第四十九話「引かれた引き金」
一ヶ月投稿が守れない。
卒業までには完結させたいのに果たして間に合うか?
ATD-Xです。ゲストは霧本雄一郎官房長官と鷲田雄大二曹と町田耕哉二曹と清水良助三曹です。
町田「今日はやけに豪華だな。なにかあるのか?」
清水「四陣営そろい踏みだな」
鷲田「何かやな予感がする」
霧本「俺もだ。拳銃の準備をしよう」
やめてください。霧本長官。理由はあとがきの方で。それでは、第四十九話。どうぞ。
六月二十九日
午前十二時五十三分
竹島北東東一二〇キロ海域
<清水良太三等海曹>
「あいつら、まさか撃ってこないだろうな?」
甲板で見張りをしながらぼやく。
先月の韓国の第四艦隊派遣の発表により日本政府は第二護衛隊群の出動を決定。バックアップとして、俺達第三護衛隊群や地方隊や第四護衛隊群から艦艇が出ている。空自も今年輸入したタイフーンを九州や中国地方に移転し、現在F-2と共に洋上阻止装備でスクランブル待機中だ。陸自も対艦ミサイル部隊が万が一に備えている。
現在日本の軍事能力はドンドン上昇しており20年代に入ればアメリカやロシアの兵器にも引けをとらない装備をした陸海空あわせて90万人以上の軍隊が出来上がると言われている。GDP1%枠を撤廃しただけでこの状態。対して韓国は日本と比べて経済の規模が小さい。GDPを2%つぎ込んでも日本の1%に及ばない。それに軍事に費やせる金もそんなに多くはないのにムリに艦艇を増やしたおかげで大半の艦艇が何らかの故障を抱え、ミサイルの数も多くはない。
無効は故障だらけ&ミサイルが不足している艦隊。対しこちらは数は韓国に劣るものの錬度と質は世界有数の海軍。
それが万全の状態で戦闘準備を整えている。まともな神経をしていれば発砲出来ないだろう。
・・・まともな神経をしていればだが。
「流石に、撃たないと思うよ。先頭になれば韓国はどうあがいても絶望な状態になるわけだし」
「それもそうか。経済が外国資本に牛耳られているしな。下手に売って日本と戦争になれば外国資本が撤退して経済が終わるからな」
海上に漂流物や雷跡が無いか探しながら――――もっとも雷跡を見つける前にCICのソナーが魚雷を見つけるのが速いだろうが――――警戒する。
「それに第四艦隊の出動も政治的パフォーマンスが強いってニュースで言ってたよ」
「それじゃ、ますます撃ってくる可能性が低くなるな」
巻波も見張りをしながら話し掛けてくる。
それにしても見張りの仕事はやはりきつい。
基本的に何もないが、油断していると重要な何かを見落とすからだ。この海域の場合は北朝鮮から脱北者の舟だったり漂流している漁船だったりと様々だ。
「・・・しかし、ほんとに撃ってこないだろうな?」
「しつこいね?。政治的な側面が強いから打ってこないよ」
「それでも韓国だからなぁ」
「韓国に偏見持ちすぎだよ。いくら無謀な韓国でもこれ以上自分が不利になることはしないと思う」
それはそうだが、韓国だからな。感情論で突撃をかましそうで困る。まぁ、撃たなければそれでいいんだけどな。
ぶっちゃけて言えば、領土問題は政治家で解決して欲しい。俺は抜かずの刀でいたほうが楽だ。もちろん訓練は怠らないが、命のやり取りを行うのはいやだ。
「頼むから撃ってくれるなよ」
海を見ながら呟く。そのつぶやきは海風に乗ってどこかへ消えた。
同日同時刻
韓国海軍第四艦隊
独島艦橋
<朴平男中佐>
「頼むから撃ってくれるなよ」
海上自衛軍のいる方角を見ながら呟く。いま争えば我らに勝ち目はない。
出来ればこのまま平穏無事に終わって欲しいが・・・。
「大丈夫だ。いくら日本でも、向こうから撃てば、国際的な非難は免れん・・・」
「司令・・・」
僕の呟きに返したのは第四艦隊司令官。李正憲中将。2014年のリムパックでの模擬戦でアメリカ第七艦隊の防空網の一角を崩し、第七艦隊に壊滅判定を受けるきっかけを作った司令官だ。この艦隊の司令官に就任した際、この艦隊の戦力を増強させた。まぁ、その分他の部署にしわ寄せが行って少なくない恨みを買っているが。
「最も、その非難を無視して、強引に戦争に持ち込むということを行われそうだが・・・果たしてわが将兵たちは耐えられるのか」
