第十話「休暇」
恋愛を書くのがこんなにも大変だとは思わなかった。
7月18日土曜日
PM2:00
航空自衛軍那覇基地周辺
<鷲田雄大三等空尉>
今日は休日だ。と言うわけで現在は那覇市内を散策している。現在模型店を目指している。
買う予定のものは巡洋艦最上を予定。
鷲田「それにしても暑くなったな。」
現在は7月の中旬。蒸し暑い時期だ。
タオルで汗をぬぐいながらバスかタクシーに乗るかどうかを財布を見ながら決める。
鷲田「・・・歩きでいいか。」
とりあえず、この暑さから一旦逃れるためとポカリを買うため、コンビニに寄る。
店員「ありがとうございました~。」
店員の声を背にコンビニを出て、再び目的地に向かう。
それにしても暑い。のどの渇きを癒すためにポカリを飲む。
尾咲「あれ、鷲田君?。」
聞き覚えのある厄介な声が聞こえた。
幻聴と処理して歩こうとすると肩をつかまれた。
尾咲「ちょっと、無視するなんてひどいじゃない。」
どうやら幻聴じゃないらしい。
振り返って肩をつかんだ尾方を見る。
鷲田「いったい何のようですか?。」
尾咲「基地じゃないから敬語は要らないっていつも言ってるじゃん。」
鷲田「あ~、はいはい。」
めんどくせぇと思いつつ適当に返事をする。
尾咲「はいは一回。」
鷲田「は~い。」
尾咲「伸ばさない。」
鷲田「はい。」
尾咲「じゃあ、ちょっと付き合って。」
鷲田「はい、ってちょっと待て!。」
しまった、嵌められた!。
尾咲「それじゃ、出発しよう。」
そういって俺の腕をつかみ強引にどこかへ連れて行く尾方。
鷲田「待て待て、俺には俺の予定が――――」
尾咲「そんなの誰も気にしない~♪。」
こうして俺は強引に尾咲と付き合う事になった。
~1時間後~
どうやら彼女の目的地は最近開店した和風料理店のようだ。
早速店内に入る俺と尾咲。ちなみに俺は財布として連れて来られたらしい。
なんてこった。
尾咲「ちょっと長くなるかもしれないから席に座って待ってて~。」
そんなことを言い尾方はどトイレへ行った。
とりあえず座って、適当に注文し尾方を待つ。さっき昼食食べたんだけどなぁ。
え、この間に逃げないのかって?。前に逃げたら眠っている間に目と鼻にからしを塗りつけられ、挙句の果てに出会いがしらに顔面にパンチ&アッパーカット&根も葉もないうわさを流されるというひどい目に遭って以降逃げ出せなくなっている。
それにしても、なぜいつも俺が選ばれなきゃいかんのだ。以前そのことについて高田2等空曹と空守に相談したら、高田2等空曹はため息をつかれ、空守には夜道に気をつけろといわれた。
まったくなぜ教えてくれない。誰でもいいから教えてくれ。
<尾咲>
私は鷲田雄大が好きだ。子供の頃ずっと一緒に居たらいつの間にか好きになっていた。
その感情を理解したのは中学校に入学した時だ。今までずっと一緒だったので妙にさびしくなりその後は雄大のことを考えると顔が熱くなったり胸がどきどきしたりした。そしてこの感情が恋だと自覚した。
その後は色々とアプローチをしたんだけど・・・・・・どうやら彼は私のアプローチをなんとも思ってないの。いったい、どうすれば彼にこの気持ちを気付かせればいいのだろう?。
尾咲「はぁ、やっぱり告白したほうがいいのかなぁ。」
・・・・・・ヤバイ、顔が熱くなってきた。こんなんじゃ告白できるわけ無い。
尾咲「ま、ライバルが出るわけでもないし気長に待ちますか。」
そういって気持ちを落ち着かせた後、私はお手洗いを後にした。
~1時間後~
<鷲田>
店を出た俺たちは今度は洋服屋へと向かった。
鷲田「なぁ、まさか今度も俺のおごりじゃないよな?。」
尾咲「まさか、自分のほしいものぐらい自分で払うわよ。」
その一言に俺は幾分か安堵した。
尾咲「ここよ。」
そういって彼女は店の中に入った。
店の中はクーラーが聞いているらしく結構涼しかった。
尾咲「すぐにお目当ての服が見つかるからちょっと待ってね。」
そう言って彼女はどこかへ行った。
待つこと数分。彼女は戻ってきた。
尾咲「試着するからついてきて。」
そういわれ俺は試着室に連れて行かれた。
~僕に服の知識が無いので飛ばします~ByATD-X
PM5:00
せっかくの休みが尾咲の買い物の荷物持ちになっただけで終わってしまった。
尾咲「どうしたの?、そんな顔をして。」
鷲田「誰かさんのおかげで今日買う予定だった模型が買えなかったんだよ。」
尾咲「あ~それは・・・ごめん。」
どうやら彼女は悪いと思っているようだ。
・・・・・でもこの展開は前にもあったんだよな。悪いと思うならやめてほしい。
尾方「うわぁ!。」
鷲田「うぉ!。」
いきなり尾方が転んで俺にぶつかり荷物をぶちまけてしまった。
鷲田「おいおい大丈夫か?。ほら、荷物拾うぞ。」
尾咲「う、うん。」
ぶちまけた荷物を拾っているとおかしなものがあった。
鷲田「ん?。」
それを手に取って見る。ピンク色で、三角形を紐でつない―――
尾咲「何見てるの!?。」
バキッ
いきなり尾咲に殴られた。
次に意識を取り戻したのはなぜか病院だった。
ちなみに基本は空陸海の順で日常編を描きます。