第五十一話「救助活動は始まる」
ゲームやハーメルンの小説に気をとられ気がついたら二ヶ月過ぎていた。
反省はしている。
第五十一話。どうぞ
十三時五十五分
神奈川県鎌倉市内
<町田耕哉二等陸曹>
2m半の津波に襲われた鎌倉市内で救助活動を行っている。
第1連隊に配備されていた10両の15式装輪装甲車はその水上浮航能力のために、連隊ごと津波の被害が酷い東海地方に派遣されている。
俺たちはシャベルを手にして分隊ごとに別れ、水没地域に取り残された人と交通にジャマな瓦礫の撤去及び、遺体の回収を行っている。
重機が到着していないせいでもあるが、遺体を傷つけないように、瓦礫の撤去は手作業で行われている。
しかし遺体と対面するのは精神的にきつい。今も瓦礫をどかしたら、十代半ばの少女を見つけた。
「やはり死んでいます。」
制服を着た少女の脈を山崎がはかり、死んでいるのを確認した。
やはり死んでいたか・・・
手を合わせた後に、丁寧に遺体を運び出す。
参ったな。ある程度我慢しているとはいえ、これはちょっときつい。土屋隊長や、古株の隊員は素直にすごいと思う。しかし、新人の隊員はそうも行かない。俺たちは択捉で死体を見たが、今井はまだ戦闘を経験しておらず、これが始めての実戦だ。今井が顔を青くしている。
「おい、今井。大丈夫か?」
「は、はい。何とか。」
何とか落ち着いたようだ。しかし、こうなるのも無理はない。
開ききった瞳孔が、何で私は死ななければ、何故助けてくれなかったのか?と訴えているような気がするのだ。顔を青くしながら遺体を丁寧に遺体袋に入れる。願わくば、来世では幸があらんことを・・・
こうしてまともに活動できているのは、東海地方の状態はもっと酷い。この程度でへこたれるなと自分に言い聞かせているからだ。遺体の数が予想より少なく、損壊の酷いご遺体と対面していないおかげでもある。
東海地方はどうなっているか知らないが、恐らく、凄惨な状態になっているのだろう。
今なら、東日本大震災で脱柵した自衛官の気持ちがよく分かる。
「巻波の奴大丈夫か?」
ふと、山崎がそう呟いた。海上自衛軍は第2、第3護衛隊群が韓国海軍と戦闘状態にあるから心配になるのは分からんでもない
「巻波二等海曹って・・・」
「山崎の友人だ。今頃は日本海で韓国軍と一戦交えているんだろうよ」
そう言って瓦礫をどかし、生存者、遺体がないか探す。
「ま、あいつらも戦っているんだ。俺達も俺達の戦場で戦うぞ。」
「はい」
瓦礫をどかしながら生存者を探す。生存者の発する声や音を聞き逃さないように慎重に耳を澄ます。
山崎が動きを止めた
「班長!。音が聞こえます」
弓川が叫ぶ。耳を澄ましてみると確かにかんかんと音が聞こえる。
「生存者だ。救出するぞ」
音を頼りに瓦礫をどかす。地面の下から声が聞こえてきた。
「早く!、ここから出してくれ。ここだ!」
「今、助けに行きます!。頑張って下さい」
「この瓦礫がジャマだ。今井。どかすぞ」
西山と今井が瓦礫をどかす。すると人の手が見えた。元気に地面をぱしぱしと叩いている。
「よし、全員でここを掘るぞ!」
「「「了解」」」
シャベルを使い地面を掘る。途中で、惚れない瓦礫があった場合は、慎重にどかす。下手に動かして生き埋めにしたらしゃれにならないからな。
掘り始めて、2、3分で生存者を救出することに成功した。
「本部。こちら、第3班。男性一人と幼児一人の生存者を救助した。幼児が衰弱している」
「こちら、本部。B地点に衛生兵とトラックが待機している。そこに向かってくれ」
「こちら町田。了解」
無線を切り、弓川に生存者を任せようとしたとき、かなり大きい揺れが来た。
「全員動くな!」
あわてて瓦礫の上で踏みとどまる。この状態でも危険なことには変わりないが、あわてて移動して転倒したり、足場から落ちて、頭を打ったりそこで瓦礫が崩れたら危険だから、暫くそこで踏みとどまる。
「収まっ・・・た?」
余震が収まったところで、無線からオペレーターの声が聞こえてきた。
『町田二曹。聞こえるか?』
「こちら町田」
『第三小隊第四班が生存者を確認見つけたが、余震で瓦礫が崩れたそうだ』
「瓦礫が?」
瓦礫が崩れた・・・ということは生存者が生き埋めになったのか?