確かにありえない話ではない。いままでわが国は日本に数々の無礼な行いをしてきたわけだし。日本の懐の深さに祈らざるを得ないな。
「そうなれば、日本もかなりの出血をすることになるでしょう。わが艦隊は、韓国海軍の中でも精鋭中の精鋭です」
「そうだな。部下を信じずして何が名将だ。私は部下達を信じよう。万が一は部下と共に・・・」
この司令。少々自虐的な一面がある。そこさえ何とかすれば文句はないんだが・・・
「全く政府も要らんことをしてくれる。支持が足りないから艦隊で日本を威嚇するのはやりすぎだ」
ぶつくさ文句を言いながら前方を睨む。あの先に日本の護衛隊群がいる。
・・・それにしても憲法を改正したのだから普通に艦隊とつければいいのになぜ、護衛隊群のままだろうか?。
僚艦からとんでもない情報が入ってきた。
「こちら文武大王。非常事態だ!、日本軍が魚雷攻撃を受けた!」
このとき、ちらりと司令の顔を見た。顔面蒼白だった。
同時刻
第二護衛隊群
「被害状況知らせ!」
魚雷攻撃を受けたのはたかなみのCICで艦長が被害を確認する。
「船首に魚雷を二発受けた模様。弾薬庫付近にて火災発生!」
「主砲及び前部VLS使用不能。浸水しています!」
「ダメコン急げ!」
CICの指示の元たかなみの火災は消され、防水扉が閉められる。
「艦長。船首の損傷が大きいです。全速で前進すればまた浸水しますし、戦闘行動を不可能と見られますので離脱を具申します」
「ふむ・・・分かった。CICより艦橋。ほうしょうに連絡し、離脱する旨を伝えてくれ」
「艦橋よりCIC。了解」
たかなみが離脱を決めた一方。甲板でとある戦姫が艦橋に寄りかかっていた。
「韓国軍め。どこが三流海軍だ」
「ねえさん。気分は?」
「最悪だ。やはり、三流と言われていても侮ってはだめだな」
苦笑をしながらおおなみの手当てを受けるたかなみ。出血は浸水の停止と共に止まっているが、傷口はそのままだ。艦魂はドックで完全に修理するまで生々しい傷口がそのまま残るのでそれを隠す意味で包帯を巻く。
「どうやら私は戦闘に参加することが難しい。一旦退くが、後は頼んだぞ」
「まかせとけ!。韓国なんかあっという間にぶっ飛ばすから。姉さんはドックで修理されながら見といてよ」
自身ありげに胸を叩き答えるおおなみ。しかし、たかなみはある出来事を思い出した
「大丈夫か?。七年前の合同任務で救難共同訓練で韓国の艦艇と親しくしていたようだが・・・」
たかなみがこう問いかけるとおおなみはにははと笑いながら答えた。
「大丈夫。戦闘するときはお互い全力で祖国に尽くすって誓い合ってるから。たとえそれで沈んでも恨みっこは無しだ。ってね」
「・・・そうか。ならば、その誓いを果たせ。あんな自信満々にいったんだ。無様な姿を晒すなよ」
「分かった。それじゃ、戻るから。途中で沈むなよ」
そういって、おおなみは自分の艦に戻っていった。
○●○
自分の艦に戻った彼女は環境の上に立っていた。
「うし。たかなみ姉さんの仇討ちだ!」
そういって彼女は日本刀を召喚する。そして、一閃。その瞬間SSM-1が発射される。
他の艦でも艦砲や艦橋の上で艦魂たちが各々の武器を持っている。あるものは小銃を、あるものは拳銃を撃ち、あるものは日本刀を、あるものは槍を振り回し、あるものは弓を射る。
そのたびにSSM-1が発射される。自分の網膜に表示されるSSM-1の状態は順調に敵艦隊に向かっていることを示している。
そこに敵が対艦ミサイルを発射したた情報が表示される。
「対空戦闘用意」
おおなみがそう呟くと、艦体のVLSが開く。
左舷でちょうかいがすでにSM-2を発射し、敵対艦ミサイルに飛んでいく。
いくつかSM-2を突破してくるが、今度は護衛艦の個艦防空ミサイルに阻む。
「リコメンドファイアー。サルボー」
刀を一閃。それと同時にVLSからシースパローが飛び出し対艦ミサイルに向かう。暫くして、全てのシースパローが命中したという情報が網膜に表示される。次いで、自分達の放ったSSM-1がいくつか外れるもほとんどが命中する情報が表示される。情報に安堵したおおなみは次なる一手を打とうとする。
しかし、そこで驚愕の情報がおおなみの頭脳に入った。
「こんなときになんつう情報が・・・!」
