が完全に回復するのは来年。最悪五年以上かかります。
臨時予算は財務省により却下され、補充どころか修理もままなりません」
・・・とんでもない報告に、独島さんの怒りが爆発しそうになっている。表情こそ無表情だが瞳の奥怒りに燃えているのが分かる。震えながら手に持っていたペンを置いて、この部屋にいる艦魂、艇魂にこう言った。
「王建、西厓柳成龍、栗谷李珥、姜邯賛。今言った艦魂以外は全員で出て行きなさい」
感情が感じられない独島さんの声…いや、命令を聞いた私たちは、命令どおりに部屋から出た。あわてずに、速やかに。
部屋から最後の人が出て、ドアを閉めた直後に独島さんの怒声が聞こえてきた。
「一体全体どうなってるのよ!!。こんなの絶対おかしいよ!!」
何か今にも泣きそうではある。まぁ、上層部があんな状態なのだから仕方ないといえば仕方ないが…
「第一、ミサイルの数こそ八割充足してるけど、それ以外の損傷とかは全く修理されていない!
航空機も私はともかく、他の艦艇のヘリは今だ、防錆処理のされていないヘリコプターのみ
こんなのじゃ機動部隊なんて夢のまた夢。
戦力が充実していないにもかかわらず部下を出す上層部なんて大っ嫌いだ!」
「しかし、先に撃ったのは向こうで・・・」
王建さんが反論をする。しかし、その反論を打ち消すかのように独島さんがほえた。
「そこは今問題じゃないわよ!。問題は何でその状態で出したってことよバカ!!」
「それは第四艦隊の初陣にふさわしいと考えたからで」
「初陣も何も戦力が整っていない状態で前線に出すバカはこの国以外いないわよ!」
そして、何かを激しく叩きつける音が聞こえた瞬間。独島さんの悪態が聞こえた
「ちくしょうめ!。」
そして、再び独島さんの怒声が続く
「第一わが国は反日に凝りかたまるあまり自分達の国力がどんな者か分かっていない!
政府が反日行為を行えば投票が手に入ると積極的に行ったのよ。
建国当初にこの国は親日派を弾圧し、真実を自分の都合のいい方向に捻じ曲げ日本にたかり続けた。」
貯まっていた鬱憤を吐き出すかのような怒声は日ごろの独島さんの印象を大きく変える。
「国民はそれに疑問を持たずに理不尽なまでに日本を叩きまくりそして、政府の都合の悪いことや自分たちの悪いことを全て日本のせいにした。そして、五十年以上それを続けた結果がこれよ。自分達の努力が全く足らなかった」
確かに足らなかったといえば足らなかったし反日に凝り固まっているといえば凝り固まっていた。陸軍ではパットン戦車以降のK-1やK-2やAFVや個人装備に不具合がたくさんあった。
K-1戦車は性能は充分だったが様々な不具合を抱えていた。それなのに日本の90式戦車に即発されて無理やり120mm滑腔砲を搭載したK1A1を採用した結果不具合がさらに増加。次世代戦車といわれたK-2に至ってはドイツ製のパワーパックを使用したが、勝手に分解し複製したものをしよう。見事に不具合が続出し、勝手に分解した手前ドイツ製のパワーパックを言い値で買う羽目になった。
が、それ以外にも不具合があったりして、結局不具合は完全に修復されずに去年から量産がスタートした。個人装備に至っては軍靴は支給されないわ戦闘服が日本のコレクターの手に渡るわ大抵の消火器に不具合が生じる等、えらいことになっている。水陸両用装甲車に至っては水没したりしている。
「こんなのじゃ北の新参者に笑われるわよ。あの金正雲にね!」
よくよく考えてみたら北の兵器は旧式で性能も低いが、確実に動作する。戦争になれば…危険だな。
「えぇ。正直なところ私はこの戦いで沈むと確信していたのよ。それを中将や艦長達の必死の努力で回避された。反日ではなく知日派の努力よ?」
そういえば、空軍もF-15Kの手入れが雑で不具合が出て至っていうニュースをやってたな。KF-Xも予算不足で停滞しているらしい。
やはり身の丈のあっている軍備が一番だな。
「そうよ・・・政府が怠慢している間にあの人たちは血を吐く思いでがんばったのよ。胃がグルグル言うまでね!」
…なんだか、艦長達に国を任せたほうがいい気がしてきた。
「艦長の引き出しには胃薬と栄養ドリンクがたくさん入っていてゴミ箱に空き瓶や空き箱もたくさん有ったわよ!。」
確かに艦長さんたちはがんばっていると思う。噂によれば医者から寿命が縮むから働くなといわれたとか。
そんなうわさが流れるほどに艦長は働いていたのだ。
「艦長の机の上に何があると思う? 一昨年に初孫と最後に撮った家族旅行の時の記念写真よ! 艦長は自分を犠牲にしてまで私たちに尽くしているのよ!。」
途中で盛大に道筋がずれてしまっている。興奮するとああなるのは独島さんの悪い癖だ。隣では新任の三号艇の艇魂が泣いている。独島さんの怒鳴り声は怖いからね。泣くのは無理もない。
「大丈夫。独島さんは国の上層部に怒っているだけだから」
暫くの間、気まずい沈黙が流れる。そして、耳を澄まさないと聞こえないほど小さな声が部屋の中から聞こえてきた。
「・・・ごめんなさい。話がずれたわね。」
その言葉に対する反応はナシ。再び奇妙な沈黙が場を覆う。
「ちょっと報告内容の問題さに切れちゃったみたい・・・はぁ。少し頭を冷やすわ」
消沈しきった声が部屋の中から聞こえる。
「今から一時間後に報告を再開しましょう。外の艦魂たちにも伝えて頂戴。」
そう言って、大きなため息を一回吐く。
「どうしてこうなった・・・」
その呟きを聞いた後、どうするか暫く考える。しかし、考え始めた直後にへやから艦魂たちが出てきた。
そして、広開土大王さんが外にいた私たちにこう告げた。
「・・・一時間後に報告を開始する。出席を希望するものは一時間後に集合しろ」
そういい残して、自分達の艦へと戻っていった。私は、すぐさま、お茶を取りに艦内の調理室に転移した。
「なるほど。例の動画のパロディだから相当閣下と」
YES!。胃がグルグルのところはお○ぱいブルンブルンに無理やり当てましたが。
「まぁ、大丈夫だと思うぞ?」
そうですね。さて、先ほど言った就職活動は本格的に始まっていないのでなんともいえませんが、実を言うと中間テストで結構いい点を取ったんですよ。
「そうか。詳しくは聞かないが油断するなよ」
分かってます。先生方に期末もしっかりやらないと危ないって言われましたから。
「なら、大丈夫だろう。ところで、空自サイドの日常パート優遇なんだが。」
多分それについては二つの未来がありますよ。
「二つの未来?」
YES! 結果的に「日常パートで優遇するといったな。あれは嘘だ」になるか、本当に優遇されるかのどれかです。
「前者だったら撃つ」
・・・善処します。それでは次回にご期待ください