『分隊長と班員2名が瓦礫に埋まった』
「なに?・・・生存者を避難所へのトラックに乗せたら向かう。場所はどこだ?」
「E2地区だ。漁船が打ち上げられているからすぐ分かると思う」
「了解。今から向かう」
無線を切った後、弓川に生存者を任せてE2地区へ向かった。
○●○
「神楽三曹。状況は?」
E2地区に到着し、瓦礫の前で立ち往生していた神楽に状況を聞く。人がいないのは俺たちが一番最初に着いたからか?。にしてはほかの四版の隊員が見えないが
「はい。現在結城曹長及び火野三曹、三島一曹が生存車二名と一緒に埋まっています。応援は呼びましたが、他の地域に手一杯らしく・・・それで今ジャッキを探しているのです」
「ジャッキ?」
「はい。下に隙間があるのでそこをジャッキで広げて脱出するのですが・・・」
ジャッキがないということか。人も居ないから人力でどかすのは難しいだろうし。
そうか、他の隊員はジャッキを探しているのか。
とりあえず、瓦礫の下にいる結城曹長に声をかける。
「結城曹長!。助けに来ましたよー!」
「その声は町田か?。」
「えぇ。応援は今のところ自分達だけですが・・・」
「そうか。ところでジャッキを持っていないか?」
瓦礫の中から聞こえる声に否定の声を上げる。
「いえ。神楽三曹と探したほうがいいですかね?」
「ああ。出来るだけ早く頼む。ジャッキは高機動車に積んであったはずだ」
「了解」
返事をして、あたりを見回す。
高機動車といわれてもその影形がないのだが・・・。やっぱり瓦礫のしただろうか。
「とりあえず、瓦礫の下を探すぞ。」
「「「了解」」」
全員に号令を掛け、既にジャッキを探していた四班の隊員と合流し、瓦礫を掘っては下を見る動作を行い始める。と言っても、止めてあった場所を重点的に掘るだけだ。第四班の班員曰く停めた場所はここだが、瓦礫が多すぎて二人で掘るのはムリだったらしい。
「班長。もしかしてコイツでは?」
今井が瓦礫をどけると、高機動車の屋根の部分が見えてきた。
「よし、さっさと掘るぞ。」
シャベルを手に彫って、大きな瓦礫は一緒にどかし、高機動車を発掘する。
十分後には荷台の瓦礫を取り除いた。
「コイツだな。」
そして、再び結城曹長のところへ戻りジャッキを瓦礫と地面の間に食い込ませる。
隙間が徐々に大きくなり、そこから生存者、結城曹長他二名の隊員が這い出てきた。
「ああ。死ぬかと思った」
「ぺっぺ。口の中に砂が」
どうやら全員無事のようだ。このことを本部に連絡し、自分たちは再び救助活動を行う。
視界に移るのは瓦礫の山。まだまだ、救出活動は始まったばかりだ。
言い訳がましく言いますと、自分は今日で二年生の課程を修了し、三年生として、就職活動に取り組まねばならないのです。今後上手く更新できるか不安です。
それに、救助活動の描写が中々上手くできず、こんな形になりました。
ATD-Xよ
なろうに戻るんだなお前には執筆すべき小説があるのだろう?。
一週間投稿していた時期が懐かしい。
それでは次回をお楽しみに。