その情報に歯軋りをしながら目を瞑る。脳内で仮想現実空間を構築し瞬時に高速で僚艦と交信する。
「みんな聞いたね。今すぐ撤退するよ」
最初に発言したのはほうしょう。声こそ冷静であるものの、表情は焦りを隠せていない。
「待ってくれほうしょう。いま撤退するのは不味くないか?。向こうの戦力を完璧に破壊していないのに」
ちょうかいがその意見に反論する。確かに今の状態で撤退すれば、いくら海上自衛軍でもある程度の損失を覚悟しなくてはならない。
「それは大丈夫でしょう。韓国海軍だって立派な軍人。撤退する理由を知れば攻撃は出来ないでしょう」
韓国軍との交流を行ったことのあるおおなみがほうしょうの意見を肯定する。
「私も賛成だ。一刻も早く本土に戻り救助活動を行わないと」
てるづきが賛成の意を示す。
「私は反対だ。韓国のことだ。攻撃を続行するぞ」
「私も。どさくさにまぎれて諜報活動を行われる可能性があるのでその牽制に残ったほうが得策かと」
しかし、あしがらとはるさめが反対の意見を出す。
「ちょっと。いくらなんでも言いすぎじゃ―――」
「事実だ。韓国のことだからこれ幸いと叩いてくるぞ」
「言わせておけば」
あしがらとおおなみに不穏な空気が流れるが、いかづちの声で静止される。
「今は争ってる場合じゃありませんよ!。とにかく撤退するかしないかのどちらかを決めましょう。私ははほうしょうさんの指示に従います」
「そうだ。ちなみに私は撤退に賛成だ。なにせこんな身だからな。戦闘はできん」
たかなみが賛成の意見を示す。
「賛成4に反対3.保留が1。決まりね。これよりわが艦隊は日本本土に撤退します。各員ないと思いたいけど追撃に備えて頂戴」
こうして、仮想現実空間が解かれ、おおなみは目を開ける。艦隊も進路を日本へ変更しようと舵を切りはじめいた。
数分前
東京 市ヶ谷防衛省地下司令部
<霧本雄一郎内閣官房長官>
「さて、交戦状態に陥ったわけだ。かねてから計画していた対韓戦争計画を下に進める」
浅尾総理の声に全員が賛成の意を示す。
たかなみの被雷の情報を受け取った俺たちは冷静に物事の方針を決めていた。この対韓戦争計画は民主党が与党になる前から考えられていたもので、内容は竹島を占領し鬱凌島と済州島を一時的に占領し対馬を含めた三つの島に対艦誘導弾を配備し、対地攻撃や対艦攻撃を継続的に行うという計画だ。
「それでは自分は報道の原稿を用意しておきます」
そして、俺は一旦地下司令部を出ようとした。その瞬間。この場にいる全員の形態が鳴り出した。携帯だけじゃない。司令部の通信機器もだ。
携帯から出る音と内容を見て、司令部に激震が走った。
「緊急地震速報・・・震源地は東海地方沖合いだと?」
慌ただしくなる司令部。地震が来るまで、もう三十秒もないが、皆やるべきことをやる。
俺も陽子に連絡を取ろうとするが、混戦していてつながらないようだ。
他の大臣や職員と共に頭を隠し、衝撃に備える。
そして、自身がやってくる。
っく。かなり強い揺れだ。家族はみんな無事なのか?。そう頭に浮かべながら地震にゆられる。
揺れが収まり辺りを見回せば、さまざまな機器や書類が散乱している。モニターでは、東海地方沿岸に津波が来るという情報が表示されている。
浅尾総理が職員に指示を出し、被害を食い止めようとする
かくして日本は地震と戦争の二つの国難に同時にあたることになった。
清水「…え? この状況はなんだ?」
戦争中に地震が発生したんです。
町田「見りゃ、分かる。これは全自衛隊を総動員する羽目になるな」
霧本「自衛隊だけじゃなくて、警察や消防。アメリカ軍もだ」
鷲田「これはやばい状況になりそうだ。ところで、四陣営の主人公がそろって呼び出されたのはなんでだ?」
・・・いやぁ、メタい事になるんですけどね。前書きと後書きに人を呼ぶのはこれで最後にしようかと思ってるんです。
町田「ろくなことじゃないな。。因みに理由は?」
文章のねたがあまり思いつかないから
清水「そんなメタな」
鷲田「俺たちが後書きに登場するのは最後と言うわけか・・・」
大丈夫です。自分の気まぐれで復活しますから。
「出来れば速く復活させてほしい」スチャ←拳銃を構える
おお、怖い怖い。なるべく善処します。
それでは、次回にご期待ください。